地域ごとにさまざまな表情のあるフランス。ご当地グルメと並び、ご当地土産も充実しています。フランス国内を旅していて気付いたのが、デザイン性の高い缶詰が多いこと!
缶詰を初めて考案したのは、フランス革命の時代に生きたナポレオンだそうで「戦地でも美味しくて栄養のあるものが食べたい」というグルメな発想から。フランス全土に美味しい缶詰が多いことにも納得ですね。
今回は国際色豊かな南仏の湾岸都市マルセイユで見つけた、オイルサーディンのご当地土産「Les Belles de Marseille」をご紹介しましょう。
キュートなデザインと地元ならではのフレーバー
地中海で捕れる新鮮な魚介を使った料理に定評のあるマルセイユ。イワシもマルセイユ名物のひとつです。「Les Belles de Marseille」のオイルサーディンは、身はふっくらしていてコクがあり、そのままでもお酒のお供になりそうな缶詰。サーディーンのフレーバーも、プロバンス地方を代表するエクストラバージン・オリーブオイルや、アニス風味のマルセイユご当地飲料「パスティス」などが揃います。
缶にはそれぞれマルセイユならではのデザインが施されており、パスティスを飲みながらカードゲームに興じる男性たちの姿、フランス南部を発祥とするスポーツ「ペタンク」を楽しむ様子、市内の旧港で買い物をしている女性を描いたものなど、とても文化的。
マルセイユの人たちは話を誇張するのが得意!?
筆者は現在フランス南西部で暮らしているのですが、南部の人たちは独特のアクセントや方言があるようです。マルセイユは特にその傾向が強いだけでなく、地元の人たちの間では「声も大きければ、話も大げさ」なのだそう。
そんなマルセイユ気質を代表するのが「C’est la sardine qui a bouché le port de Marseille」という18世紀から伝わるジョークです。翻訳すると「マルセイユの旧港を塞ぐほど大きなサーディーン(イワシ)を捕まえた」となりますが、背景にはこのような歴史がありました。
時は1780年、イギリス軍から逃れたフランス人指揮官。彼は「Sartine(サーティン)」という巨大な船に乗り、地中海を目指しました。長い旅路の末、たどり着いたのがマルセイユの旧港だったそうです。さて、もうお分りですね! このジョークは魚の「サーディーン」と、船の「サーティーン」をかけたものです。
食事や観光と同じぐらい楽しい、旅先でのお土産選び。この春も、現地ならではの素敵な雑貨や美味しいモノを探す旅に出かけたいですね。