岐阜県でユネスコ無形文化遺産登録3例目
岐阜県内で登録されたユネスコ無形文化遺産は今回が3例目。2014年の本美濃紙を含む「和紙:日本の手漉和紙技術」、2016年の高山祭の屋台行事、古川祭の起し太鼓・屋台行事、大垣祭のやま行事を含む「山・鉾・屋台行事」に続くこととなりました。
岐阜県郡上市八幡町/郡上踊とは
「郡上の八幡出てゆく時は、雨も降らぬに袖しぼる」の歌詞で知られる郡上踊は、400年以上にわたって唄い踊り継がれてきたのだとか。江戸時代の初期に八幡城主・遠藤慶隆(えんどうよしたか)が領民の融和を図るため、藩内各所の踊りを城下町に集め、奨励したことが礎になったと伝えられています。
郡上踊は、例年7月中旬~9月上旬までの間、約30数夜に渡って岐阜県郡上市八幡町市街地一帯で行われる盆踊りで、日本三大盆踊りのひとつ。
最も盛り上がるのは、8月13日~16日の4日間です。通常のおどりは午後11時には終了しますが、この4夜だけは夜8時に始まり、翌朝5時頃まで踊り明かす徹夜おどり。老若男女を問わず、毎年多くの踊り子たちが浴衣姿に下駄を鳴らして全国から集います。観光客も地元の人も、一つになって踊りが楽しめるのも魅力。1996年に国重要無形民俗文化財に指定されました。
(参考)郡上八幡観光協会HP:http://www.gujohachiman.com/kanko/odori.html
岐阜県郡上市明宝寒水/寒水の掛踊とは
寒水の掛踊は、岐阜県郡上市明宝の寒水地区に伝承される太鼓踊り。毎年9月第2日曜日とその前日の寒水白山神社例祭で奉納されています。シナイと呼ばれる大きな花飾りを背負い、太鼓と鉦を打ちつつ躍動的に踊る拍子打ちをはじめ、さまざまなな扮装をした役者や、歌い手を寒水の人々が総出で務めます。旧家の庭先や、神社境内で歌って踊る大規模な芸能で、2021年に国重要無形民俗文化財に指定されました。
言い伝えによると、寒水の掛踊は宝永6(1709)年に隣村の母袋(もたい)村から伝わったとされ、掛踊とともに伝わったという十一面観音像や、神社建立の棟札が残っています。明治の末頃までは、毎年掛踊の日に母袋村の声自慢が数人、峠を越えて踊りに来て、社前で寒水の人たちと一緒に輪になり、歌の掛け合いをして踊ったといわれています。
(参考)明宝観光協会HP:http://www.gujomeiho.jp/about2_1.html