日本三大都市は定義によって異なる
人口や産業、経済の集積状況で定義すれば、東京、大阪に続くのは間違いなく名古屋です。しかし、人口だけで見ると横浜市が全国で2位、名古屋市が4位になります(東京都区部が1位、大阪市が3位)。
徳川家康が江戸幕府を開いてから発展し続けている「東京」
東京は1603年に徳川家康がこの地に幕府を開いたことが始まりです。当時は、皇居を中心に山手線の内側の大きさ程度の面積しかありませんでした。1868年に明治維新が起こり、新政府は最もインフラが整備されていた江戸を改称して首都「東京府」としました。初期の東京府は今の23区とほぼ同じ大きさだったそうです。
その後、区画の移り変わりや人口増加により、急激に都市化が進み、現在では1,400万人が暮らす世界有数の大都市に。総面積は2,194平方kmで全国で3番目に小さいにもかかわらず、人口が集中しています。また、行政区域は特別区の23区と、26市5町8村からなり、伊豆諸島や小笠原諸島も東京都に属しているのがユニークな点です。
また、首都になってから150余年の歴史を持つ東京には、ヨーロッパのカットガラスの技法を取り入れた「江戸切子(えどきりこ)」、武具の一部として発展し、日本の四季を反映した季節の色が美しい「東京くみひも」、高度な縫製技法を取り入れた「東京洋傘」といった伝統工芸があります。
加えて、東京のランドマークにも変化が。かつてのランドマークは浅草公園に建てられた 12階建て高さ52mの展望塔「浅草凌雲閣(あさくさりょううんかく)」でした。当時は、日本で最も高い建築物だったのです。しかし、1923年の関東大震災により半壊して解体されました。それから約100年の時を経て、634mの高さを誇る「東京スカイツリー」が誕生。新しい東京のシンボルとして国内外から多くの人が訪れる、人気の観光スポットになっています。
日本で初めて都城が置かれた、世界都市のひとつ「大阪」
大阪の歴史は非常に古く、1万年以上も前からこの地に人類が住み、生活を営んでいたことが明らかになっています。5世紀頃には、朝鮮半島などからもたらされた大陸の文化が広がり、大阪が日本の政治・文化の中心に。7世紀になると、都は近隣の奈良や京都に移ったものの、中国の都にならった都城が日本で初めて大阪に置かれました。文化や通商の玄関口として繁栄し続けたのです。
さらに、16世紀の終わりに、豊臣秀吉が天下統一を果たし大阪(当時の名称は「大坂」)を本拠地とし、大阪城を築城して、日本の政治・経済の中心地となりました。
その後、徳川家が実権を握り、政治の中心は東京へ。ですが、大阪は国の経済や物流をとりしきる場所「天下の台所」として重要な役割を担っていました。この時代に、広く町民を中心とした文化が成熟。懐徳堂や適塾といった私塾による学問も根付き、大阪ならではの開放的な気風や旺盛な企業家精神が育まれたと考えられています。
そして、第二次世界大戦から復興を遂げた大阪は、商業の都として、流通、貿易、工業の分野で大きな役割を果たし、現在は、人・物・情報が交流する世界都市のひとつになりました。
また、大阪といえば「食い倒れ」。大阪の郷土料理として有名な「粉もん」と呼ばれる、うどん、たこ焼き、お好み焼きなど、おいしい料理が盛りだくさんです。ちなみに、今や国際語となった「うま味」のもとは、日本固有の「だし」にあります。この「だし」は大阪で生まれました。
三英傑や世界のトップメーカーを輩出した「名古屋」
日本のほぼ中央に位置する名古屋は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三英傑のほか、戦国から江戸期に活躍した戦国武将を多数輩出しました。家康の命によって整備された名古屋城と城下町は、尾張藩歴代藩主の治世により、現在の名古屋の礎になっています。
明治時代には、名古屋駅が開業。鉄道駅と街を結ぶ幹線道路などのインフラが整ったほか、名古屋港の開港によって輸出産業都市への基盤ができました。1920年には、都市計画法が施行。これにより、名古屋駅と港を結ぶ中川運河などを中心とした工業地帯が広がる産業都市として発展していきます。
1945年の終戦時には、街のシンボルだった名古屋城天守閣のほか、城下・熱田といった当時の市域の約4分の1を焼失。その後、高度経済成長期を機に、従来の工業中心の都市から、名古屋大都市圏の中枢機能、流通・サービス機能を担う第3次産業中心の都市へと転換しました。現在も名古屋は、世界のトップメーカーを輩出した「天下の作業場」として有名です。
そんな幾多の歴史を紡ぎ続けてきた名古屋は、産業観光スポットが豊富。「世界のトヨタ」になるまでの歴史がわかる「トヨタ産業技術記念館」、ノリタケ・ボーンチャイナの製造過程を見学できる「ノリタケの森」、ホーロー鍋「バーミキュラ」の魅力や世界観を伝える「バーミキュラビレッジ」などが点在しています。
加えて、名古屋めしも大人気! みそかつ、手羽先、ひつまぶしといった名古屋やその近郊で愛されている独自の料理が目白押しです。
[All photos by Shutterstock.com]
Ayami ライター
フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。
【BTSのトラベルグッズ】「BT21 minini(ビーティーイシビル
Apr 28th, 2024 | RUKA
海外旅行に必須なパスポート。あなたはパスポートをケースに入れていますか? そのパスポートを保護してくれるパスポートケースは、チケットやお札、カードなども一つにまとめられる便利なアイテムです。機能性が高いものや、デザインを重視したものなど様々で、選ぶのに迷ってしまう人も多いのではないでしょうか? そこで今回は、世界的スターBTSとLINE FRIENDSのコラボレーションにより誕生した、キャラクター「BT21 minini(ビーティーイシビル ミニニ)」のパスポートケースをご紹介します。
【日本三大遊郭】江戸「吉原」・京都「島原」・もう1カ所は?歴史や現在の様
Apr 28th, 2024 | あやみ
「遊郭」とは、平安時代から鎌倉時代にかけて発達した遊女屋を、江戸時代に幕府が都市政策の一環として集め、公認した特定地域のことです。そのため、江戸時代には芝居と並ぶ娯楽になりました。今回は、日本三大遊郭に数えられる「江戸吉原」「京都島原」「大坂新町」の歴史や特徴、現在の様子についてご紹介します。
【旅の裏技】スーツケースを持たずに帰れる!JAL・ANA国内線の荷物配送
Apr 27th, 2024 | TABIZINE編集部
空港から自宅までの帰り道、スーツケースを持って帰るのが面倒だなと思いませんか? 旅の帰りはお土産などを買って、荷物も重くなりがち。JALとANAの国内線利用の場合、空港で荷物を預けるときに料金を払い手続きをすれば、そのまま自宅まで送ってくれるサービスがあるんです。もちろんホテルなど宿泊施設まで送ってもらうこともOK。到着空港で荷物をピックアップする必要もなく、そのまま自宅に帰れるのは超便利ですよ!
【原宿の交差点に銭湯誕生!なぜ?】小杉湯3代目にインタビュー|ハラカド地
Apr 16th, 2024 | 山口彩
家の近くの銭湯が閉業して以来、いつか自ら銭湯を営業できないだろうかと密かな野望を持つ筆者。そんな風呂好きとして見逃せないニュースが飛び込んできました。なんと、原宿のど真ん中、あのラフォーレ原宿のある交差点に、銭湯ができるというのです。それも、2024年4月17日(水)に開業する話題の新スポット「ハラカド」の地下1階に。高円寺で91年間営業する小杉湯の、新たな挑戦「原宿のど真ん中に銭湯を作る」試み。一体なぜ? 早速内覧会に参加し、一足先に現地を視察、小杉湯3代目の平松さんにもお話を伺いました。
日本一混雑するけど大赤字「日暮里・舎人ライナー」沿線には何がある?全駅踏
Feb 26th, 2024 | Kei
東京都は足立、荒川両区を走る「日暮里・舎人(とねり)ライナー」。知る人ぞ知るこのマイナー路線、実は朝ラッシュ時の混雑率が3年連続日本一。にもかかわらず、慢性的な赤字に悩まされています。沿線人口や乗客は年々増え続けているのになぜ赤字なのか?そもそも沿線には何がある?全駅踏破した筆者がその謎に迫ります。
【東京ディズニーリゾートの行き方&裏技】もう迷わない!東京駅で京葉線に乗
Feb 14th, 2024 | Kei
東京駅の中でも、特に乗り換えに時間がかかる京葉線。東京ディズニーリゾートに行ったことがある人なら、一度はこの乗り換えに苦労したことがあるのではないでしょうか。しかし、実は東京駅以外の近隣駅からでもスムーズにアクセスできるんです!本記事では、東京駅構内での乗り換え方法とあわせて、近隣駅からの行き方や裏技などを解説します。
【日本の禁足地ランキング】美しくも恐ろしい!オソロシドコロ・八幡の藪知ら
Jan 23rd, 2024 | あやみ
【2024年1月16日更新】禁足地とは、歴史や宗教的な背景などで立ち入りが禁止されている場所……。日本全国には、一般人の立ち入りが禁止されていたり、限られた人しか入ることができないスポットなどが点在しています。今回は、美しくも恐ろしい日本の禁足地を18カ所ご紹介。なんと東京23区にも禁足地が存在するんです。いずれのスポットも、圧倒的な神秘のパワーを感じますよ。
【節分】2024年は2月3日土曜日!今年の方角は?豆まきの由来は?恵方巻
Jan 16th, 2024 | TABIZINE編集部
【2024年1月16日更新】豆まきをしたり、恵方巻を食べることでおなじみの「節分の日」。2024年は2月3日の土曜日となります。豆まきの由来は? 恵方を向いていただく恵方巻の食べ方は? 今年の恵方はどちらでしょうか? 正しく知って日本の行事を楽しみましょう。
【高速でインターを通り越してしまったら?】目から鱗!ドライブのトラブル解
Jan 13th, 2024 | 坂本正敬
【2024年1月13日更新】ドライブ旅行にはトラブルがつきもの。正しい対処法を知っているかどうかで、その後の被害拡大の度合いも変わってきます。そこで今回は一般社団法人日本自動車連盟の情報をもとに、ドライブで万が一遭遇したとき覚えておきたいトラブル対処法を紹介したいと思います。
【2024年東京「どんど焼き」開催場所まとめ】いつ?燃やしていいもの・い
Jan 5th, 2024 | TABIZINE編集部
【2024年1月5日更新】お正月が終わると、正月飾りを神社などでお炊き上げをする「どんど焼き」という伝統行事の時期がやってきます。「左義長」や「道祖神祭」など、地域によってその呼び名は異なりますが、今回は、2024年に東京都で開催される「どんど焼き」を徹底解説。どんど焼きの意味、開催される場所、いつ開催されるのか、焼いていいもの・いけないものなど、知っておきたい知識をまとめました。