(C)Shutterstock.com
ジョージアから夜行列車で入国
(C)Nao
ジョージアからアゼルバイジャンへの夜行列車は1日1便。20時35分にトビリシ駅を出発し、翌朝の8時頃にバクー駅へ到着します。約12時間と長旅ですが、鉄道での国境越えは旅情もひとしお。列車内での出入国審査など、日本では決して味わうことのできない体験は貴重なものと言えるでしょう。
華やかな西洋建築が並ぶ新市街
(C)Shutterstock.com
バクー駅から新市街へはタクシーでおよそ10分。目抜き通りのNizami Streetにはお洒落なレストランやショップが軒を連ね、多くの人々で賑わいます。
アゼルバイジャンはコーカサス三国唯一のイスラム教国ですが、中東諸国ほどイスラム色が濃くはなく、ヨーロッパやアジアの雰囲気も融合。この地が「東西が出会う場所」であることを実感せざるを得ません。
(C)Shutterstock.com
Nizami Streetを抜けると独創的なオブジェが点在する噴水広場。周辺には朝食を提供するカフェが点在。朝ごはん探しにもピッタリですよ。
(C)Nao
筆者が訪れたのは「The House Cafe」。スモークサーモンのオープンサンドやアボカドプレートなど豊富なメニューを用意。驚くべきは野菜の鮮度の良さ。どれも瑞々しく大変美味でした。香ばしく焼かれた自家製バゲットも絶品!
伝統が息づく旧市街
(C)Shutterstock.com
朝ごはんの後は旧市街を散策。城壁に取り囲まれるのは、日干しレンガ造りの建物や迷路のように入り組んだ路地、石畳の通り。かつてアジアとヨーロッパを結ぶシルクロードの中継地点として栄えた面影を今なお感じることができます。
(C)Shutterstock.com
旧市街の最大の見どころが15世紀に建てられたシルヴァンシャー宮殿。ハマム(浴場)やモスクなどが残され、往時の姿を伝えます。背後には近未来的な高層ビル群。新旧建築の混在もバクーの面白いところ。
穏やかな風が心地いいカスピ海
(C)Nao
街歩きを満喫した後はカスピ海でしばし休憩。海に沿って続く海岸公園では、地元の人々が思い思いに寛ぐ姿が見られます。日が沈む頃には空と海がロマンティックなグラデーションに。
ローカル飯ファンは必食!絶品B級グルメ
(C)Nao
アジアとヨーロッパの十字路として栄えたアゼルバイジャン。食文化はトルコやイランなどをはじめとする様々な国の影響を受けていると言われています。バクーには本格的なアゼルバイジャン料理を提供するレストランも多いのですが、筆者がハマってしまったのバクー駅前にあるシャワルマ屋。
(C)Nao
いかにも街の食堂といった雰囲気漂う「Cempion Shaurma」。お客さんは男性ばかり。ローカル飯ファンとしてはたまらない空間です。
感動のシャワルマ!ドリンクセットで約130円というコスパも嬉しいところ。ちなみにシャワルマとは回転させながら焼いたチキンをスライスしたものと、フライドポテトやガーリックマヨネーズを薄いパンで包んだ料理。中東では人気のファストフードのひとつです。
中身や作り方はお店によって異なりますが、こちらは最後に鉄板でプレスするスタイル。表面がパリっと香ばしく、食欲をますます刺激してくれます。
(C)Nao
ちなみに中身はこんな感じ。シンプルだからこそ記憶に深く刻まれる、絶品のシャワルマでした。
バクーから日帰りで行ける!ゴブスタン国立公園
(C)Nao
翌日はアゼルバイジャン中部の半砂漠地帯にあるゴブスタン国立公園へ。1万年前から人々が住んでいたとされる地で、古代人が描いた6000点以上の岩絵が残る遺跡です。
バクーからは車でおよそ1時間。現地の旅行会社による日帰りツアーもありますが、交渉すればタクシーで行くことも可能。ホテルのコンシェルジュに手配してもらうのもいいでしょう。
(C)Nao
牛や羊、狩りの様子、踊る人々。当時の暮らしを彷彿させる岩絵が巨岩の至るところに描かれています。5000~2万年前の岩絵が現在でも明瞭な形で残っているとは驚くばかり。長い歴史に想いを馳せずにはいられません。
(C)Shutterstock.com
ゴブスタン国立公園のもう一つの見どころが荒涼とした砂漠の中にある、マッドボルケーノ。マッドボルケーノとは、地下から噴き出す天然ガスによって泥が噴出する泥火山。通常はゆっくりとボコボコと音を立てながら噴出していますが、突然「ボコーン!」と大噴出する瞬間も。地球の鼓動を間近で感じることができますよ。
(C)Nao
ゴブスタン国立公園を観光した後は、再びタクシーに乗ってバクー駅へ。20時40分発の夜行列車でトビリシに戻ります。
潤沢なオイルマネーによって、ますます発展し続けるアゼルバイジャン。近未来的な建築物やシルクロード時代の面影漂う旧市街など、新旧の魅力に彩られた風景に出会ってみてはいかがでしょうか?
[Photos by Nao & Shutterstock.com]