爽やかなユーカリの香りのする空気を深呼吸しながら、世界自然遺産に登録された大自然を五感で満喫する。そんな贅沢な時間を過ごせるのが、今回ご紹介する「ブルーマウンテンズ」です。さて、一体どんな景色に出会えるでしょうか。
大自然がアトラクション
オーストラリア第1の都市シドニーから、電車で西へ約2時間。ニューサウスウェールズ州ブルーマウンテンズは、オーストラリア国内の世界遺産としては14番目に登録されました。見渡す限り広がる広大なユーカリ林や、起伏に富んだ地形が美しい国立公園エリアです。
「ブルーマウンテンズ」と呼ばれる理由は、空気が青く霞んで見えるため。ユーカリの木から放出された油が気化し、空気中のホコリや水分と混ざって太陽を反射すると、空気が青く見えるのです。周囲を包むユーカリ独特の爽やかな香りも、心を静めてくれます。
一般公開されている鍾乳洞のなかでは、世界最古のジェノラン洞窟。なかでも、地下を流れる川は必見の美しさです。洞窟コンサートやゴーストツアーが開催されることもあり、ただの見学だけに終わりません。
ウェントワース・フォールズは、落差約300キロの巨大な滝。これだけ大きいと、より一層のマイナスイオン効果が期待できるかも!?
世界最大の急斜面を走る鉄道に乗り、ブルーマウンテンズの大自然を楽々満喫。天井もスケルトンなので、景色を見逃すことはありません。
アボリジニを知る休日
ブルーマウンテンズは、実はオーストラリアの先住民族アボリジニの歴史が数多く残された場所でもあります。アボリジニ文化を体験するツアーもあり、彼らが大自然と共存するために築いてきた、非常に豊かな文化を知ることができるのです。
少なくとも4万年以上前から、オーストラリア大陸に存在していたと言われるアボリジニ。大英帝国の支配下で迫害を受けました。今も彼らに対する敬意は十分とは言えないのですが、そんな状況を打開しようとする運動が活発化しているのも事実です。
ブルーマウンテンズのランドマーク的存在、奇岩スリーシスターズ。アボリジニの3姉妹が、悪魔から身を守るために岩に姿を変えたという伝説が残されています。
500年前~1600年前のアボリジニの手形が残るレッド・ハンズ・ケイブ。黄土と水を交ぜたものを使って、手形を残したと言われています。
大自然と先住民の文化を満喫できるブルーマウンテンズは、開発の進む前のかつてのオーストラリアの姿をそのまま残したエリアだとも言えます。シドニーやメルボルンの都市巡り以外にも、こんな体験ができたら素敵ですね。
[オーストラリア政府観光局&www.bluemountainsaustralia.com&Blue Mountains Visitor Information Centres]
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