海外を旅した時「日本人」だという理由だけで、現地の人たちに親切にしてもらえた経験はありませんか? 世界的に「日本」に対して良いイメージを抱いてくれる人がたくさんいることは、とても有難いことですよね。
ですが一方で「これだから日本人観光客は・・・」という残念な声も耳にします。ついやってしまいがちだけれども、実は「嫌な日本人」だと現地人に思われているかもしれない行動とは一体何でしょうか?
「観光スポット」で所かまわず写真を撮る
「旅の思い出を写真に収めたい」その気持ち、よくわかります。ですが “観光スポット” だからと言って、所かまわず写真を撮るのは考えものです。特に気を付けたいのが寺院や教会など、地元の人々にとって神聖な場所とされる “観光スポット” 。
私たち外国人にとってはそこは単なる観光スポットであるかもしれませんが、地元の人々にとっては大切な祈りの場。観光気分で訪れて大声で話したり、お祈りをしている人の妨げになっていることを気づかず写真撮影に熱中している方を時折目にします。もし日本であなたが神社やお寺を厳粛な気持ちでお参りしている時、境内で大声で話したりそこら中で写真撮影をしている外国人観光客を目にしたらどんな気持ちになるでしょうか? そう考えて行動したいですね。
断りなく人を至近距離から撮影する
市場で野菜を売るおばあちゃんや可愛らしい雑貨、ベンチに腰掛けている綺麗なお姉さん。とても画になる風景で、思わずシャッターを切りたくなりますよね。ですが、至近距離から商品や人物を撮影する場合は一言「写真を撮ってもいいですか?」と声をかけるのがマナー。カメラを向けたら陽気にポーズを取ってくれたと思ったら、写真を撮った瞬間チップを要求された・・・なんて話も耳にしますが、こうして事前に一言声をかけておくとお互いに不愉快な思いをすることも少なくなります。
値切る
「海外の市場で買い物をする際は、値段交渉が醍醐味のひとつ。値切るのが当たり前」と思い込んでいませんか? 確かにアジアや中東など、市場で値段交渉をするのが当たり前という国もたくさん存在します。ですが特にヨーロッパなどでは、市場や蚤の市であっても「値切る客は失礼な客」だと見なされることがあります。そのように値段交渉の習慣のない国では、こちらから値切らなくてもたくさん買えば向こう側から「これひとつ、おまけしておくよ」「たくさん買ってくれたから安くしておくよ」とおまけをしてくれます。訪れる国は値段交渉の習慣があるのか、事前に確認しておきましょう。
あいさつをしない
日本ではお店に入る時にあいさつをするという方は少ないと思います。ですが海外ではたとえスーパーであっても、市場であっても、小さなお店であっても、入店時やレジでの支払い時は「こんにちは」と挨拶するのがマナーです。それから何も買わずに店を出る時も一言「ありがとうございます、さようなら」の一言をお忘れなく。
その場でクレームを言わない
海外で日本人観光客の接客をしている多くの方が悩んでいるというのが「日本人は何か不満がある時その場で文句を言わないが、日本に帰ってから(旅行会社などを通して)文句を言う」ということ。特に団体旅行で行く方は「楽しい旅行の雰囲気を壊したくない」と気を遣ってクレームをその場で言わない方もいらっしゃると思います。ですが、サービスを提供する側からすると「その場で伝えてもらえれば、すぐに何か対応ができたのに・・・。後になって言われても対処のしようがない」というのが本音。声を荒げたり、言い争いをする必要はないのです。もし何か気づく点があれば、自分のためにもサービス提供者のためにも、その場で伝えてすっきりさせましょう。
集団で広がって歩く
細い路地を横に広がって歩いて道を防いだり、通行人が多い通りで数メートルおきに立ち止まり写真を撮ったり・・・。海外に限らず日本国内でも気を付けたい基本的なマナーですが、集団で歩くときは周りの人たちへの気配りを。
チップをケチる
チップの習慣がない日本。慣れていないと「どれくらいチップを渡せばいいのだろう」とつい悩んでしまいますよね。特にチップを払うのがあたりまえとされる国では「日本人観光客はチップを払わないので嫌だ」なんて倦厭されることもあるのだとか。チップが社会習慣である国では、チップを払うのは当然のマナーです。事前にどれくらいのチップを渡せばいいのか、相場を調べておきましょう。ただし、海外ではどこでもチップの習慣があるとは限りません。チップの習慣がある国とない国があるので、渡航前にその国の慣習も確認しておくとベスト。
「旅は恥のかき捨て」と言いますが、やはり私たちひとりひとりの行動が “日本人” のイメージにつながります。今世界中の人たちが持ってくれている日本の良いイメージは、すべて私たちの先代が築いてきてくださったもの。そんなかけがえのない日本人のイメージを大切に守り続けてゆきたいですね。
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小坂井 真美 ライター
クロアチアの首都ザグレブ在住。現地での色々な仕事の傍ら、フリーライターとしてクロアチアを中心とした南東欧諸国について執筆。趣味は街歩き、食べ歩き、寺歩き、そぞろ歩き。仲間、明るい太陽とおいしいごはんがあれば幸せ。人生は旅。たくさんのモノ・人・土地と出逢いをエネルギーに、日々心の赴くままに邁進中。
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