「デビルスタワー」はマグマの塊!?
デビルスタワーは、アメリカで最初に指定された国定記念物(ナショナル・モニュメント)です。1906年、当時のセオドア・ルーズベルト大統領が「古物保存法」にもとづいてこの地を保護。現在では、年間40万人以上が訪れる人気観光地であり、ロッククライミングの名所としても知られています。
デビルスタワーの成り立ちは、火山活動によって地下に形成されたマグマの塊が、長い年月をかけて侵食によって地表に露出したと考えられています。表面には、垂直に走る柱状節理(ちゅうじょうせつり)と呼ばれる独特の割れ目があり、まるで巨大な爪で引っかかれたかのような模様を描いているのが特徴です。
デビルスタワーのトリビア5選
映画『未知との遭遇』(1977年)に登場したことでも有名なデビルスタワー。ここでは、トリビア5選をご紹介します。
頂上には植物や生き物が生息
デビルスタワーの平坦な頂上にはセージや苔などが生息しています。さらにはシマリスや鳥も!
アメリカの先住民族の聖地
デビルスタワーは、周辺で暮らすアメリカの先住民族にとっては聖地です。6月は彼らの宗教暦において重要な時期。多くの人が聖地を訪れて宗教儀式を行います。
名前の由来は誤訳!?
1875年、探検家のリチャード・アーヴィング・ドッジがこの地を訪れた際、地元の言葉を誤訳し、「悪魔の塔(Devil’s Tower)」と記録。そのまま現在の名称として定着したのだとか! しかし、アメリカの先住民族からは「熊の小屋(Bear’s Lodge)」「熊の巣(Bear’s Lair)」といった別称で呼ばれているそうです。
初登頂は1893年

※画像はイメージです
初めてデビルスタワーの登頂に成功したのは、1893年のこと。地元の2人の農場主が木製のはしごを使って制覇しました。現在は、毎年約5,000~6,000人のロッククライマーが訪れており、世界中のロッククライマー憧れの地に!
近くに日本人が作った彫刻がある
デビルスタワーの近くには、彫刻家・画家である武藤順九氏が手がけた「聖なる煙の輪」の彫刻が! この作品は、かつてアメリカの先住民族の女性が祈りのときにパイプを捧げており、その精なる煙にちなんで、つくられたものだそうです。
デビルスタワー周辺の観光スポット2選
ここでは、デビルスタワーとあわせて訪れたい周辺の観光スポット2選をピックアップ。
ヴォレイユ・レンチ(Vore Buffalo Jump)

※画像はイメージです
デビルスタワーから車で1時間ほどの場所にある「ヴォレイユ・レンチ」は、アメリカの先住民族が狩猟に使っていた「バッファロー・ジャンプ」と呼ばれる遺跡です。
崖からバイソンを追い落とし、狩猟を行っていた場所で、考古学的にも非常に貴重な遺跡となっています。ガイド付きツアーでは、当時の狩猟方法や文化について学ぶことも可能です。
スピアフィッシュ・キャニオン(Spearfish Canyon)

ブライダルベール滝
サウスダコタ州の「スピアフィッシュ・キャニオン」は、デビルスタワーから車で1時間半ほどの距離にあります。
ここでは、壮大な渓谷と滝が織りなす絶景を堪能できます。特に人気のスポットは、展望台が設置されている「ブライダルベール滝」や、息を呑むほど美しい「ラフロック滝」。
ドライブコースとしても絶好のスポットで、秋の紅葉シーズンには多くの観光客が訪れます。
[参考]
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
How the Tower Formed|National Park Service
Britanicca
[All photos by PIXTA]