【秘境から観光立国へ】「幸せの国」ブータンでしかできないこと&幸福な絶景の数々

Posted by: Miki D'Angelo Yamashita

掲載日: Sep 26th, 2024

ヒマラヤ山脈南麓に位置する仏教王国、ブータン。長きにわたる鎖国の末、少人数観光というアプローチで観光客を迎え入れるようになりました。手つかずの自然、豊かな文化や伝統遺産が根付く、まだまだ未知なる国であるブータンならではの絶景5選を紹介します。

ブータン祭り

ブータンへ旅するために必要なこと

鎖国を経て観光国として開かれたブータンですが、オーバーツーリズムを回避するために個人旅行は許可されておらず、現地または日本のブータン専門旅行会社を通じて旅程を手配しなければなりません。またブータンを観光するには、宿泊費、移動費、ガイド料、食事代、各種入場料、税金などを含んだ 「公定料金」を支払う必要があります。

金額は時期によって異なりますが、大人1人1日あたり200~250米ドルほど。ホームステイからラグジュアリーホテルまで宿泊のスタイルによっても料金が変動します。また、VISAの取得も必要なのでまずは専門の旅行店に相談してみましょう。

日本からブータンへは、バンコク経由で行くルートが一番ポピュラー。首都パロにある国際空港を出るとブータン様式の美しい装飾が施された門があり、民族衣装を着たガイドさんが迎えに待っていてくれます。その門を抜けるといよいよブータンの旅の始まりです。

1. 「シックスセンシズ  プナカ」

これこそが究極の非日常というほどの絶景が眺められるホテル

「フライング・ファームハウス・アミドスト・ライスフィールズ」と名付けられ、その名の通り水田の上を飛んでいる感覚に陥ります。
ヒマラヤの山々を一望できるガラス張りのラウンジはインフィニティプールが突き出ているような設計。ガラス張りの床の下は水が張られているため、まるで水の上に浮いているかのような浮遊感を味わえます。

ロビー

270度見渡せるラウンジからは、なだらかな棚田がインフィニティプールへと続く景色を望めます。奥に見える山々は何層にも重なり、不思議な立体感を漂わせます。

スタッフ
ウエルカムドリンクをサーブするスタッフも水の上に立っているかのよう。ミステリアスです。

朝食
世界の屋根であるヒマラヤ山脈を望みながらの朝食は格別! これこそ異次元の光景です。

Six Senses Punakha
公式サイト:Punakha Hotel & Resort in Bhutan | Six Senses

2.ヒマラヤの山頂でサプライズ・アフタヌーンティー

2,700mで行われるブータン式の極上エンターテイメント

アフタヌーンティ

ガイドさんに「トレッキングしましょう」と誘われて2,700mの山頂まで登ります。途中、目の前に広がるのは、360度にヒマラヤの山々が連なる絶景。

頂上ではサプライズのアフタヌーンティーが用意されており、バラの花が飾られたテーブルには、ブータンのお菓子やマサラ茶がズラリ。

スタッフとお菓子
ガイドさんたちとブータンのお菓子を食べながら、和気あいあいと過ごすアフタヌーンティーは、ブータンだけでしか体験できない極上のエンターテイメントです。

3.タクツァン寺院詣で途中のカフェタイガーネスト

険しい山道の途中にある絶景カフェでビスケットとミルクティー

タクツアン僧院

切り立つ崖にはりつくように建てられたタクツァン寺院は、チベット仏教の聖地 。8世紀、ブータンに仏教を広めた聖者グル・リンポチェ(パドマ・サンバヴァ)が虎にまたがりこの地に舞い降りた、という伝説から「タクツァン(虎のねぐら)」と呼ばれるようになったそうです。

タイガーネスト
ふもとの駐車場から往復約6時間の登頂すると、第一展望台のカフェテリア「タイガーネスト」にたどり着きます。


眺めの良いテラス席からは豆粒大の僧院を望めます。人間を拒むかのような荒ぶる風景は見たこともない絶景を見ながら、ビスケットとミルクティーを食べてあと半分の道のりを乗り切るためエネルギーチャージします。

4.ブータン王立植物園でピクニックランチ

澄んだ空気のヒマラヤの自然のなかで、ブータン流お弁当を満喫

森、清流、仏塔、ヒマラヤ山脈、田園風景、といったブータンならではの景色を眺めながら観光したあとは、ガイドさんたちとブータン王立植物園 で、ピクニックを楽しみます。


雄大な自然そのままの広大なエリアが公園として整備されており、生息する動物たちの中には虎もいるとのことですが、誰も怖がっている人はいません。木々が生い茂るなか、眺めの良さそうな場所にガイドさんがランチのセッティングを用意してくれました。

ラン千

用意されたお弁当は、ランチボックスに入ったブータンのソウルフード、唐辛子のチーズ煮込み、エマ・ダツィ。ヒマラヤの空気を吸い込みながら、緑あふれる森のなかのピクニックランチは格別です。

5.クオリティの高い食、美術工芸品

主食のハーブ・スパイス類、乳製品が洗練されたディスプレイで並ぶ市場や美しい手織物の工房

ヒンディー語で野菜市場の意味をもつ”サブジバザール”へ。野菜や米、乳製品、スパイス、お香など、ブータンの日常生活の必需品が、洗練されたディスプレイで並べられています。アジアの市場らしい喧騒はなく、静けさとゴミ一つ落ちていない清潔さがあり、しっかりと整備・管理されています。

市場米

唐辛子をはじめとするスパイス、ハーブ、各国の米、乳製品が整然と並びます。米は世界各国のものが並べられ、日本米もありました。

野菜は日本のものよりすべてが小ぶり。宗教上、殺生をしない国民性名ながらインドから輸入した干した魚やソーセージなどを扱う店も。南部のインド国境地帯は温暖なため、国産トロピカルフルーツもそろっています。

刺繍

また、ブータン様式の彩りの美しい装飾がいたることろに施された家々や建築物は芸術的です。美術工芸品の美しさも特筆もの。織物工房では、ブータンの伝統的民族衣装、男性の「ゴ」女性の「キラ」を織る工程を見ることができます。

100万円以上の高価な織物も並ぶなか、お土産には、ベッドカバーやクッションカバー、巾着などがおすすめ。そのほか、精緻な木彫りや和紙のようなブータンの紙などの工芸品もクオリティが高いです。

自然や文化が育んだブータンの高い美意識。この国でしかできない体験、見ることのできない絶景が多々あります。個人での移動はできないため、興味のあること、行ってみたいところなどを事前に調べてガイドさんに相談してアレンジしてもらいましょう。時にはガイドさんがサプライズで未知の場所に連れていってくれますよ。

[Photo by Miki D’Angelo Yamashita]

PROFILE

Miki D'Angelo Yamashita

Miki D'Angelo Yamashita ジャーナリスト

コロンビア大学、パリ政治学院修士。新聞社勤務、記者、週刊誌、書籍編集者歴任。外交、国際政治、舞台芸術、食、旅、映画、アートなどを担当。旅ガイド本多数編集。親の転勤が多く、国内外の各地で育つ。世界の島巡り好き。

コロンビア大学、パリ政治学院修士。新聞社勤務、記者、週刊誌、書籍編集者歴任。外交、国際政治、舞台芸術、食、旅、映画、アートなどを担当。旅ガイド本多数編集。親の転勤が多く、国内外の各地で育つ。世界の島巡り好き。

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