おせち料理の一の重には祝い肴と口取りを詰める
おせち料理は、一般的に重箱に詰められています。お重を重ねることは、「めでたさを重ねる」という意味があり、重ねた時に1番上にくるのが「一の重」、その下につづくのが、「ニの重」「三の重」と呼ばれています。本来は四段重(五段重という説もあり)が正式なものでしたが、現代は、三段重が多いようです。
一の重には、祝い肴と口取りを詰めます。口取りとは「口取り肴」の略語で、酒の肴になる料理のことです。紅白のかまぼこやきんとんをはじめ、伊達巻き、昆布巻きなど、甘みのある料理を詰めるのが主流です。
「口取り」はおせち料理の定番
おせち料理といえば、真っ先に思い浮かぶ料理といっても過言ではない口取り。それぞれ、どのような意味が込められているのでしょうか?ひとつずつ見ていきましょう。
紅白かまぼこ
かまぼこの形は日の出を表現し、新年に相応しいとされています。赤は「めでたさ」や「魔除け」、白は「神聖さ」や「清浄」の意味があります。
栗きんとん
きんとんは「金団」と書き、黄金の色から、金運をもたらすとされています。
伊達巻
巻物のような形をしていることから、学問が成就するように、知識が増えるようにとの願いが込められています。
昆布巻き
「よろこぶ」と語呂合わせの縁起もの。また「子生」と書いて子孫繁栄の願いも込められています。
甘みのある料理がそろう「口取り」をいただくと、新年の訪れをしみじみ実感しますよね。それぞれの具材に込められた願いの叶う、幸多い一年になりますように。