住みやすさは全国でNО.1!でも名前すら知らない・・・そんな、石川県・白山市ってどんな場所?

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Nov 24th, 2019

日本一住みやすい町と聞いて、どこを思い浮かべますか? 住みたい町となると、自然と東京や大阪など大都市にある町が選ばれますが、住みやすいとなると、また話は別です。東洋経済新報社が毎年発表する「住みよさランキング」最新版で、見事に全国1位を獲得した自治体は白山市。白山市と聞いて、何県にあるのか即答できる人は恐らく少ないはず。2019年に限らず、白山市は住みよさランキングで上位常連の町ですが、一体どのような場所なのでしょうか?そこで今回は石川県にある白山市の魅力を探っていきたいと思います。


(C)白山白川郷ホワイトロード (C)石川県観光連盟

日本海の砂浜から霊山まで。石川で一番広い自治体

白山白川郷ホワイトロード (C)石川県観光連盟

白山市とは先ほども書いた通り、石川県にあります。子どものころ社会科の教科書で、全国の都道府県の位置を暗記させられたと思います。石川県は日本海側で、北陸と呼ばれるエリアの一角を成しているのでした。

県庁所在地は金沢。なんだか地理の授業みたいになってきましたが、北陸新幹線が2015年に金沢まで延びてから、観光地として一層の輝きを増している都市になります。

その金沢市の西側に隣接して、白山市はあります。地図を見ると、とっく利のような形をした自治体。市の名前からも分かるように、開山から1300年の歴史を経た日本三霊山の1つ、白山(標高2,702メートル)を抱えています。

合併によってできた町のためとても広く、南側(とっく利の底)には白山国立公園、中山間地を経て北側(とっく利の注ぎ口)に発達する手取川沿いの扇状地の先には、広大な砂浜と日本海が広がっています。霊峰から日本海に至るその面積は、石川県で一番の広さを誇ります。

都市と大自然のどちらにも移動しやすい

ほうらい祭り (C)石川県観光連盟

白山市は金沢市と隣接しているため、金沢に通勤する人も人口の3割程度に達します。ただ、ベッドタウンとして住宅街があるだけでは、もちろん終わりません。平野部には広大な水田も広がり、北陸らしく加賀獅子頭などの伝統工芸も継承されています。北陸自動車道を走ると分かりますが、沿岸部には工業地帯も広がっています。

TABIZINE的な視点で言えば、白山、手取峡谷、お隣の岐阜県にある世界遺産、白川郷へと通じる白山白川郷ホワイトロード、温泉地を始め、観光地も充実しています。TABIZINEの過去記事「悪縁を断ち、良縁を結ぶ!人生の節目に参拝したい「白山比咩神社」【石川】」でも紹介した縁結びの聖地、白山比咩神社もまさにこの白山市。

北陸鉄道石川線、IRいしかわ鉄道(旧JR北陸本線)が通っているため、金沢からのサイドトリップ先としても適度な距離感です。同じように住んでいる人たちも車で、電車で、金沢まで容易に出られます。一方で大自然へのアクセスも、海に、山に、渓谷にと充実しています。

北弥陀ヶ原の眺め (C)石川県観光連盟

東洋経済新報社の「住みよさランキング」では、白山市の利便度はとても低く評価されていました。その場合の利便度とは、買い物できるお店の数や飲食店の充実度を意味しており、その分野では確かに強い印象はありません(逆に金沢市と白山市に囲まれた、総合3位の野々市市の方が充実しています)。

しかし、金沢市と大自然の双方に移動できるという意味で言えば、利便性は高いと評価できるはずです。

移住者いわく「とにかく暮らしやすい」

白峰(重要伝統的建造物群保存地区) (C)石川県観光連盟

住みよさランキング第1位を裏付けるように、白山市は石川県全体の市町と比べてみても、県外からの移住者が多い自治体です。市が発表している転入者の数は、他の都道府県から来た人が1,425人(2018年度)。この数は過去5年で増え続けています。

このうち、市の移住支援制度や相談窓口などを利用した移住者の数は、北陸中日新聞の報道によると70人。この数は金沢市をしのぐ、石川県でもトップの数字です。

白山比咩神社 (C)石川県観光連盟

白山市は移住者に対して、住宅を手に入れるときの補助、学校生活を応援する制度、起業・創業者向けのサポート制度も充実させています。

白山市へ移住した友人いわく、一にも二にも暮らしやすいとの話。渋滞もなく、生活費も安く、適度に何でもあって、自然も身近にある、その上、近隣住民との距離感もある程度保たれていて、かといって放置されないおせっかいさもあり、水がおいしく、食が豊かなのだとか。

教育にも熱心で、白山市の場合はお隣の金沢も含めると働き場所も十分にあります。その気になれば自分で起業して、目立てるチャンスも大。


手取川 (C)Shutterstock.com

同じ移住でも、お隣の金沢のように下手にブランド化されている場所だと、何かと高くつくはずです。一度レンタカーを借りて、海から手取川の源流を目指し、旅してみてはどうでしょうか。

市全域が白山手取川ジオパークとして日本ジオパークにも認定されている同地の魅力を満喫できるはずでし、なぜ人々が移住したがるのか、感覚として伝わってくるはずですよ。

[参考]
東洋経済「住みよさランキング 2019」の結果
県内、県外別転入、転出者数 – 白山市

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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