image by Crown of Lenten rose from Wikipedia
>>【実はこれが日本一】「即身仏」がもっとも多い山形県の理由と秘密とは!?
出羽三山の奥の院「湯殿山神社本宮」とは?
出羽三山は、羽黒山・月山・湯殿山の総称です。約1400年前、崇峻天皇の御子の蜂子皇子が開山したといわれています。その中の湯殿山は、月山南西山腹に連なるなだらかな稜線の山で、修験道の霊地です。
湯殿山神社には社殿はありません。山形県の公式観光サイトによると、ご神体は熱湯の湧き出る茶褐色の巨大な霊巌なのだとか!
松尾芭蕉も「奥の細道」の中で「語られぬ湯殿にぬらす袂かな」という句を詠んでいます。決して語ることはできませんが、それだけ荘厳で感動的な場所なのでしょう。
また、羽黒山では「現世(現在)」の幸せを、月山では「死後(過去)」の安楽と往生を、湯殿山では「生まれかわり(未来)」を祈るとされ、江戸時代には、庶民の間で現在・過去・未来を巡る「生まれかわりの旅」として広がりました。
西の「伊勢参り」、東の「奥参り」と称して、両方をお参りすることが人生の儀礼のひとつとされ、全国から多くの参拝客が訪れたのです。
湯殿山神社本宮の参拝ルール
まず参拝前にお祓い(1名500円)とご祈祷を受けなければいけません。加えて、形代を用いてすべての穢れを払います。さらに、湯殿山神社本宮のご神体を参拝するには、裸足になる必要があります。これらを経て、身を清めることで、ご神体に触れることができます。
また、「語るなかれ」「聞くなかれ」(語ってはいけない。聞いてはいけない。誰かが話していたことを他言してはいけない)とされており、湯殿山神社本宮の全容は、実際に参拝に訪れた人にしかわかりません。もちろん、ご神体を含め周辺の撮影は禁止です。
俗世とは切り離された神域ゆえ、厳しいルールが敷かれているのでしょう。湯殿山神社の大鳥居をくぐると、そこは禁足地。ルールを厳守して参拝したいですね。
羽黒派古修験道とは?
湯殿山神社を含む出羽三山は、古くから山岳信仰が厚く、多くの修験者、参拝者が訪れる場所でした。ここでは、出羽三山の自然が季節ごとに表情を変えるように、「四季の峰」という季節ごとの修行が行われてきました。
「秋の峰」では生まれ変わりの修行を実施。生きながらにして若々しい生命をよみがえらせることができるという考えを確立したそうです。これは、中世から続く、死と再生の儀礼を今日に伝える日本で唯一の修行だといわれています。
現在も山伏修行ができる
現在も「秋の峰」「神子修行道場」「錬成修行道場」「回峰行」「六十里越街道回峰行」を実施していて、毎年、修行参加者を募集しています。残念ながら、2022年は中止となってしまいましたが、今日の山伏修行の根源となった修行の一端を経験して自然と人間との共生を体感しながら、自分自身を見つめ直してみたいものですね。
住所:山形県鶴岡市田麦俣字六十里山7
電話:0235-54-6133
開山時期:【湯殿山神社参拝】4月下旬〜11月初旬、【湯殿山口からの月山登山】7月〜10月下旬
アクセス:鶴岡エスモールからバスで約40分、JR「山形駅」前からバスで約70分
公式サイト:http://www.dewasanzan.jp/
>>【日本の禁足地12選】美しくも恐ろしい!オソロシドコロ・八幡の藪知らず・パナリ島・硫黄島も