江戸時代から受け継がれてきた家伝薬「奥田家下呂膏」
こんにちは、TABIZINE編集部の土田です。今回は岐阜県下呂市に伝わる貼り薬を紹介します。
岐阜県の中央部に位置する下呂市は、国内でも有数の人気温泉地。兵庫県の有馬温泉、群馬県の草津温泉とともに”日本三名泉“のひとつに数えられる下呂温泉は、疲労回復や健康増進のほか美容にもよいと古くから伝えられ、現在でも国内外問わず多くの人々が訪れています。
そんな由緒正しき温泉地の下呂には、かねてから脈々と受け継がれてきた伝統の貼り薬があるのはご存知でしょうか?
それがこちらの「奥田家下呂膏」です。下呂の温泉街から離れた山奥深くで接骨医として施術をしていた奥田又右衛門(おくだまたえもん)が、調合していた「生薬配合の貼り薬膏薬」をルーツとし、又右衛門の名前とともに家伝として継承されてきた伝統の貼り薬です。
かつては門外不出の伝統薬でしたが、多くの患者からの要望により、1934(昭和9年)に市販を開始。以来、下呂を中心とした全国各地で知る人ぞ知る名薬として重宝されてきました。
渋い黒茶色が特徴!漢方生薬を配合した貼り薬
奥田家下呂膏の特徴といえば、なんといってもその渋い色! 一般的な貼り薬の湿布は、白やベージュを連想しますが、奥田家下呂膏は茶色がかった黒色です。
主成分として配合されている黄柏、楊梅皮(ヨウバイヒ)の色素からこのような色になっているそうで、特に黄柏の含有量が高いとのこと。
同じく岐阜県の伝統工芸品である「美濃和紙」を使用しており、感触や扱い心地はとってもなめらか。同郷の文化がかけ合わさっておりロマンを感じてしまいますね。
広げた大きさは、横23.5cm、縦は10.5cmでかなりの大判サイズ。そのままでももちろん使えますが、患部に合わせてハサミでカットするのもOK。和紙ベースなのでよれたり、くっついたりしにくいのも長所の一つ。
貼ってみると直接的な冷たさはあまり感じませんが、どこかひんやりとした感覚があります。貼る際には、汗や汚れをふき取ってからしばらく手で押さえておくと体温でピタッとくっつきます。
和紙のおかげで絶妙なつっぱりができてサポーターのような効果も期待できるのだとか。これが現在よりもはるか昔に考案されていたことに驚きです。
効能や効果は?
奥田家下呂膏の商品説明を見てみると、打撲痛、捻挫痛、肩こり、腰痛などに効能または効果があるとのこと。
万年オーバーユースで足を痛めている筆者も痛みが出ている患部に貼ってみると、少し楽になったような気も。歩いてもほとんどはがれる様子が無く、先述した通り、サポーターのような効果があるので、歩くのも楽!
※個人の感想です
肌や服の色移りが気になる場合は白や緑がおすすめ
黒っぽい色が特徴の奥田家下呂膏ですが、環境や状況によっては色が肌や服に移ってしまうこともあるのだとか。
洗剤やクレンジングオイルなどで簡単に脱色できますが、それでも気になる場合は「白光/白の下呂膏」や「エースプラスター/緑の下呂膏」を使うのがおすすめ。
本来の下呂膏のノウハウを駆使して展開された商品で、色移りがしにくいのはもちろん、「エースプラスター」は清涼感のエッセンスが加わっているのだとか。
伝統的な商品だけに留まらず、時代の変遷に合わせて展開していくのは素晴らしい! ちなみに奥田家又右衛門膏本舗では、ほかにも「奥田家下呂膏ID液」や、純和風アロマシート「下呂膏物語なごみしーと」といった様々な商品も展開されています。効能はもちろんデザイン性も素晴らしいものばかりですよ。
下呂に伝統の貼り薬「奥田家下呂膏」あり!
いかがでしたか? 今回は岐阜県下呂市の伝統の貼り薬「奥田家下呂膏」をご紹介しました。筆者が商品を購入した薬師の方によると、大相撲の力士さんも愛用しているとのうわさや、わざわざ買い付けに来る海外観光客もいるのだそう。
下呂からは温泉を持って帰ることは残念ながらできませんが、手軽に使える「奥田家下呂膏」はお土産にもピッタリ! 下呂へ訪れた際にはぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか?
奥田家下呂膏(黒の下呂膏):16枚入 2,420円(税込)
白光(白の下呂膏):16枚入 (税込)
エースプラスター(緑の下呂膏):12枚入 2,420円(税込)
販売元:奥田又右衛門膏本舗
公式サイト:https://www.geroko.co.jp/
オンラインショップ:https://geroko.jp/products/list?category_id=11
[Photo by 土田洋祐]
※この記事は商品の効能や効果を保証する内容ではありません。それら詳細は公式サイトや商品の説明を確認してください。
※適切な用法と用量を必ず確認した上でご使用ください。