テカポ湖とは?
ニュージーランド南島の中央に広がるテカポ湖は、氷河から流れ込むミネラル成分によって生まれる鮮やかなターコイズブルーの湖水が特徴です。周囲には南アルプスが連なり、日中は湖と山々が織りなす雄大な景観を楽しめます。
また、湖畔に建つ「善き羊飼いの教会」は小さな石造りの礼拝堂で、旅人が必ず立ち寄るシンボル的存在です。SNSやガイドブックで見たことがある方もいるのではないでしょうか?
テカポ湖が世界的に知られている最大の理由は、その「星空」です。空気が乾燥して澄み、標高700メートルという立地も手伝って、夜空の透明度は驚くほど。そのためこの地域は世界でも珍しい国際ダークスカイ保護区(Dark Sky Reserve)に指定され、光害を極限まで抑えた環境が保たれています。
街灯には特別な遮光シェードが使われ、町全体で“星空を守る”取り組みを続けているのです。その努力もあり、湖周辺は光害がほとんどなく、南半球ならではの天体観測ができる場所としてユネスコの星空保護区に指定されています。

右下の緑がオーロラ!
特に夏の夜には天の川が湖の上空にくっきりと浮かび上がり、肉眼でも圧倒される迫力。観光客向けには星空ツアーが充実していますが、個人でも見られるのも魅力。さらに筆者が訪れた夏の12月はオーロラまで出現!
緯度が高いのと、現在太陽フレアの活動が活発なため南半球ですが見られたことに感動! もし星空ツアーに参加する場合、ガイドがレーザーポインターで星座を指しながら、神話や宇宙の話を語ってくれるんだそう。個人で見に行くのと、プロの説明付き、時間に余裕があれば両方試してみるといいかもしれません。
所在地 Lake Tekapo 7999 ニュージーランド
ルピナスの花畑で出会う、夢のような色彩
テカポ湖が最も華やぐのは、11月下旬から1月初旬にかけて。その季節、湖畔一帯に咲き誇るのがルピナス(Lupin)です。ルピナスはヨーロッパ原産のマメ科の花で、背丈は1メートルほど。ピンク、紫、青、黄色といったカラフルな花穂を天に向かって伸ばす姿は、まるで光の柱のようです。

満開のルピナス畑のイメージ
氷河湖のブルーとルピナスのパステルカラーが織りなす風景は、世界でもここでしか見られないといわれます。特に「善き羊飼いの教会」周辺では、教会の石壁と花々が重なり、SNSでも人気の撮影スポット!
ちなみに、ルピナスは外来種として管理が行われていますが、観光シーズンになると花が咲き乱れる光景を一目見ようと、多くの人が訪れます。自然に自生している花々が織りなす風景は人工物にはない美しさで、季節限定の贅沢な景観を楽しめます。その時間こそ、テカポの春の魔法を感じる瞬間です。
世界一星空に近い!?「アストロカフェ」で味わう至福の時間
マウントジョン天文台の山頂に建つ「アストロカフェ(Astro Café)」は、“世界一星空に近いカフェ”と呼ばれる特別な場所。
標高1,029メートルの高台から、360度に広がるサザンアルプスとテカポ湖を一望できます。カフェのガラス窓から差し込む光の中で、淹れたてのコーヒーを手に過ごす時間はまさに極上。
人気のスコーンやキャロットケーキも絶品で、どれも地元の素材を使った優しい味わいです。おすすめは午前中の訪問。朝の空気は澄み切り、湖面にアルプスが映る光景が見られます。カフェは夕方前に閉店するため、日が出ている時間に訪問のスケジュールを立てるのがマストです。
ちなみにこちらからテカポ湖の写真を撮るのがSNSで話題の絶景写真の定番です。必ず、カフェだけでなく周囲も散策してみましょう。また注意しないといけないのが、敷地に入るのに入場料がかかります。山の麓で徴収があるので驚かないようにお気をつけください。
所在地 Godley Peaks Road, Lake Tekapo 7945 ニュージーランド
営業時間 9:00~15:00
https://www.darkskyproject.co.nz/dine/astro-cafe/
昼間も必見!善き羊飼いの教会で感じる祈りと静寂
1935年に建てられた「善き羊飼いの教会(Church of the Good Shepherd)」は、テカポ湖を象徴するスポットです。この教会を含めて写真を撮るのが鉄板の撮影スポットです。しかし、夜だけでなく昼も必見の場所!
この小さな石造りの教会は、かつてこの地で働いた羊飼いたちを慰めるために建てられました。祭壇の正面には大きな窓があり、その向こうに広がるのは人工物のない湖と山々。自然そのものが“神の作品”として描かれているようで、誰もが思わず息をのむ美しさです。
夜になると、教会のシルエットが星空と重なり、まるで天へ続く祈りの門のよう。小さな教会ですが、観光客が後を絶たない理由は「テカポのシンボルであるから」ではなく、神秘的な時間に感じるからかもしれません。
所在地 Pioneer Drive, Lake Tekapo 7999 ニュージーランド
営業時間 9:00~17:00
https://www.churchofthegoodshepherd.org.nz
絶品!サーモン丼とローカルグルメを堪能
旅の楽しみといえば食。テカポ湖周辺では、清らかな水で育ったサーモンが名物です。特に人気なのが「Kohan Restaurant」のサーモン丼。なんと日本食レストランです! お値段は観光地プライスですが、脂がほどよくのった切り身がご飯の上に並び、口に入れた瞬間、トロリととろけます。

湖畔レストラン メニュー
所在地 6 Rapuwai Lane, Lake Tekapo 7945 ニュージーランド
営業時間 11:30~14:00、18:00~20:30
https://www.kohannz.com/e_dinner.html
※人気店なので、確実に混みそうと思ったら予約も検討がおすすめです。年末年始は予約ができない場合もあるので要確認
また、テカポには小さなベーカリーやカフェも点在。地元産の蜂蜜を使ったケーキや、ラベンダーアイスなどもおすすめです。筆者は滞在中の食費を抑えるためにスーパーで食材を買い、ホテルで調理……と節約するなど工夫をしました。スーパーでもおいしいサーモンは買えるので、節約派の方もぜひサーモンは試してみてください!
所在地 State Highway 8 22 Rapuwai Lane, Tekapo-Twizel Road, Lake Tekapo 7999 ニュージーランド
営業時間 8:00~20:00
テカポへのアクセスは?
テカポ湖へ向かう際は、南島のクライストチャーチやクイーンズタウンといった空港のある街からバスあるいはレンタカー、ツアーで向かうことができます。クライストチャーチからの場合、車で約3時間半ほどです。
おすすめはレンタカー。道中は羊や牛がのんびり草を食む牧草地が続き、まさに“南島らしい”ドライブコースなので、気が赴くまま停車して向かうもの旅の醍醐味です。また滞在中も自由に動ける車があると、前述したアストロカフェなども行きやすいのでおすすめです。筆者の場合、クライストチャーチの空港でレンタカーを受け取り、クイーンズタウンの空港で返却。クイーンズタウンから日本への帰国の途につきました。
滞在のコツとおすすめホテル情報
テカポを本気で楽しむなら、できれば2泊の滞在がおすすめです。せっかくはるばる訪れたのに星を見るのに天気が悪いといったことも起こりかねせん。筆者も2泊のうち、1日は雨で星空を見ることができませんでした。ホテルを選ぶ際は、もし可能なら「歩いて」善き羊飼いの教会に行けること。車で向かうこともできますが、筆者は夜、晩酌もしたかったので夜、歩いて行ける距離のところで厳選しました。
人気の宿は「Peppers Bluewater Resort」や「The Godley Hotel」。筆者が宿泊したPeppers Bluewater Resortは、キッチンも付いているタイプで便利でした。星空をじっくり観たいなら、キャンプサイトやグランピング施設もおすすめ。ハイシーズンは、世界中から旅行客が集まるので早めの予約が必須です。
所在地 State Highway 8, Lake Tekapo 7945 ニュージーランド
https://all.accor.com/hotel/B3Q7/index.ja.shtml
そして注意点も! 夏季といえど夜は寒い! 筆者は日本で自宅から空港まで移動の際に寒くて着ていたダウンを着ないといけないほどでした。日中は涼しい程度なのですが、夜の星空観察の際は防寒しましょう。
そして星空と人物の写真を撮影したい場合、黒のアウターだと影になってしまうので、明るい色のアウターを着ると、星空とあなたのコラボ写真を美しく撮影することができます。
テカポ湖は、地球の息づかいを感じられる奇跡の場所。ターコイズブルーの湖、咲き誇るルピナス、静かな教会、そして世界一の星空。それを見るために、夏季に旅したくなる理由もうなずけます。「また、あの星空の下に戻りたい」と思える絶景を一生に一度は見てみませんか?
©︎Keiko Morota
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