登利平のお店へ
登利平は、もともとお弁当屋さんだったわけではなく、昭和28年に生まれた前橋市の小料理店でした。どうりで名前がお洒落なはずです。そこで出していた「鳥重」が大人気になって、「鳥めし弁当」として販売されるようになったのです。
午前11時前、ルートに一番近かった高崎西支店へ。中に入ると、噂の鳥めし弁当がずらり。壁には、現在販売中のお弁当はランチ用といったことが書かれていて、賞味期限が長すぎないことに好感が持てます。
圧倒的に量が多い赤いパッケージのものが、「上州御用 鳥めし弁当 竹」(730円・税込)。ムネ肉のみが使われています。こちらが群馬県民におなじみのもので、「群馬県優良物産推奨品」にもなっています。
緑のパッケージが「上州御用 鳥めし弁当 松」(830円・税込)。ムネ肉とモモ肉の両方が使われている豪華バージョンです。
他にも気になるお弁当や焼鳥もありましたが、今回は初めてなので、「松」にして、部位の違いを楽しむことにしました。
「上州御用 鳥めし弁当 松」実食
江戸っぽいイラストが、いかにも定番らしく、美味しそうなパッケージです。
発泡スチロールを使ったお弁当ケースから、ほんのりとした温かさを感じます。
中はこんな感じ。お肉がびっしり!あとは漬物だけという潔さが、絶対美味しいに違いないという確信を生みます。
まずは、薄切りのムネ肉を。予想よりも柔らかく、しんなりした食感です。味もしみしみ。そして、勝手に焼鳥のタレのような甘辛を想像していたのが、違ってびっくり。味醂や砂糖も使われているのですが、もっとずっと醤油が強めなのです。
もうひとつびっくりしたのが、味が濃いこと!シウマイ弁当の他、鰺の押寿しや鯛めしで育った神奈川県民には、はじめての領域です。お弁当でこんなに味が濃いものがあっただなんて。これが群馬県民の味覚なのだろうなと考えました。
見てください。こんな風に、タレがごはんにしっかりかかって、かなり茶色なんです。黒いのは刻み海苔。ちょっとしょっぱいのですが、癖になって、とり憑かれたように、どんどん食べ進んでしまいます。場所によっては、細切りのムネ肉が敷き詰められているボーナスポイントも。
ごはんがほぼほぼ食べ終わった時点で、カリカリ梅、つぼ漬け、葉唐きゅうりがあったことに気づいて呆然とするほど。漬物要らずの味の濃さだったのですね。最後、すべて食べましたが。
ちなみに、モモ肉はひっくり返すと皮つきでした。厚みのある分、味はそこまでしみしみではなかったですが、柔らかくてジューシーでしたよ。調べてみたところ、お肉が柔らかいのは、国産ひな鶏を使っているからと判明。
今回いただいた「上州御用 鳥めし弁当 松」は689kcalで、竹の633kcalより100円増し、カロリーは56kcal増しなだけなので、試してみる価値はありますが、個人的にはムネ肉のが断然美味しかったので、次回からは群馬県民のように竹を選ぶことでしょう。
鳥めし弁当の威力
この鳥めし弁当、中毒性があります。後から何度も思い出し、翌日も食べたいと思ったほどです。
登利平は、現在、群馬県内28店舗、埼玉県3店舗、栃木県1店舗で取り扱いがあります。中にはイートインできるところもあるそうです。
ホームページを見て、驚いたのが、「1時間に約8,000食の製造を可能にし、大量生産による当日天候不順のキャンセルにも対応でき」るという柔軟性です。そのせいもあって「年間四百万食を皆様にお届けしています。」という人気ぶり。
また、「今後続々開店する直営店はもとよりお持ち帰り弁当専門の販売店の展開等に前向きに取り組みたいと思います。」という文言が。神奈川にも是非!
[All photos by Shio Narumi]