岩手県が発祥!観光におすすめのスポットも
びっくりドンキー
びっくりドンキーのルーツは、1968年に岩手県盛岡市で誕生した、わずか13坪の小さなお店「ハンバーガーとサラダの店・べる」。その後、1972年に開店した「ベル大通店」(カタカナ表記に変更)からは、「手作りの温かさを伝えたい」という想いのもと、スタッフ全員で内装づくりを手がけるようになりました。こうして、店舗ごとに異なるテーマを設けた独創的な店づくりがスタート。その精神は今のびっくりドンキーにも受け継がれています。
また、食へのこだわりが芽生えたのもこの頃。看板メニューをハンバーガーからハンバーグランチへとシフトし、それが現在のびっくりドンキーでおなじみの「ディッシュメニュー」の原型に。このように、盛岡で生まれた「べる」は、やがて「びっくりドンキー」として全国に展開されていきます。
初代「べる」は現存していませんが、ベル大通店はいまも営業中。岩のようにゴツゴツした外観に、斜めに掲げられた「ベル」の看板がひときわ目を引きます。内装は洋館風で、2階には和室の座敷席も。グランドメニューはびっくりドンキーと同じなので、ユニークな空間でお気に入りのハンバーグを楽しむことができますよ。
座敷わらし

鶴嶺八幡宮の本殿左側にある「座敷わらしの遊ぶ場所」
座敷わらしは、岩手県を中心とする東北地方北部で信じられている神霊(妖怪の一種)のこと。住み着いた家や目撃した方に幸運が訪れると伝えられています。座敷わらしは1910年、民俗学者の柳田国男氏が岩手県遠野地方に伝わる民話をまとめた説話集『遠野物語』により、その存在が全国で知られるようになりました。
その特徴は、一般的に5~10歳の幼童で、赤ら顔(白い顔とする地域もある)のおかっぱ頭。蔵にいる場合もありますが、多くは深夜豪家の奥座敷に現れるとか。
座敷わらしに会える宿として有名なのは、二戸市にある「緑風荘(りょくふうそう)」。昭和の時代から「座敷わらしが出ると幸運が訪れる」といわれ、多くの有名人や著名人も訪れています。2009年に火災で全焼しましたが、2016年に再建。現在も座敷わらしを祀る「槐(えんじゅ)の間」があり、全国各地から訪れる人が後を絶ちません。
コナミスポーツ

※画像はイメージです
コナミスポーツの起源は、1973年に一関市の老舗百貨店「千葉久」が顧客組織化を目的に設立した「株式会社千葉久友の会」です。1978年に「株式会社ピープル」へ社名変更し、ニチイグループのスポーツクラブ事業を継承。その後、マイカルの子会社として東京証券取引所第1部に上場しました。2001年にコナミが買収し「コナミスポーツ株式会社」となり、2006年には「コナミスポーツ&ライフ」へ改称。現在は再び「コナミスポーツ株式会社」として、全国でスポーツクラブや健康支援事業を展開しています。
コナミスポーツクラブで最大級の施設は、東京都豊島区にある「コナミスポーツクラブ 池袋」です。池袋サンシャインシティ文化会館の5~7階、3フロア1,500坪にわたり、マシンジム、パーソナルルーム、ゴルフアカデミーといったさまざまな施設やサービスを提供しています。
南部鉄器
南部鉄器は、岩手県盛岡市および奥州市水沢地区で作られる伝統的な鋳物(いもの)です。その起源は、1600年代に盛岡藩主・南部利直が、京都から釜師を招いて、茶の湯釜を作らせたことが始まりだそうです。1975年に、南部鉄器は国の伝統的工芸品として全国第1号に指定されました。
南部鉄器の歴史に触れたいのなら、「奥州市伝統産業会館」へ。南部鉄器発祥の地の歴史を伝える名品が展示されているほか、鉄器づくりの工程も見学できます。さらに、クラフト製品から伝統工芸士の作品がそろった売店も併設。気になる方は訪れてみてくださいね!
わかめの養殖

※画像はイメージです
わかめ養殖の歴史が始まったのは1953年。旧末崎漁協(現・大船渡市漁協末崎支所)の小松藤蔵氏が、漁業者の所得向上を目指してわかめの養殖に挑戦しました。道具を一から手作りし、試行錯誤を繰り返した末、1957年には養殖技術を確立。その手法は三陸一帯に広がり、1966年には養殖わかめの生産量が天然ものを上回るまでになりました。さらに1965年、同じ末崎町の佐藤馨一氏が、収穫したわかめを湯通しして塩蔵する保存法を開発。これにより、品質を保ったままの流通が可能となり、「末崎わかめ」はブランドとしての地位を確立していきます。
現在、大船渡市末崎町にある民宿「海楽荘(※2025年4月現在、閉館中)」の敷地内には、小松藤蔵氏の功績を讃えた「わかめ養殖の碑」が地元有志によって建立されています。大船渡市を訪れる機会があったら、ぜひ立ち寄ってみてください。
近代製鉄

橋野高炉跡 三番高炉
岩手県釜石市に位置する「橋野鉄鉱山・高炉跡」は、世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産のひとつです。釜石では古くは平安時代から製鉄が行われており、幕末には盛岡藩士・大島高任が西洋式の高炉を導入。これにより、日本で初めて鉄鉱石を原料とした連続製鉄に成功しました。この技術革新をきっかけに、1880年には官営釜石製鉄所が日本初の本格的な製鉄所として操業を開始。同年には釜石に国内で3番目となる鉄道も開通し、日本の近代製鉄業の礎が築かれていきました。
大島高任が建造した橋野高炉跡は現存。その近くの「釜石市立鉄の歴史館」では、高炉の原寸大模型や当時の資料が展示されており、日本のものづくりの原点を学ぶことができます。
岩手には興味を引かれる始まりが多い!
岩手県の始まりは、どれも興味を引き、思わず深く調べたくなるものばかり。旅行ついでに気になるスポットを訪れたいですね。
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