シルクロードの国ウズベキスタン
中央アジアの中心に位置し、かつてはシルクロードの交易で栄えたウズベキスタン。まだまだメジャーな旅先とはいえませんが、2018年のビザ免除もあって、近年注目度が高まっている国のひとつです。
国土面積は日本の約1.2倍で、人口はおよそ3230万人。国土の7割が砂漠で、砂漠のあいだに残る、中世のイスラム都市のエキゾチックな風景が魅力です。
首都タシケント
ウズベキスタンの空の玄関口は、首都タシケント。2000年前には、すでに「チャチ」という名前で記録に登場した、古い歴史をもつオアシス都市です。
帝政ロシアによる支配や1966年の大地震もあって、現在のタシケントは整然と区画整備された近代都市。しかし、ウズベク人やロシア人、朝鮮人など、さまざまな民族が共存する人種のるつぼで、日本と同じ「アジア」とはいえ、「まったくの別世界にやってきた」と実感することでしょう。
昔ながらの賑わいが残るチョルス―・バザール周辺は、バラク・ハン・メドレセやハズラティ・イマーム・モスクなど、イスラム色の濃い歴知的建造物が残る、タシケントの旧市街です。
青の都サマルカンド
ウズベキスタンの観光地として最も有名なのが、青の都サマルカンド。「青の都」のほかにも、「イスラム世界の宝石」「東方の真珠」など、さまざまな異名をもつ歴史都市で、かつてはシルクロードの中心都市として繁栄しました。
かつて東西の交易商人が行き交った土地にふさわしく、「サマルカンド-文化交差路」の名で世界遺産に登録されています。
サマルカンドの代名詞が、3つのメドレセ(神学校)が圧倒的な均整の美を生み出す、レギスタン広場。ブルーのタイル装飾も目を見張るほど美しく、何度でも、いつまでも眺めていたくなるほど。朝、昼、夜と、時間とともに表情を変える広場の姿をじっくりと味わいましょう。
ほかにも、中央アジア最大級のモスク「ビビハニム・モスク」や、ブルーの霊廟が並ぶ聖地「シャーヒズィンダ廟群」、内部装飾に3kgもの金が使われたアミール・ティムール廟など、「青の都」の名に恥じない、壮麗な建造物の数々をお見逃しなく。
聖地ブハラ
古都ブハラは、ウズベキスタンきっての聖地。サーマーン朝やブハラ・ハン国の首都として栄えた古都で、一時は中央アジアのみならず、イスラム世界全体における文化の中心地でした。2500年もの歴史を秘めた古い街並みは、「ブハラ歴史地区」として世界遺産に登録されています。
ブハラは、各時代を代表する貴重なイスラム建築の宝庫。16世紀からほとんど変化していないという旧市街には、たこ焼き機をひっくり返したような丸屋根のあるバザールや、4本のミナレットをもつ珍しいモスク「チョル・ミナル」、イスラムの教義に反する絵が描かれた「ナディール・ディヴァンベギ・メドレセ」、中央アジア最古のイスラム建築「イスマイール・サーマーニ廟」など、ユニークな建造物群が点在しています。
二重の城塞都市ヒヴァ
タシケントから西に1000km離れたホレズム地方の古都、ヒヴァ。ここまで来ると、「ずいぶん遠くまでやってきたものだ」という感慨に包まれずにはいられません。
ヒヴァは外敵の侵入を防ぐために二重の城壁で囲まれた城塞都市で、「イチャン・カラ(内城)」と呼ばれる旧市街には、20のモスクに20のメドレセ、6基のミナレットなどが並び、
まるで数百年ものあいだ時が止まっているかのよう。
ウズベキスタンで最も「タイムスリップ」という言葉が似合う街並みは、1969年に博物館都市に指定され、1990年には世界遺産にも登録されています。
まるでPRGの主人公になったかのような気分が味わえる、ヒヴァのイチャン・カラ。町で最も高いミナレット「イスラーム・ホジャ・ミナレット」から見渡す旧市街は、「21世紀にこんな町並みが残っているなんて!」と感動する風景です。
ウズベキスタンの気候
典型的な大陸性気候のウズベキスタンは、夏は非常に暑く、冬は寒くなるのが特徴。
タシケントの年間平均気温の推移は東京とよく似ていますが、7月初めから8月半ばまでは「チッラ」と呼ばれる酷暑期に入り、西部では45℃を超えることもあります。
そのため、ウズベキスタン旅行のベストシーズンは、暑すぎず、寒すぎない4~6月と9~10月ごろ。日差しが強く乾燥しているので、旅行中は紫外線対策と水分補給に気を配りましょう。
どこに行っても、非日常のワクワク感に満ちているウズベキスタン。あなたも、今まで知らなかった「アジア」に会いに行きませんか。