(C)ベイサイドスクエア皆生ホテル
漁師によって偶然発見された温泉
米子市の北側、弓ヶ浜半島の東端に位置した海辺の温泉地「皆生(かいけ)温泉」。温泉が発見されたのは明治初頭の1900年。漁を行っていた地元漁師が海底から温泉が湧いているのを偶然発見したことがはじまりなのだそう。大正時代から徐々に開発が進められ、今では鳥取を代表する温泉地に。
白砂青松の美しい海岸線からは中国地方最高峰の大山を一望。そこはかとなく日本海らしい空色や静かな波音が、不思議と心を落ちつかせてくれます。
海に面した抜群のロケーション
(C)ベイサイドスクエア皆生ホテル
風光明媚な海岸から徒歩30秒という抜群のロケーションにあるのが「ベイサイドスクエア 皆生ホテル」。JR米子駅からはバスで約20分。城下町米子や水木しげるロードからも比較的近いので、こちらを拠点に観光するのもおすすめですよ。
宿泊したのは「オーシャンビュー&タタミ」というお部屋。窓際には畳の小上がりが備えられていて、落ち着いた和モダンな雰囲気が漂います。
大きな窓に広がるのは日本海と弓ヶ浜半島の美しいパノラマ。筆者が気に入ったのが絶妙な深さの掘りごたつ式テーブル。PC作業にも抜群の威力を発揮してくれました。ワーケーションとしての利用にもいいかもしれません。
それでは温泉に行ってみましょうか。浴衣は各フロアに設置。女性用は30種類という豊富なデザインから選ぶことができます。ぜひお気に入りを見つけて気分よく過ごしたいところ。
ミネラル豊富な泉質がもたらしてくれる極上の癒やし
(C)ベイサイドスクエア皆生ホテル
内風呂は7つ用意。こちらは御影石の内湯と樽で作られた半露天風呂が配された男湯。時間帯によって男女入れ替わるので、滞在中にさまざまなお風呂を楽しめるのも魅力です。
(C)ベイサイドスクエア皆生ホテル
2階部分にはヒノキ造りの露天風呂。青く澄んだ空と涼しげな海が迎えてくれ、開放感もひとしおです。海の中から湧く温泉は無色透明の塩化物泉。塩分濃度が濃く、海洋性ミネラルを豊富に含んだお湯は新陳代謝を活発にするといわれており、浸かっているとポカポカと体が温かくなってくるのを実感しました。
お湯に身を委ねながら青い景色に包まれたり、夕陽に感動したり、星空を眺めたり。昼も夜もそんな贅沢な体験をかなえてくれる絶景温泉です。
松葉ガニの濃厚な旨味と甘味を、心ゆくまで
今回利用した「三大蟹料理コラボプラン」の夕食は提携する料理旅館「海潮園」にて提供。鳥取県が誇る特産物、松葉ガニをカニ刺し、カニスキ、焼きガニの3つの料理で味わえるという蟹好きにはたまらない内容です。
先付けには隠岐の島産もずくや黒バイ貝の塩茹でなど、地元の珍味がそろいます。もずくは粘り気が強く豊かな食感。清涼感ある三杯酢とも絶妙なハーモニーに。
カニ刺は境漁港で水揚げされた海の幸とともに。丁寧に下処理された松葉ガニの身は驚くほど透明で、鮮度の良さが一目瞭然です。肉質は繊細でぷりっぷり。口の中で濃厚な旨味がダイレクトに広がります。
カニスキ用の透き通るような美しさを湛える松葉ガニ。さっと火を通すことで身がふんわり柔らかに。カニの旨味がたっぷり溶け出した出汁で作る雑炊は実に滋味深い味わいでした。
焼きガニは繊細な身質と、凝縮された甘味を同時に楽しませてくれるひと品。鳥取の地酒、やや辛口の「久米桜」とも見事にマリアージュ。松葉ガニに心ゆくまで魅了された至福の夕食でした。これぞ、大人の贅沢!
ズワイガニも!土地の豊かさを知れる朝食ブッフェ
朝食はホテル内にあるダイニング「エンヤサンゴ」にて。壁一面の窓に映る美しい海を眺めながら過ごせば、朝からパワーチャージできそうです。
ブッフェ台には地元食材をふんだんに使用した和食メニューの数々が並びます。うれしいことに茹でガニも!
五穀米ご飯やもずくのお味噌汁を添えていただきましょう。水揚げ直後に浜茹でされるという紅ズワイガニは弾けるような弾力と深い甘みが印象的。お惣菜は素材を活かしたシンプルな味わい。素朴さが心にじんわり沁みます。
筆者が体験した「三大蟹料理コラボプラン」は1人18,210円からでした(3月31日で終了)。今月からは日本海の海の幸や紅ズワイ蟹をメインとした「会席料理コラボプラン」(1人14,910円〜/2名1室、サービス料・税込)などが登場しています。次の休暇は山陰を代表する海辺リゾートで、湯と食を満喫してみてはいかがでしょうか。
[Photos by Nao]