金田城跡の山頂からの景色
片道約1時間のトレッキングがスタート
今回は、登山口(蔵ノ内)から山頂まで約1時間のトレッキングコースです。登山口から山頂近くの砲台跡までは、比較的、歩きやすい登山道が続いています。明治時代に城山砲台が築造されたため、馬車道として整備されたのだそう。
黒瀬湾を一望できるポイント
登り始めて10分ほどで目の前に現れたのは、黒瀬湾を一望できるポイント! 登山道が断崖上を横切ったところに、この絶景ポイントはあります。「少し疲れたな」と思っていましたが、この景色を見て疲れが吹っ飛びました。
付近には、他の植物にカギ状のツタをひっかけてはい上がるという「カギカズラ」というユニークな植物も。
独特な風情ある眺め「東南角石塁」
続いて「東南角石塁」に到着。崩落している箇所もありますが、石塁と黒瀬湾がつくり出す、独特な風情ある眺めには、圧巻。
東南角石塁は金田城の東南端に位置する石塁で、角部分が前面(外側)に出ています。これは唐・新羅の侵攻に備えて、防衛機能を高めるために「張り出し」ているのだそう。7世紀につくられた古代山城の跡を目の前にし、不思議な気持ちになりました。
まるで万里の長城のよう「南西部石塁」
山登りのつらさにも慣れ、なかなかのハイテンションになってきた頃「南西部石塁」に到着。
南西部石塁は、東南角石塁とは少し趣が異なる石塁です。森の中にある日本版・万里の長城のような風景を望むことができます。
また、南西部石塁の少し手前には、東屋があるので、疲れたらしばし休憩するのもいいでしょう。ここで一息入れるか入れないかで、山頂までの疲れが変わってきます。
山頂まであと一歩の場所にある「砲台跡」や「観測所」
砲台跡
観測所
金田城は日露戦争の時に、再度要塞化された城山。山頂まであと一歩の場所には、砲台跡や観測所などの旧軍施設が残っています。古代から近代にかけて異国の脅威と対峙し続けてきた対馬の歴史を感じますよね。
まさに絶景! 見晴らし抜群な「山頂」
旧軍施設がある場所から山頂までは、急な坂道(獣道のような)を5分ほど登ることになります。しかし、山頂から浅茅湾を望む景色は、まさに絶景! 7世紀に東国から召集された防人(さきもり)たちも見たであろう美しい景色を眺めることができ、大満足しました。
山頂には「城山」と書かれたプレートも置いてあり、記念撮影にもピッタリ。
明治時代の親王、北白川宮能久が植えたという金竹も。ただ、山頂はぐるりと一周できるようになっていますが、柵などはありませんので、足元には十分ご注意を。
金田城跡トレッキングの注意点
登山道は石が転がっていて、やや滑りやすいので、登山靴か歩きやすいスニーカーを履いていくこと必須です。また、城山にはトイレがありませんので、先にトイレを済ませてからトレッキングしましょう。さらに、登山口付近は狭く、車は3台程度しか駐車できません。登山口手前、約200メートルのところに、駐車できるスペースがありますので、そちらもご利用ください。
往復、約2時間のトレッキングでしたが、登山経験ほぼゼロの筆者でも十分楽しむことができました。対馬の歴史と自然を一度に味わいたくなったら、ぜひ金田城跡をトレッキングしてみてくださいね!
[All photos by あやみ]