バンクーバー経由の利便性
今回のフライトは、成田空港からバンクーバーを経由し、ラスベガスまで向かうルートでした。乗り継ぎも含めて往路は14時間30分、復路は15時間30分と、北米西海岸経由としてはとてもスムーズな移動時間でした。
例えば、アメリカ国内での乗り継ぎの場合、JALのサンフランシスコ経由で向かうと、往路15時間20分、復路は15時間30分と往路ではエア・カナダが勝ります。
日本を出発した飛行機は北極圏に近い場所を飛んでいくために、直行便の目的地で北米の一番北にあるバンクーバーへの飛行時間が9時間以内で一番短くなるからです。アメリカの入国審査がスムーズなことや手荷物を経由地でピックアップする必要のないこともプラスです。
最新のボーイング787で快適な空の旅
エア・カナダの日本路線に使用されている機材は、2015年以降に導入された最新鋭のボーイング787-9型が主力機になります。エコノミークラスは3‐3‐3配列の広々としたキャビンで、大型の窓が特徴です。
さらに、パナソニックの機内エンターテインメントが完備されており、長時間のフライトでも快適に過ごすことができました。映画は『ラストマイル』を堪能。2024年封切りの邦画で有償配信のプログラムですので、得した気分です。
シートピッチは31インチ(79cm)、シート幅17インチ(44cm)、リクライニングは5インチ(13cm)と標準ながらも、高さや角度調節ができる可動式のヘッドレストで、眠りたいときに頭が固定されてゆっくり休めます。
日本線ならではの機内食と充実したスナックサービス
エア・カナダの機内食には、日本路線の“定番”とも言える冷たい日本蕎麦が必ず添えられており、日本人にとってはどこかほっとする味わいです。メインディッシュは2種から選べ、長時間のフライトでもしっかり食事を楽しむことができます。
今回出発後に提供される昼食は、ハンバーグのエスパニョールソース、ハーブマッシュポテト、マッシュルームソテーをチョイス。サラダとパンが添えられています。デザートには香月堂のビターチョコパウンドもあり、食後にコーヒーとともに楽しみました。
到着前の2食目は現地時間で朝食となるチキンヌードルでした。これは日本式の焼きそばですので、食が進みます。ジャムとバターの添えられたパンにフルーツのトレイもあって満足のいくもの。
2食ともアルバータ州ナントンのオゾン処理した天然湧水のミネラルウォーター240mlの小さなペットボトルがトレイに置かれて、食後にも取っておけて喉を潤すことができます。カトラリー類は木製であり、環境を考えられた仕様は評価できますね。
また、飛行中にギャレーにあるスナックもうれしいポイントです。エア・カナダでは3種類が用意されており、塩味の効いた「ツイグズ」というプレッツェル、シナモン風味の「ビスコフ」ビスケット、そしてチョコがけクッキーの「セレブレーション」があります。
加えてミネラルウォーターのペットボトルも一緒に置かれます。どれを選んでもおいしく、食間のおやつにぴったりです。
乗り継ぎ時間も有意義に
乗り継ぎ地のバンクーバー国際空港では、アメリカへの入国審査を済ませることができ、アメリカの玄関口となるロサンゼルスやサンフランシスコなどで混みあう時間帯に入国するよりもスムーズな場合が多いです。
清潔で広々としたターミナル内にカナダらしいお土産店やコーヒーショップが並んでおり、乗り継ぎ時間もストレスなく過ごすことができました。メイプルシロップなどを購入するのも楽しいかも知れません。今や世界中の空港にあるスターバックスに入って限定グッズを探してみるのも楽しい過ごし方です。
入国審査も比較的スムーズで、初めての利用でも迷わずに移動できたのは安心材料のひとつです。乗り継ぎ時間は、空港のWi-Fiが繋がりましたので、カナダ専用のSIMなどを用意しなくても安心して過ごせます。
ひとつ注意しなくてはならないのは、カナダ入国だけでなく経由に際してもETAの事前申告が必要なこと。7カナダドルを支払って出発前に用意しておきましょう。
ラウンジも体験
今回は、3か所あるうちの米国線ゲートにあるメープルリーフラウンジを特別に体験することができました。着替えスペースの広い個室でシャワーを浴び、リフレッシュすることができてとても気分がよかったです。
ブリトーやタコス、スープなどの軽食と、ビール、ワイン、スピリッツなどやソフトドリンクの用意がありますので、機内食の無いラスベガスまでのフライトに備えることができます。
ラスベガスへ向かう
バンクーバーからラスベガスまではボーイング737Max8で2時間50分の飛行。途中、シアトルを超えるとアメリカの雄大な大地の景色を楽しむことができます。左手にレーニア山、続いてアダムス山の美しい白峰が姿を現しています。その後は茶褐色の大地が続く大自然を堪能し、時間はあっという間に過ぎていきました。
有償での機内食を頼まないのであれば、成田からも提供されたビスケット「ビスコフ」とソフトドリンクでおやつの時間にします。
砂漠の中に忽然と現れるハリーリード・ラスベガス空港。ターミナルビルの中にもカジノマシーンやLAS VEGASのネオンサインも点在しているので、探して回るのも楽しい時間です。
スムーズだったエア・カナダの旅
バンクーバー経由というルートは、日本から特に直行便がない都市への旅に非常に有効で、乗り継ぎもスムーズです。エア・カナダでは、他にもトロントやモントリオールなどを経由してカナダ国内はもちろんのこと、アメリカやメキシコ、南米などへも路線がたくさんあります。
最新の機材に乗り、おいしい機内食、おやつやミネラルウォーターの用意など気配りのあるサービスを体験してみてください。
最後に飛行機旅の思い出ができた
この旅の最終段階でボーイング787‐9が成田に到着した時のことです。降機時にコルマック・ワード機長がコックピットに迎え入れてくれました。元々、エア・カナダと合併する前のカナディアン航空でジャンボジェットを操縦していたとのこと。日本貨物航空(NCA)での操縦経験もあります。
聞くと、ほぼ全てのパイロットの経歴の中で日本路線に乗務できてきたとのことで、この先も続くことを希望しているという日本通です。
操縦室を見ることができただけでなく、思わぬ貴重な会話の時間を楽しむことができました。楽しい旅の記憶を作ってくれたエア・カナダは次回の北米旅行でもぜひまた利用したいと思わせてくれる航空会社です。
[取材協力]
エア・カナダ:https://www.aircanada.com/home/jp/ja/aco/flights
[Photo by 北島幸司]