海外旅行先で見つけたおいしい料理。帰ってきてから再現しようと試みたものの、うまくいかなかった・・・。という経験はありませんか? 材料が多少異なるのも理由のひとつかもしれませんが、「水」の存在もあなどれません。
そこで今回は、料理や飲み物の味がアップする「軟水と硬水」の使い分けについて、ご紹介したいと思います。
紅茶は「硬水」で淹れると、本場の味わいに
紅茶の本場イギリスの水は、ミネラル分を含む硬水です。お湯を沸かしたあとの電気ケトル内には、真っ白なカルシウムが残ることも珍しくありません。イギリスの一般家庭では、そんなミネラルたっぷりの水道水で紅茶を淹れています。
国内で美味しい紅茶を淹れるには、水を沸かす際に塩(海塩または岩塩)をひとつまみ加えてみましょう。もちろん硬水のミネラルウォーターを買ってきてもよいのですが、塩の方が安上がり。いつもの紅茶が驚くほどおいしく感じられるはずですよ。
肉の煮込み料理やスープストックは「硬水」で
欧風レストランの肉料理を再現したいときにも、硬水が活躍! 水に含まれるカルシウムが肉を固くする成分と結合して「あく」として出るため、煮込み料理や肉で出汁を取る「スープストック」を作るのに適しています。ヨーロッパの硬水は、ブロック肉を煮込む調理法にマッチしているようですね。
お米を炊くときは「軟水」「硬水」、使い分けるべし!
同じお米でも「水」が違うだけで、びっくりするほどおいしく炊けることってありますよね。柔らかくふっくらしたお米は「軟水」で、チャーハンやパエリアなどぱらりと仕上げたい場合は「硬水」というふうに、用途に応じて使い分けてみましょう。
和食・日本茶は「軟水」が最適
最後は逆に「海外で和食を食べてもあまりおいしく感じられなかった」というケース。こちらも「水」が原因だったのかも。和食に欠かせない鰹節や昆布は「軟水」で出汁をとることで、うま味をしっかり引き出すことができます。硬水で出汁を取る場合には、うま味成分のグルタミン酸やイノシン酸が溶け出しにくいそうです。また、日本茶も「軟水」で淹れた方が、まろやかな味わいに仕上がります。
「あの国で、あのとき食べた、あの味」を自宅でも再現すべく、これからは水にもちょっとこだわってみませんか。
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