ニューヨーク最新の天空体験「SUMMIT One Vanderbilt」とは?
マンハッタンの中心、グランドセントラル駅のすぐ隣にそびえるヴァンダービルト・タワー。その91〜93階に位置するのが、話題の展望台SUMMIT One Vanderbiltです。
2021年秋のオープン以来、アクセス抜群なだけでなく、その革新的なデザインと没入感のある体験で、ニューヨーク旅行の新定番スポットとして急浮上しました。単に高所から街を眺めるだけではなく、鏡と光が織りなすアート空間、足元まで透けるガラスの床、五感を揺さぶる仕掛けが次々に登場します。
入場から非日常が始まる — アート空間「Air TRANSCENDENCE 1」
チケットを手に地下から専用エレベーターに乗ると、あっという間に地上1,000フィート(約305m)の高さへ。扉が開いた瞬間、目の前に広がるのはKenzo Digitalによるアートインスタレーション「AIR: TRANSCENDENCE 1」です。
「空に浮かぶセントラルパーク」というコンセプトで、ニューヨークのスカイラインを一望できる場所です。展望台をガラス張りにすることで、高層階にいるのに周囲の景色が無限に映り込む不思議な感覚に。訪れた人にこれまでにない没入感やスリルを感じさせます。
ここが一番のSNS映えスポットと言われ、様々なアングルで写真撮影する人たちが溢れています。一面の鏡と窓から見える摩天楼が溶け合い、空間の境界線が消えるようにみなさん撮影しています。まるで自分が空中に浮かんでいるかように撮影するのがポイント。
「Reflect」 草間彌生
なんとニューヨークで草間彌生さんの展示がありました。ステンレス製の雲のような形をした作品「CLOUDS」を通して、不思議な視覚の旅が始まるようです。きらめくオブジェと静寂の中で、自分自身と向き合うような時間が流れます。
銀のボールが舞う 「AIR: AFFINITY 」
子どもも大人も夢中になるのが、このスペース。無数のシルバーのバルーン状オーブが宙に漂う不思議な空間。下から空気が出るようになっているので、自然とバルーンが空中に浮かぶようになっています。
足元にもバルーン、空中にもバルーンがあるので、まるで別世界に迷い込んだような、遊び心あふれる空間です。バルーンは割れるので要注意。たまに大きな音がするので驚きます。
足がすくむスリル 「Levitation」
92階にあるガラス張りのスカイボックス「Levitation」は、外壁から突き出すように設置された透明な箱。 足元から真下まで透けて見える景色は、まるで空中に立っているかのよう。その高さは、地上1100ft(335.27m)!
下に位置するのはMadison Avenueです。特に夕暮れ時は、オレンジ色に染まる街並みと眼下に広がる車の光の列が美しいコントラストを描きます。ここでの写真撮影が人気でいつも大行列。しかし唯一無二の体験になるのでぜひ時間と予算に余裕があればおすすめです。
あなた自身がアートになる瞬間 「AIR: UNITY」
92階にある「AIR: UNITY」は、この空間の体験をひとつの巨大な鏡のようなアートへと昇華させます。 入場時にスキャンしたあなたの顔が、巨大な雲のスクリーン上に映し出される没入型ポートレート体験です。
自分自身が光と雲の中に溶け込むような演出がユニークで、記憶に残る1枚を撮影できるフォトスポットとして人気です。自分の顔は探せなかったのですが、記念撮影をした際に、その写真を購入することができます。
風と光を感じる屋外展望エリア 「Terrace」
体験の締めくくりには、93階のTerrace(テラス)へ。建物の南西側を一周するように設計された開放的なアウトドアデッキからは、ニューヨークの街を見渡す大パノラマが楽しめます。
晴れていれば最大80マイル(約128km)先まで見渡せるとされる絶景を、心地よい風に乗せて楽しめる贅沢な空間です。昼下がりの穏やかな時間にも、夜景に移る幻想的な瞬間にも、それぞれ違った美しさがあります。
映えポイントと服装の注意
SUMMITは全面鏡張りの床や壁が特徴的なため、写真映えスポットの宝庫。ただし、思わぬところまで反射してしまうので服装選びには少し工夫が必要です。
特に床が鏡になっているエリアでは、スカートやショートパンツだと下からの反射が気になることも。スカートの中が見える恐れがあるので服装に気をつけましょう。私はワンピースでしたがタイトめな服なので気にせず過ごしました(笑)。
また、室内は自然光や照明が強く反射するため、白や明るめのカラーの服がより映える傾向があります。黒系はシルエットが背景に溶け込みやすいので、鮮やかな色味を取り入れると存在感が増します。そしてサングラスは必携アイテム。鏡や窓に反射する光が強いため、晴れた日には必ず持参しましょう。
また、全員に求められるのが靴カバーをつけること。フロアの鏡を守るためにどんな靴でもカバーをつける必要があります。黒のカバーなので黒い靴を履いていると違和感のないコーディネートになると思います。
チケットと訪問のヒント
チケット料金は、大人で$44〜、プレミアム体験だと$66〜と体験内容によって変わります。また時間帯別の価格設定があり、人気の夜間やサンセットはプラス料金になる場合もあります。オープンして数年経ちますが、チケットは直前だと入手困難。
あらかじめ希望時間を予約するのがおすすめです。筆者はギリギリに購入しようとしたため、キャンセルの空きをこまめに探して予約できました。空きがあれば変更しやすいチケットなので、変更した人の空きを狙う形でした。
一方で、あらかじめチケットを買っておけば、天気次第で変更も可能なのは嬉しいですよね。おすすめは公式HPからの購入です。
滞在時間の目安は2〜3時間ほど見ておきましょう。写真撮影や景色に夢中になると時間がすぐ経ってしまいます。
アクセス・おすすめの時間
SUMMIT One Vanderbiltの魅力のひとつは、アクセスのよさです。 グランドセントラル駅に直結しており、雨の日でも地下通路からそのまま入館可能。タイムズスクエアやブライアントパークなど、ニューヨーク中心部の観光地から徒歩圏内という立地のため、観光スケジュールに組み込みやすいのもポイントです。
営業時間は9:00〜24:00(最終入場は22:30)。 日中の爽快な眺望を楽しむなら午前中の晴れた日がおすすめ。透明感のある空と輝く摩天楼が、鏡張りの空間に美しく映り込みます。 一方、ロマンチックな雰囲気を味わいたいならサンセットタイムがベスト。
オレンジ色に染まる空から、夜景が広がるまでのドラマチックな変化を、一度の訪問で堪能できます。夜景もまた一味変わった景色ですが、鏡のリフレクションの良さが感じにくいので、2回目以降のリピーターさんにおすすめです。
所在地 45 E 42nd St, New York, NY 10017
Entrance located on the Main Concourse of Grand Central Terminal
営業時間 9:00〜24:00(最終入場22:30)
https://summitov.com
これは「展望台」ではなく「空中アート」
SUMMIT One Vanderbiltは、単なる展望台ではありません。光と鏡、そして高所ならではのスリルが融合した、ニューヨークならではの没入型アート空間です。旅行の思い出をより特別にしたいなら、間違いなく訪れるべきスポット。ニューヨーク滞在を一層スペシャルな体験に変えてくれる場所です。
©︎Keiko Morota
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