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環境問題に意識の高い消費者から支持
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夏の猛暑や集中豪雨の頻発など、近年頻発している異常気象から地球温暖化の影響を肌で感じている人も多いのでは?
地球温暖化に影響を及ぼす温室効果ガスの排出量について、畜産業関連からの排出量が全世界の温室効果ガスの18%に及び、その中でも牛が食べる肥料の精算や加工、牛のたい肥が主な排出源(全体の約80%)となっているという研究結果をカナダ・ダルハウジー大学 (Dalhousie University)が発表。同大学が公開した学術論文では、地球温暖化に影響を及ぼす温室効果ガスを抑制するために、食肉量を減らす必要があるとし、以前話題になりました。
アメリカで市販化され注目される「代替肉(プラントベースミート)」
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ハンバーガーやステーキなど、肉食のイメージが強いアメリカですが、環境問題への意識が高まっているなかで、本物の肉のような「代替肉(プラントベースミート)」に注目が集まっています。動物の細胞を培養する「培養肉」とは違い、大豆やエンドウ豆などの植物を主原料にする「代替肉」。「ベジミート」や「フェイクミート」、「プラントベースミート」などさまざまな呼び方があるようです。肉食の人でも抵抗なく食べられるような商品開発が進み、市場を拡大しています。
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欧米諸国のスーパーの精肉売り場では、本物のひき肉やソーセージのようなパックで販売されているほか、ファーストフード店では代替肉のハンバーガーのメニューも登場。各市場に広がりを見せています。
著名人も出資する「ビヨンドミート」
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アメリカの「代替肉」メーカーで知られる「Beyond Meat(ビヨンドミート)」。「肉を超える」を意味する社名が付いた同社では、エンドウ豆のたんぱく質やキャノーラ油、ココナッツオイルなどを原材料に使用。マイクロソフト社のビルゲイツ氏や俳優のレオナルド・ディカプリオ氏などの著名人が出資するなど、注目を集めている会社です。
ロシア市場にも進出
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2019年にはロシアにも上陸した「代替肉」。ピザハットロシア法人やハンバーガーのフランチャイズ店、大手スーパーなど、代替肉を扱う会社が増えているそうです。食肉のメニューよりも割高になることから、代替肉の値段がネックになっているというロシアでは、供給量を拡大することでその差を少なくする意向のようです。
日本で普及している大豆ミートとの違い
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醤油や味噌、豆腐に納豆など、日本食にとって大きな存在の大豆。「畑の肉」とも呼ばれ、たんぱく質を豊富に含んでいることでもよく知られています。大豆ミート(ソイミート)など、肉の代わりになる「もどき肉」商品は日本で独自に開発が進んでおり、植物由来のもどき肉という点ではコンセプトは同じ。
違いとしては、欧米で普及している「代替肉」は、精肉のようなパックで正肉に近い状態で販売されていること。肉食の消費者でも、環境問題に対する意識から、肉を控えたいという時に抵抗なく食べれるような工夫をした商品開発が進んでいます。
日本で買える?植物由来の「代替肉」
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2019年にはビヨンドミートが日本での販売を計画していましたが、8月に日本進出計画が中止に。そんな中、昨年8月には日本初のプラントベースミート専門のファーストフード店「ゴーストレストラン」が、池袋にオープンしました。デリバリー対応で、ハンバーガーやナゲットなどを扱っているほか、冷凍でバーガーのパテやソーセージなどを販売しています。2020年1月現在、東京の数か所に店舗を拡大していますよ。
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肉や魚だけでなく、大豆などの豆類、野菜などバランスよく摂れるのは、日本食の大きな特徴ですよね。もともとヘルシーな和食文化があり、食に対する意識が高い日本で、今後「代替肉(プラントベースミート)」がどのように進化を遂げ、普及していくのか注目です。
・@Press:肉を食べることが温暖化に影響?アメリカで大注目の代替肉
・ロイター:肉食は地球環境への脅威、食生活改善が必要=カナダ研究
・Digital PR Platform:人気高まる植物由来の「代替肉」
・Jetro::世界中で話題の代替肉、ロシアに上陸
・ロイター:「代替肉」のビヨンド・ミート、日本進出計画を取りやめ=三井物産
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