ニューヨークのグラフィティのメッカ「5 Pointz」が失われた日

Posted by: 青山 沙羅

掲載日: Dec 3rd, 2013

ニューヨークといえば、グラフィティ(落書き)。
世界中のグラフィティ・アーティストが集結して、腕を振るったファイブ・ポインツ(5 Pointz)が、2013年末に取り壊され、高級コンドミニアムに建て替えられます。
もともとは工場・倉庫だった200,000スクエア・フィート(19,000 m²)の壁には、常にストリート・アートのヒップなグラフィティが描かれていました。

ニューヨークのグラフィティのメッカ「5 Poinz」が失われた日
スプレー缶によって描かれたグラフィティ

グラフィティのメッカ5Pointzで、自己表現するのは、Aerosol Artist(スプレー缶を使って描くアーティスト)の夢。世界各地のアーティストがこの地を目指し、オーディションを通った優秀なアーティストのみ描くことを許されました。前のグラフィティを白に塗り戻し、その上に描くことも条件でした。単なる落書きではなく、決まりがあったのです。

ニューヨークのグラフィティのメッカ「5 Poinz」が失われた日
5Pointzの正面側

とんねるずの木梨憲武さんの番組収録に遭遇したことも。MOMA(近代美術館)の分館PS1が近くにあります。

ニューヨークのグラフィティのメッカ「5 Poinz」が失われた日

ニューヨークのグラフィティのメッカ「5 Poinz」が失われた日
5Pointzの背面側

地下鉄7番線 クイーンズ行きの車窓から見えました。
高架下の倉庫に、思い思いのグラフィティ、消火栓、ゴミ箱や橋桁にまで。

ニューヨークのグラフィティのメッカ「5 Poinz」が失われた日

ニューヨークのグラフィティのメッカ「5 Poinz」が失われた日

ニューヨークのグラフィティのメッカ「5 Poinz」が失われた日

ニューヨークのグラフィティのメッカ「5 Poinz」が失われた日
5Pointz フォーエバー

グラフィティ・アートは、アーティストによって塗られては、白く消され、また他のアーティストに新たに塗られ、
20年ほど描かれ続けました。

ニューヨークのグラフィティのメッカ「5 Poinz」が失われた日

これらのグラフィティは、解体を前に、2013年11月19日すべてを白く塗り潰されてしまいました。
マンハッタンから川を挟んですぐという利便性の良さから、マンハッタンを一望できる高級コンドミニアム(豪華集合住宅)に建て替えられるそうです。
クイーンズもブルックリンも、マンハッタン寄りのウォーターフロントは、どこもかしこも再開発の波が押し寄せています。

ニューヨークのグラフィティのメッカ「5 Poinz」が失われた日
5 Pointz

残念ながら5 Pointzのアートはもう見ることはできませんが、新たにアートを生む5 pointzのような場所が誕生するのを期待したいです。

[All Photos by Hideyuki Tatebayashi]
※無断で画像を転載・使用することを固くお断りします。Do not use images without permission.

PROFILE

青山 沙羅

sara-aoyama ライター

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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