「魔の三角地帯」と呼ばれるようになった理由
バミューダ・トライアングルが注目されたのは、1964年8月に米海軍の雷撃機編隊「フライト19」の消失事件が、アメリカで発行されていたパルプ・マガジン『アーゴシー』誌の表紙を飾ったことがきっかけです。
5機のアメリカ海軍爆撃機が、訓練飛行中に燃料切れ、もしくは航行トラブルに陥って、パイロットたちが行方不明に。その残骸はいまだに見つかっておらず、原因も不明です。
また、時をさかのぼり1918年3月には、米海軍給炭艦サイクロプスが同海域を航行中に失踪。こちらの事件も残骸は発見されず、原因も不明のままです。
1881年には、アメリカ船籍の帆船エレン・オースティン号をめぐる真偽不明の怪事件も! なんでも、エレン・オースティン号はバミューダ海域で、乗組員の姿が見えない船に遭遇したとか。そこで救難作業員が、その船に入ったところ、船は無人であるものの、航行状態は完璧だったそうです。
このように100年以上前から100隻以上の船や飛行機が消息不明になっていることから「魔の三角地帯」と呼ばれるようになりました。
事故が多発する原因と仮説
船や航空機の行方不明事件が多発しているバミューダ・トライアングルですが、その原因としてどのようなことが考えられるのでしょうか。ここでは、多くの科学者や研究者が提唱している原因と仮説をご紹介します。
気象条件
最もポピュラーといえる説です。バミューダ・トライアングルは、嵐やハリケーンが頻発するエリアです。急激な気象変化や巨大波が船や航空機に致命的な影響を与えるとされています。また、磁気異常が原因でコンパスが狂うという説も!
メタンハイドレート説
海底から大量のメタンガスが発生すると、海水の密度が急激に低下し、船の浮力が失われて沈没する恐れがあります。また、メタンガスが上昇して航空機のエンジンに引火し、爆発を引き起こすことも。
この仮説は、同地域の海底にメタンハイドレートの堆積が確認されていることに基づいています。
人為的原因
船や航空機の整備不良や操縦ミスも無視できない要素です。過去の事件を詳しく分析すると、技術的な問題や人為ミスが原因であったケースも少なくありません。
そのほか、UFOやブラックホールの存在など、超常現象を原因とする説もありますが、これらは科学的な根拠に乏しいものとされています。
結論からいうと、バミューダ・トライアングルでの失踪は、自然現象や人為的ミスが大きな原因といえるでしょう。
とはいえ、「魔の三角地帯」「バミューダ・トライアングル」という言葉に不思議と惹きつけられてしまいますよね。
バミューダトライアングルの観光スポット4選
謎多きバミューダ・トライアングルですが、魅力的な観光スポットも豊富です。ここでは、バミューダ諸島(イギリス領)の人気観光スポットを4つご紹介します。
ホースシュー・ベイ・ビーチ
バミューダ諸島を代表するピンク色の砂浜が広がるビーチです。この美しい色のビーチは、サンゴの微小な破片が砂と混ざることで生まれます。透明度の高い海と美しい景観で、多くの観光客を魅了していますよ。
セントジョージ歴史地区と要塞群
バミューダ諸島にある世界遺産です。17世紀からのイギリス植民地時代の面影が残っており、タッカー・ハウスやセント・ピーター教会など見どころ盛りだくさんです。
ギブズヒル灯台
世界最古の鋳鉄製灯台のひとつで、頂上からは360度の絶景を楽しめます。185段の階段を登る必要がありますが、「がんばってのぼって良かった」と思えるはずですよ。この灯台は、大西洋を航行する船にとって重要な役割を果たしています。
バミューダ水族館・博物館&動物園
バミューダの自然や海洋生物について学べる施設です。ガラパゴスゾウガメ、フラミンゴ、サメなどを観察できます。充実した一日を過ごせそうですね。
[参考]
魔のバミューダ・トライアングル、伝説の誕生と消失の謎を追う|ナショナルジオグラフィック
バミューダ・トライアングルの「怪事件」は今も続いていた…最新科学で遭難の謎に迫る|ニューズウィーク
魔のバミューダ海域、原因はメタンハイドレートか|日本経済新聞
[All photos by PIXTA]