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開発が進む「ヴェルクスフィアテル-ミッテ」地区
古くはバイエルン公国の首都として栄え、現在も南ドイツの経済や文化の中心地の「ミュンヘン」。歴史を誇る観光名所が数多くありますが、市街地から少し離れた場所に、そんなイメージとは対照的な再開発地区があるのをご存じでしょうか?
近代的な建物や建設中のビルも多くあったりと、まさに開発真っただ中という感じの「ヴェルクスフィアテル-ミッテ(Werksviertel-Mitte)」地区。とはいえ、すでにオープンしているレストランやホテル、商業施設もあるので、現在進行形で楽しめるスポットも盛りだくさんなのです。
コンテンポラリーなムード漂うこのエリアは、地元でもまだ知られていないようなお店もあって注目の的なのだとか。あるビルにはデジタル関連をはじめとしたスタートアップ企業のオフィスが数社入居し始めていたり、今後はイベントスペースや住居スペースも整えられる計画があるなど、新しいプロジェクトが進んでいるそうです。
ドイツで有名なプファンニ社の工場があったエリア
元々ヴェルクスフィアテル-ミッテ地区は、ドイツの名物料理として知られるポテト団子「クネーデル」で有名な企業「プファンニ(Pfanni)」社の工場があった場所。1949年から続いた工場地帯は、1990年代後半にはバーやクラブなどのナイトシーンを過ごすエリアに、そしてニューカルチャーの発信地として知られるようになっていきます。
異文化がミックスしたコンテンポラリーな雰囲気
2000年代に入ると、イベントやスポーツを楽しむスポットも誕生。現在は、さらにアーティストたちのアトリエや現代美術館、バイエルン料理から国際色豊かな食文化が楽しめるエリア、ボルダリングのスタジオといったスポーツ施設など、異業種が混ざり合いながら新たな街が形成されてきています。
近代的なビルの足元には、大きなコンテナにスプレーアートが施された、ストリート感ある建物も。こちらにはジュエリーのアトリエやヴィンテージ服のショップ、自転車のレンタルや販売するショップが入っているほか、ポップアップイベントを開催するスペースもあるそうです。
自然を身近に感じられる「都市型農場」
今の時代ならではと感じたのは、ビルの屋上にあった小さな農場。都市型農場というのは、パリやロンドン、ベルリン、ニューヨークといった大都市でも近年オープンしていて、どの都市も野菜を育てるのをメインとしているイメージでしたが、ここミュンヘンのファームでは動物が飼育されていました。
羊やニワトリ、都市養蜂プロジェクトも
都市にいても自然を身近に感じ、自然の大切さを共有したいという思いからつくられたという屋上のファーム。中にお邪魔すると、羊たちの姿を見ることができました。数日前に生まれたという赤ちゃんもいましたよ。
こちらのファームではニワトリも飼育されているほか、ミツバチの巣箱も設置されていました。世界の都市で実施されている都市養蜂のプロジェクトが、こちらでも始まっているようです。
ミュンヘンで一番の高さを誇る「アディナ ホテル」
ヴェルクスフィアテル-ミッテ地区でひと際目を引くこちらの高いビルは、「アディナ ホテル(Adina Hotel)」。ホテルの建物としてはミュンヘンで一番の高さを誇り、9階から24階部分が客室、14階にホテルのフロントとレストランがあります。
天気が良ければアルプスも見える素晴らしい景色
ロビーやレストランが上層階にあるので、客室以外からも気軽に景色が楽しめます。ミュンヘンの街並みを見晴らせるほか、天気が良ければアルプスも見えるのだとか。15階にはテラスもあり、夏は屋外でのんびり過ごすことも可能です。
食事もできる!ミュンヘンを一望する大きな観覧車
この地区のランドマークとなっているのが、大きな観覧車。一周30分の間に素晴らしい景色を眺めることができます。各ゴンドラの中には大きなテーブルと椅子が設置されていて、通常の乗車チケットにプラスする形でワインや軽食をプラスできるセットプランも用意されているので、ランチなどの食事がてら観覧車を楽しむのもいいですね。
市街地や空港にも電車で1本で行ける「ミュンヘン東駅」
ヴェルクスフィアテル-ミッテ地区は、鉄道駅の「オストバーンホーフ(Ostbahnhof)」(ミュンヘン東駅)から徒歩約3分の場所にあります。ミュンヘンの市街地、例えば「カールスプラッツ(Karlsplatz)」からは、都市近郊鉄道(Sバーン)で10分弱。平日の日中だと3~5分おきに電車が走っているので、あまり不便に感じることはありませんでした。
ちなみに、ミュンヘン東駅はミュンヘン空港とを結ぶ電車の停車駅でもあるので、空港利用者にも便利です。市街地から少しだけ離れて、新しい感覚で滞在ができる注目スポットではないでしょうか。
[all photos by minacono]
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[参照]
・WERKSVERTEL-MITTE(ドイツ語): https://werksviertel-mitte.de/
取材協力:ドイツ観光局