【イマーシブ体験】江戸時代にタイムスリップ!? 角川武蔵野ミュージアム「体感型デジタルアート劇場 浮世絵 RE:BORN」

Posted by: nono

掲載日: May 16th, 2025

埼玉県・所沢市にある角川武蔵野ミュージアムにて2025年4月26日(土)〜 2026年1月18日(日)の期間「体感型デジタルアート劇場 浮世絵 RE:BORN」が開催。まるで江戸時代にタイムスリップしたような感覚で、浮世絵の世界に没入できる体感型デジタルアート劇場を体験ルポ! 360度に広がる映像空間で体感した、時代を超えてよみがえる浮世絵の魅力をダイジェストでご紹介します。

角川武蔵野ミュージアム「体感型デジタルアート劇場 浮世絵 RE:BORN」の妖怪

「体感型デジタルアート劇場 浮世絵 RE:BORN」とは?

体感型デジタルアート劇場 浮世絵 RE:BORN

角川武蔵野ミュージアムで開催中の「体感型デジタルアート劇場浮世絵 RE:BORN」は“時を超えたジャポニスム”をテーマに、東洲斎写楽や葛飾北斎などの浮世絵師たちが描いた独特の空気感を、最新の映像技術で再構築。360度浮世絵に囲まれながら、名所や宿場町を巡り、芝居小屋で歌舞伎を鑑賞し、妖怪や伝説の生き物たちに出会う、まるで江戸時代を旅しているような気分を味わえる体感型デジタルアート劇場です。

「体感型デジタルアート劇場浮世絵 RE:BORN」

体感型デジタルアート劇場は、角川武蔵野ミュージアム初の試みとして、池上彰による音声解説付きの上映と、音楽のみの上映が交互に行われます。映像と音、そして丁寧な解説により、誰もが没入して楽しむことができる作品です。デジタルアートの他にもフォトスポットの会場や浮世絵を体感しながら学べる魅力的な展示もあるのであわせて紹介!

 

浮世絵の世界に没入体験。江戸時代にタイムスリップ!

第1章 東海道の旅路と日本の風景

江戸時代の日本橋

まずは、江戸の街にタイムスリップ! 日本橋を出発地として、京都の三条大橋を目指し、歌川広重に描かれた東海道を旅します。

藤沢の鳥居

藤沢では鳥居が迎えてくれます。ここは、江の島弁財天への分岐点。江の島詣に行く当時の人々と一緒に江の島に来た気分を感じられました。

京都三条大橋

京都の街並み

京都に到着すると、大迫力の三条大橋が現れます。桜の清水寺や京都仁和寺の五重塔などを巡り、美しい京都の街並みを体感!

「富嶽三十六景」

葛飾北斎「富嶽三十六景」

京都を巡った後は、各地から見える富士山の様子を描いた葛飾北斎による「富嶽三十六景」の情景が映し出され、当時の人にしか見ることができない景色を体感。その中に現れる富士山の姿を間近で見ることができます。

第2章 深遠なる自然、めくるめく季節

鈴木其一「朝顔図屏風」

浮世絵から離れ、様々な画家たちが描いてきた自然美が映し出されます。日本の美しい自然の中に入り込み、画家たちが感じた情景を全身で感じられました。

神々しい鶴の絵

神々しい鶴の絵

生き物も昔の日本人にとって神秘でした。その中でも神々しい鶴たちがまるで本物のように動くシーンが印象的です。

第3章 さまざまな女性の絵姿

当時の女性たちの浮世絵

風景画から一変。女性を描いた浮世絵では、遊女や芸者から一般家庭の女性まで様々な女性の姿が描かれ、当時の女性たちの暮らしが垣間見えます。

一般家庭の女性

比較的派手な暮らしをする女性たち

注目ポイントは「着物の色」です。当時の女性の身分などによって地味な色合いのものや、逆に華やかな色の着物を着ている女性もいます。着物の色やデザインからは、その女性の職業や生活背景が垣間見え、このように細部から絵の中に広がるストーリーを考察するのも楽しみ方の1つ。

江戸時代春の女性たち

江戸時代 冬の女性たち

四季折々の女性の姿も描かれており、四季を巡りながら当時の女性たちの暮らしを体感。風景画と同様に、美人画にも春の場面がよく描かれており、桜と女性の華やかな共演です。冬の季節には、雪遊びをする女性が描かれています。

第4章 役者と歌舞伎の世界

東洲斎写楽の浮世絵

浮世絵でよく描かれた歌舞伎。その中でも多くの歌舞伎役者を描いた東洲斎写楽の浮世絵作品の空間に引き込まれていきます。

スクリーンに映し出される顔

歌舞伎役者たちを描いた浮世絵は、役者達のリアルな表情が特徴。壁や床の360度スクリーンいっぱいに映し出される歌舞伎役者の顔は圧巻で、インパクトとともに、思わず圧倒されるような、どこか恐怖すら感じさせる迫力があります。

第5章 豪傑たちの大奮闘

中国の長編小説『水滸伝』の登場人物を描いた歌川国芳の浮世絵

中国の長編小説『水滸伝』の登場人物を描いた歌川国芳の浮世絵。緊張感のある音楽とともに展開される映像は、まるで物語の中に入り込んだかのような臨場感を味わえます。

第6章 妖怪と伝説の中の生き物

妖怪と伝説の中の生き物達

歌川国芳
「龍宮玉取姫之図」

妖怪や伝説の生き物には、当時の日本人の豊かな想像力が色濃く表れています。人々が恐れていた存在が浮世絵として具現化され、その迫力には思わず息を呑むほどの衝撃があります。

歌川国芳「相馬の古内裏」

中でも特に迫力を感じたのは、平将門の古御所に現れた巨大な骸骨のシーン。歌川国芳が描いた巨大な生き物たちがスクリーン上を駆け巡り、まるで物語の舞台に迷い込んだような非日常の体験を味わえます。

より浮世絵を体感して学ぶ展示

体感型デジタルアートの他にも、体験しながら浮世絵を学ぶことができる展示が沢山ありました!

浮世絵の誕生とその歴史

浮世絵の誕生とその歴史(イントロダクション)

体感型デジタルアートに向かう前に会場に入るとまず、浮世絵の始まりから発展の歴史を紹介する展示があります。壁一面に浮世絵の歴史年表や、菱川師宣が描いた作品の解説が掲示されていました。特に「歌舞伎図屏風」の解説では、江戸の市民が地べたに座って歌舞伎を観賞する様子と、上流階級の人々がお座敷に座っているシーンが描かれています。このような細かい描写に関する解説が面白かったです。浮世絵の祖・菱川師宣の作品から浮世絵の歴史や基礎知識を楽しく学ぶことができ、当時の時代背景を知ることで、これから体験する映像への社会的・文化的な意味の理解が深まるので、ぜひじっくりと見学してからデジタルアートを体験してみてください。

東海道を一望「東海道五拾三次くるくるボード」

歌川広重の名作『東海道五拾三次』を紹介する長い廊下

デジタルアート体験後、次の会場に向かうとそこには歌川広重の名作『東海道五拾三次』を紹介する長い廊下が続いています。各地の風景が描かれた絵が連なり、面白いのは、その絵をめくると地名が書かれている仕掛け。筆者は実際に、どの場所の風景かを当てるクイズを夢中になりながら歩きました! 遊び心があって、大人も子どももワクワクできる展示なので、ぜひ体験してみてほしいです。

当時の暮らしも垣間見える「浮世絵の魅力に迫る」

当時の暮らしも垣間見える「浮世絵の魅力に迫る」

廊下を抜けると、浮世絵を代表するジャンル「武者絵」「役者絵」「美人絵」「名所絵」から、名作とその作家を紹介する展示。本編に登場した作品の1つ1つが丁寧に解説されており、絵の時代背景やモデルとなった人物や場所についても知ることができました。作品を通して、当時の人々の暮らしや文化をより深く感じ取れる内容となっています。

歌川国芳が描いた巨大な骸骨

本編でも印象的だった、歌川国芳が描いた巨大な骸骨。これが平将門の怨霊を象徴して描かれたもので、将門の髑髏が姿を変えて現れたという解説に、筆者は1番驚きました。あの迫力ある骸骨の背景に、そんな物語が隠されていたとは思わず、恐ろしさとともに強く印象に残りました。

浮世絵の一部になれるフォトスポット「浮世絵立体ジオラマ」

「浮世絵立体ジオラマ」

「浮世絵立体ジオラマ」

会場の出入口のホワイエにある「浮世絵立体ジオラマ」。展示されているジオラマも動かすことができ、フォトスポットを自由自在にアレンジできます。自分だけの浮世絵世界観を作成して写真を撮ってみてください!

浮世絵の独特の空気感を全身で味わえる展示会

浮世絵の一部になれるような写真

「体感型デジタルアート劇場 浮世絵 RE:BORN」は浮世絵の世界に没入体験をしながら、浮世絵の画家達が描く江戸時代の人々の暮らしを全身で感じることができます。浮世絵の一部になれるような写真が撮れるのも魅力の1つ。

会場内に設置されているクッションとハンモック

会場内に設置されているクッションとハンモック

会場内に設置されているクッション

会場にはクッションやハンモックなども用意されていて、くつろぎながらリラックスした空間で、浮世絵の世界に360度囲まれて、夢中になることができます。見て、聞いて、体験して、学んで、楽しみながらくつろげる。そんな新感覚の浮世絵デジタルアートをぜひ体感してみてください! 

Design and creative direction: GIANFRANCO IANNUZZI
Multimedia content production: KARMACHINA.
©角川武蔵野ミュージアム

体感型デジタルアート劇場 浮世絵 RE:BORN
会場:角川武蔵野ミュージアム1階 グランドギャラリー
住所:埼玉県所沢市東所沢和田 3-31-3ところざわサクラタウン内
開催期間:2025年4月26日(土) 〜 2026年1月18日(日)
休館日:毎週火曜日、6月2日(月)~6日(金)、12月31日(水)、2026年1月1日(木)【4月29日(火)、5月6日(火)、8月12日(火)、9月23日(火)、12月30日(火)は臨時開館】
営業時間:10:00~18:00(最終入館は17:30)
チケット価格(税込):一般(大学生以上):2,700円/中高生:2,200円/小学生:1,500円/未就学児:無料
オンライン購入(https://tix.kadcul.com/
※「1DAY パスポート」チケットなどでも本展覧会をご覧いただけます。詳細はチケットページでご確認ください。
展覧会公式サイト:https://kadcul.com/event/222

[All Photos by nono ]

PROFILE

nono

nono ライター

宮城県仙台市出身。
地元LOVEの元楽天イーグルスJrチアリーダー。
食べること。遊ぶこと。動くことが大好き。
ダンサー歴約15年。全国大会出場経験ありのスポコン精神の持ち主。
推し活しながらのコスパ旅大好きなので、日々情報収集中。

宮城県仙台市出身。
地元LOVEの元楽天イーグルスJrチアリーダー。
食べること。遊ぶこと。動くことが大好き。
ダンサー歴約15年。全国大会出場経験ありのスポコン精神の持ち主。
推し活しながらのコスパ旅大好きなので、日々情報収集中。

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