屋根裏部屋で叶う香りの世界旅！恵比寿「SHOLAYERED」の香水カフェ体験レポ

日本発フレグランスブランドの香水カフェ

フレグランスプロデューサーの石坂将（いしざかしょう）さんが、”香りをレイヤードする”という新しいスタイルで展開する「SHOLAYERED（ショーレイヤード）」。

1階ではフレグランス商品やお花を販売していますが、香水をはじめとした商品はすべて日本製で、香りの色を見たくなるほどさまざまな香りが繊細に重なる心地よさです。

奥の階段を昇った2階。廊下の先の扉を開けると、新しくオープンしたフレグランスカフェ「SHOLAYERED CAFE（ショーレイヤードカフェ）」に到着です。「屋根裏部屋の調香師」をコンセプトに、地中海の街にある家をイメージした内装で、1階のように良い香りで満ちて癒やされます。

中にプールを描いた遊び心があるテーブルに、屋根の瓦やタイルなど資材はフランスから直輸入していて、現地の空気感が漂っています。

屋根側には広々としたテーブル席が、

屋根裏側には2人掛けのテーブル席も。

書斎もあり、棚には小物もたくさん飾られて、調香師の暮らしを垣間見ているような非現実空間に胸が高鳴ります。

「旅と記憶」の5つの香水カクテル

ブランドの代表的な5つの香りと石坂さんが世界各国を旅した記憶をかけあわせた「フレグランスカクテル（ノンアルコール）」（5種類／各2,640円・税込）を楽しめます。

テーブルには香りのサンプルも置いてあり、ひとつずつの香りを感じながらメニューを選べます。香水に詳しくなくても、スタッフさんが香りやドリンクについて丁寧に教えてくださるので安心！

スパイシーで複雑な香りの「ミステリアスミックス」と、イギリスの第二都市「バーミンガム」をかけあわせた「BIRMINGHAM by MYSTERIOUS MIX（バーミンガム by ミステリアスミックス）」。産業革命時の歴史と近代が融合するバーミンガムは、インドやパキスタンからの移民も多く、スパイス系の食文化も特徴。

スターアニスやシナモンなどの秘伝のスパイスエキスをふんだんに入れ、香水との相乗効果で甘くスパイシーにバーミンガムの多文化を表現。石坂さんが影響を受け、香りやスパイスの心地よさを人生に取り入れた“始まりの地”とのこと。

清潔感あり深く甘い香りの「ホワイトムスク」で、大西洋に面したモロッコ最大の首都「カサブランカ」を表した「CASABLANCA by WHITE MUSk（カサブランカ by ホワイトムスク）」。ホワイトムスクをドリンクにする試作中に、カサブランカの記憶が蘇り完成。スペイン南部とイスラム文化が共存するエキゾチックな風情ある町並みが印象的だったそうです。

夕陽のような色は甘さ控えめのスッキリとしたオレンジカクテルに、小瓶のバニラシロップをお好みのタイミングでさらりとかけてみましょう。

バニラで甘みを足すだけでなく、スペイン語で「白い家」という意味がある「カサブランカ」の街の風景も表現し、深まる香りと甘みを楽しめます。

ブランドの代表の香り「シュガーライチ」をイメージした「MEXICO CITY by SUGAR LYCHEE（メキシコシティ by シュガーライチ）」は、メキシコの首都「メキシコシティ」の歴史的建造物が残る街並みと、メキシコ料理では必須の花山椒やパクチーのスパイスやハーブの食文化から着想。フレッシュで甘いシュガーライチの香りが、街と食が複雑に融合するメキシコの旅へと誘います。

洋梨のようなフルーティさと清々しい香りが特徴の「フレッシュペア」の香りから、石坂さんも1番好きになったというエーゲ海を思いながら創作した「AEGEAN SEA by FRESH PEAR（エーゲ海 byフレッシュペア）」。地中海の乳製品やフルーツの食文化と、青い空と海と白い建物の美しい景観を清々しく感じる人気のカクテルです。

上品なバラの香りにマスカットが爽やかな「ロゼマスカット」の香りと、ポーランドの首都で“北のパリ”とも言われる「ワルシャワ」が出会った「WARSAW by ROSE MUSCA（ワルシャワ by ロゼマスカット）」。ローズシロップとローズオイルを加えたドリンクにはバラの花も添え、飲み終えた時に花と氷がグラスに残り、“北のパリ”の美しさと穏やかさを表現。

カクテルグラスは、香水を思わせる大きなアラビアングラスで、大きめの氷がきらきら輝いて宝石のよう。変化する味わいと香りが、現実から離れて夢の旅へ導いてゆくのです。

コーヒーやスムージーも

他にも、コーヒーや紅茶、カフェラテ、抹茶ラテ、チャイラテなどのドリンクに、ビーフカレーやミニキッシュなど軽食もそろっています（800円〜）。

コーヒーは「調香師が飲むコーヒー」をイメージ。スマトラ南部のコーヒー豆を使った「モーニング（朝）」、エチオピア豆を使った「ヌーン（昼）」とあり、豆の焙煎から挽き方までこだわりあり。

（写真提供：SHOLAYERED CAFE）

また、「スムージー（奥から、ブルーベリー＆バナナ、マンゴーココ、ベリーミックス、ビタミングリーン、ブラックセサミ）」もカラフルで可愛らしく、こちらも素材を厳選しています。ちなみに、お冷にも「レモンピール」の香りを混ぜて、優しいスッキリとした香りに。

香りと世界旅

私たちも香りから過去を思い出すように、石坂さんも香水から着想し創作する過程で旅の記憶が蘇るだけでなく、新しくアイデアが生まれ、想像を超えて完成していったそう。

旅の醍醐味である寄り道と好奇心のように生まれた「旅と記憶の香水カクテル」。子どもの頃に憧れた屋根裏部屋で、カラフルに重なる香りの体験をしてみてはいかがですか。

［（写真提供以外）all photos by kurisencho］

PROFILE

kurisencho

kurisencho ライター

熊本県天草の凪いだ海と潮の香りの中で育ちました。東京に住むことで、新しいもの、昔からあるものの良さを再発見し、今まで見てきた世界が広がりました。デジタル化の中で生きるアナログの力を確信し、儚いけど美しい、人と風景の一瞬をとらえたいと思い写真を撮っています。

熊本県天草の凪いだ海と潮の香りの中で育ちました。東京に住むことで、新しいもの、昔からあるものの良さを再発見し、今まで見てきた世界が広がりました。デジタル化の中で生きるアナログの力を確信し、儚いけど美しい、人と風景の一瞬をとらえたいと思い写真を撮っています。