【あの国はなぜ親日国なのか?】ネパールが親日国といえる2つの理由

Posted by: アンダルシア

掲載日: Apr 3rd, 2023

世界には「親日」といわれる国や地域がたくさんあります。海外旅行をするときも、親日国を訪れると、なんとなく過ごしやすかったり、現地の人とのコミュニケーションがスムーズだったり、なんてことがないでしょうか? そこで、比較政治や国際政治経済を専門とする政治学者が、なぜその国や地域が親日なのか、政治や歴史の背景から解説します。

ネパール・カトマンズ
©︎ Nick Fox / Shutterstock.com
 


 

ネパールは多民族多宗教国家

ネパールの地図
世界には多くの親日国家がありますが、ネパールもその1つです。ネパールといえば、エベレストを思い浮かべる人が多いと思いますが、実はネパールは英語で「NEPAL」となり、「Never Ending Peace And Love」(永遠に続く平和と愛)という形で響きがいい言葉の略語となるだけでなく、インド系やチベット系、ミャンマー系の民族、仏教やヒンズー教などの宗教が集う多民族多宗教国家なのです。

そのネパールがなぜ親日国家と言えるのでしょうか? その背景は大きく2つあると思います。

日本政府による長年の支援

ネパールと日本の国旗
1つは、日本政府による長年の支援です。今日に至るまで、日本は経済から社会、教育など多岐にわたる分野で、ネパールに対してODA(政府開発援助)などで支援をしてきました。

その積み重ねはネパールの発展を押し進め、現地ネパール人に技術や教育を伝授する日本人との間で交流が進み、ネパール人の間で親日的な感情が拡がっていきました。ネパール現地を訪れても、日本のODAで建設された病院、日本企業の投資によって作られた学校などが多数見られます。

日本に留学・就職するネパール人が多い

大学生のイメージ
※画像はイメージです

もう1つは、長年による支援に関係するものですが、近年、多くのネパール人の若者たちが日本に留学し、就職しています。今では日本各地でインドカレー店を目にすることがよくあると思いますが、そこで働く人は意外にもネパール人が多いです。

筆者も大学時代、国際交流サークルに所属していましたが、そこで4年間一番仲がよかったのはネパール人の友人でした。

帰国した若者がネパールと日本をつなぐリーダーに

ネパールの首都カトマンズ
©︎ Untitled Title / Shutterstock.com

当然人にもよりますが、日本へ留学しているネパール人は非常にフレンドリーで、勤勉で、ネパール語と英語、さらに自分の民族の言葉のトライリンガルであるケースが多いです。そして日本では、一生懸命に日本語を勉強し、いつも笑顔な素敵な人が多いと思います。

今後、こういった若者たちがネパールへ帰国し、将来ネパールと日本との関係をつなぐリーダーになることが期待されます。すでに私の友人はネパールへ帰国してベンチャー企業を立ち上げ、新世代の若者を日本へ送る仕事をしています。これからますます日本とネパールの関係は強まるでしょう。

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

アンダルシア

andalucia

政治学者
専門分野は比較政治、国際政治経済。特に近年は米中関係や経済安全保障などの日本の国益を左右する研究に従事する。また、学術研究に留まらず、NHKや共同通信、朝日や日経、産経など大手メディアで解説なども行う。

政治学者
専門分野は比較政治、国際政治経済。特に近年は米中関係や経済安全保障などの日本の国益を左右する研究に従事する。また、学術研究に留まらず、NHKや共同通信、朝日や日経、産経など大手メディアで解説なども行う。

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