鍋を囲む仲間を求めて・・・
「ぼっちで行くとぬいぐるみを置いてくれるサービスがあるらしい」
ある日こんな投稿をSNSで見かけ、一目ぼれしてしまった海底撈火鍋(かいていろうひなべ)。「ぼっちのazumiさん」なんてペンネームをつけている以上、ここは絶対に行かねばなりません。
「一人焼肉」や「一人居酒屋」は経験があっても、「一人火鍋」は初めて。海底撈火鍋に行くのも初めてです。今回は川崎店で過ごしたぬいぐるみとのひとときと、「一人火鍋」の楽しみ方をレポートします。ぬいぐるみと鍋を囲めば、一人でも楽しい時間が過ごせるのでしょうか?
ぬいぐるみの「ハイくん」とご対面!
店長さんがおもむろに運んできてくれたのは、重量感のある大きな人形。「ぬいぐるみの件で取材を」と伝えていたので、さっそく持ってきていただいたのはありがたいですが、そのビッグさにちょっとだけ恥ずかしい気持ちになります。
唯一無二の巨大な顔に、可愛らしい手足。よく見ると中華風の靴を履いています。今日、この子とご飯食べるんだ私・・・! せっかくなので、店長さんにいろいろ聞いてみましょう。
――この子のお名前は?
「ハイ」という名前の男の子です。海底撈火鍋の中国語読み、「ハイディーラオ」の店名にちなんでいます。海底撈火鍋の公式キャラクターでもあるんですよ。
―― 一人で行けば必ずハイくんに会えるんですか?
タイミングによっては、クマやパンダなど別のぬいぐるみのときもあります。川崎店はぬいぐるみの切替中だったので、今日ハイくんは横浜店から出張してきてくれました。どんなぬいぐるみに会えるかは一期一会ですが、どの店舗でも基本的にこのサービスはあります。
――どんな風に案内されているんですか?
一人で来たお客さまには、ぬいぐるみを持って行って「ご一緒にいかがですか?」と声を掛けます。大抵のお客さまはびっくりされますね(笑)。もちろん一緒に食べるかどうかはお客さまの自由ですので、強制ではありません。
――なぜこのサービスをやっているんですか?
一人で来た人に、さみしい思いをさせないようにですね。いつからやっているのかは定かではありませんが、中国本土の店舗でも、もともとやっていた好評のサービスです。一人で来たときには、遠慮なく利用してみてください!
初めての一人火鍋、どうやって頼めばいい?
さて、さっそくハイくんと食事を・・・と思ったけれど、火鍋の専門店自体が初体験なので、どうやって頼めばいいかわかりません。正直に「初めてです」と店長さんに伝えると、さすがはサービスのよさで名高い海底撈火鍋。丁寧に説明してくださいました。
まず選ぶのは火鍋スープ。鍋には仕切りがついていて、最大4種類までスープを選ぶことができます。
「1種類なら、こういう選び方かな?」と思ったあなた、間違いではないですが、実はもっとお得な方法があるんです。
「お一人さまなら、0円の『お湯』を活用して値段を抑えるテクニックがあります。一人ならこのくらいのスープ量でも十分にお楽しみいただけますよ」と店長さん。実際に写真のスープは、1鍋分頼めば1,800円(税別)、お湯と組み合わせて4分の1だけ頼めば600円(税別)。1,200円分もお得になっています!
「もしかしてこれは裏ワザ・・・?」と心配になって聞いてみると、初めての人に案内している通常のオペレーションとのこと。ほっとすると同時に、「安くする方法」を積極的に教えてくれる海底撈火鍋のスゴさを感じるのでした。
お湯との組み合わせテクニックを活用して今回頼んだのはこの2種類! 「火鍋といえばコレ!」と言える定番のマーラー鍋と、まさかの辛い物が苦手な店長さんが「一番好き」と話していたトマト鍋にしてみました。これなら間違いないでしょう。楽しみだね、ハイくん。
具材は定番のお肉から、「豚の脳みそ」などの日本ではなかなか見かけない衝撃的な珍味までさまざま。今回は初来店なので冒険せず、人気商品の欄から豚バラ、白身魚、豆苗、エビつみれを選んでみました。
なお、お一人さまなら「ハーフサイズ」がおすすめ! ハーフサイズでも一皿にたっぷり盛られてくるので、頼みすぎには注意しましょう。
スープが甘い!?魅惑のたれバー
火鍋を最大限楽しむなら、オプションの「たれバー」がおすすめです。清潔感のあるカウンターに並ぶのは、ゴマだれ、ポン酢といったオーソドックスなたれから、ネギ、パクチーといった薬味、キュウリ、キムチ、フルーツポンチまで。
さすがにフルーツは「たれバー」とは別のオプションか・・・? と思いましたが、フルーツ食べ放題も含めて、たれバーの範疇なんだそうです。太っ腹だ。
種類が多すぎておろおろしてしまいましたが、店員さんの手厚いフォローでなんとかオリジナルのたれが完成しました。海鮮たれにパクチーやネギなどを入れています。
気になったのが、たれバーの「スープ」と書かれた鍋に入っていたこの液体。どう見てもおしるこのようなビジュアルですが、スープなんでしょうか・・・?
飲んでみると、あっさりしたおしるこでした! スイーツではあるけれど、食事のあいだに飲んでも気にならない、さらりとした甘味を感じます。ラー油の効いたパンチのある火鍋の口直しに、この優しい甘さがちょうどよかったです。
ハイくんお待たせ~! 食べよう~!!
ハイくんと楽しむ! 一人火鍋パーティー
注文していた具材がそろいました! ハイくんと目を合わせて、いざ、いただきましょう。
まずは定番の豚バラ! う~んこれぞ、「THE火鍋」だ・・・。マーラー鍋のパンチある辛味、痺れとよく合います。マーラー鍋でしゃぶしゃぶしてからそのまま食べるとガツンと辛いですが、たれをくぐらせるとお肉に纏っていたラー油がいい塩梅で落ち、少しまろやかになりました。
続いて白身魚も食べてみましょう。しゃぶしゃぶのお店で魚を頼むのって、実は初体験です。日本のチェーン店だとお肉中心で、あんまり見かけないかもしれません。
食べてみると・・・ふわふわ! 鍋に入れても固くなることなく、ほろっとほどける楽しい食感です。とろみの強いトマト鍋は味がよく絡むので、淡泊な白身魚と相性抜群でした。
エビつみれはまるでホイップクリームのようなビジュアル。袋に詰められたエビを絞って鍋に投入します。これは小さな子どもがいたら盛り上がりそうだ・・・! マーラー鍋、トマト鍋の両方に入れてみました。エビらしいぷりぷりの食感がおいしかったです。
ふう・・・すべてハーフサイズで頼みましたが、結構お腹いっぱいになるものです。しかしあと一つ、海底撈火鍋に来たなら頼みたいものがあるんです・・・!
注文すればいつでもショータイムがスタート! カンフー麺
お目当てはパフォーマンスつきの「カンフー麺」。鍋の〆に入れる麺を目の前で引きのばしてくれます。海底撈火鍋の代名詞とも言えるパフォーマンスの「変面ショー」は店舗によって実施される時間帯が限られますが(残念ながらこの日はタイミングが合わずでしたが)、カンフー麺のパフォーマンスはいつでもOK。注文すればショーがテーブルの目の前で繰り広げられます。
テンポのいい洋楽が流れるスピーカーがテーブルに置かれ、私とハイくんのためだけのショーがスタート!
おお! すごい、自由自在だ。
結構近くまで麵がびゅんびゅん飛んできます。当たりそうで当たらないところがプロフェッショナル。
へっ!? カメラに当たりそう! あまりの近さに私がのけぞると、そのぶんだけ距離を縮めてくるパフォーマーさん。これは、ギリギリを攻めるのを楽しんでいらっしゃるな・・・(笑)?
エンタメ精神あふれる楽しいパフォーマンスに、ついつい一人で来たことを忘れて、ハイくんがいることも忘れて、思いっきりはしゃいでしまいました。
「一人で行くならパフォーマンスのあるメニューは遠慮しようかな」と思っている方、これは見ないともったいないです。おもてなしのプロがあなたのためだけに全力で盛り上げてくれますよ。
一人火鍋初心者にうれしい!至れり尽くせりのおもてなし体験
初めての一人火鍋に不安を感じていた私でしたが、店員さんの優しさに触れ、本格派の料理を味わい、パフォーマーさんの遊び心にノッているうちに、すっかり一人で来た寂しさなんて消えていました。
そして楽しい時間をずっと見守ってくれたのは、ぬいぐるみのハイくん。ありがとう!!! 最初は「ぬいぐるみがいるだけで気持ちが変わるものかな?」なんて思っていましたが、向かいの席でニコニコ笑っていてくれるだけで全然違いました! 一緒にいれば寂しくないです!
どこまでも充実したサービスを提供してくれる海底撈火鍋。一人火鍋はもちろん、「一人○○」に慣れてない、行ったことがないという方にもおすすめです。
「海底撈」には「海のように広く、どんなお客さんも従業員も受け入れる」という意味が込められているんだとか。だから、一人でも、火鍋が初めてでも大丈夫。行ってみたいその気持ち、きっとハイくんが受け止めてくれますよ。
住所:神奈川県川崎市川崎区駅前本町7−4 井門川崎ビル 4F
電話番号:044-201-9819
営業時間:11時00分~翌6時00分
定休日:年中無休
https://haidilaokawasaki.foodre.jp
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[All Photos by azumi]