地球の裏側にあるブラジルの政治が大いに混乱している様子ですが、2016年はリオデジャネイロで第31回のオリンピックが開催されます。「実際に観に行く!」という人、「テレビ観戦する!」という人など、興味を持っているスポーツファンは少なくないはずですよね。
ただ、このオリンピック・パラリンピックが行われるリオデジャネイロという街は、一体どういった都市なのでしょうか?
そこで今回は在リオデジャネイロ日本国総領事館の情報などをもとに、世界中からの注目を集めるブラジルの国際的な都市、リオデジャネイロの大まかな特徴や観光時の注意点を紹介します。
気候や治安は? リオデジャネイロの基礎知識
最初に基本情報からまとめますが、リオデジャネイロは南米大陸の東側で、大西洋に面した巨大都市になります。人口は650万人ほど。日本で言えば千葉県と同じくらいの人口ですね。
地球の裏側にある南半球の街ですから、もちろん季節は日本と真逆で、7月や8月が寒く、1月や2月が暑いイメージになります。ただ、リオデジャネイロは、ほぼ南回帰線の下にある都市です。1年を通じて平均気温が20℃を下回る月はありません。ほとんど夏服でOKです。
街の景観や周辺の自然も美しく、暮らす人々はとにかく陽気。太陽が惜しみなく降り注ぐ、明るい都市といった特徴があります。
とはいえ一方で、リオデジャネイロの犯罪率の高さは、無視できません。日本の外務省の情報によれば、警戒レベル1(危険を避けるために十分に注意すべきレベル)に指定されています。
「まあ、それでも有名な観光地だし、オリンピックも開かれるし、大丈夫でしょ?」と油断をしたくなるかもしれません。
しかし、在リオデジャネイロ日本国総領事館によると、2015年に起きた殺人事件は1,205件。1日に3.3件の殺人事件が街中で起きている計算です。
強盗事件に至っては81,740件。人口10万人当たりで考えると、なんと日本の660倍の発生件数になります。警察は日本のように拳銃ではなく、マシンガンを装備しています。
特にオリンピックのように世界中から人が集まるときは、すりなどの犯罪者もいつも以上に暗躍するはず。最高に美しい観光地でありながら、最高に危険な街とも言えます。十分に注意したいですね。
リオデジャネイロのスポーツや文化、主要な観光地は?
ちょっと怖くなるような情報を紹介しましたが、犯罪率の高さを恐れて、一生のうちに一度も足を運ばないとなると、旅人にはもったいない都市かも。
サッカーファンならご存じ、あのマラカナンスタジアムもリオデジャネイロにあります。サンバのカーニバルも世界的に有名ですよね。
他には音楽、特にボサノバファンなら知っているイパネマ海岸やコルコヴァード山もリオデジャネイロの観光名所。名曲『イパネマの娘』は作曲家のアントニオ・カルロス・ジョビンがビーチ沿いで見掛けた美しい少女にインスピレーションを受けたという逸話も残っていますよね。
コルコヴァード山の名前は知らなくても、その山頂に立って両手を広げている巨大なイエス・キリスト像の写真は何かで見た経験があるかも。1930年に完成し1931年にお披露目された、高さ30m近くのキリスト像です。観光客は専用の車両に乗って山頂まで行けるようになっています。
オリンピックやパラリンピックのように世界中から人が集まる時期は普段以上の混雑が予想されますが、リオデジャネイロに出掛ける際には外せない観光名所ですね。
その他には、コパカバーナビーチが特に有名。海水浴を楽しんだり、水着のままバレーボールやバドミントンを満喫したり、ビーチの木陰に用意されたテレビでサッカーを観戦したり。誰もが思い思いの時間を楽しんでいるすてきな海岸。
過去記事「そんなにすごいの?世界で恒例の有名カウントダウンまとめ」でも紹介したように、ビーチでお酒を飲みながら、打ち上げ花火で新年を祝うカウントダウンも有名です。
リオデジャネイロの直行便がある日本の空港やビザは?
通常であれば渡航の際にビザが必要なのですが、2016年の6月1日から9月18日までは観光目的であれば、ビザなしで入国できるようになっています。
滞在日数が最長で90日までという条件がつきますが、普通の旅行者であれば問題ありませんよね。ただ、残念ながら日本の空港から直行便は出ていません。
成田国際空港、関西国際空港、羽田国際空港、中部国際空港などの国内主要空港から、アムステルダム、アトランタ、パリ、フランクフルト、ヒューストン、ニューヨークJFK、ロンドン、トロントを経由して向かってください。
どのルートを選択するにせよ、飛行機に24時間程度乗っている必要があります。かなりの根気が必要ですが、さまざまなテクニックを駆使して機内での時間を乗り切りたいですね。
以上がリオデジャネイロの概要になります。在リオデジャネイロ日本国総領事館によれば、防犯上の心構えとして、
・自分の身は自分で守る
・犯罪に関する情報収集を徹底する
・周囲に溶け込む服装をする
・常に警戒心を持って行動する
・貴重品や大量の現金を持ち歩かない
といった点を肝に銘じるべきだとか。一部にはスラムのような場所もあります。万が一、強盗に遭遇したら抵抗せず、相手の顔も直視せずに、慌てず騒がず素直に金品を差し出してください。
周りで強盗に遭っている人が居ても、正義感から助けるような真似はしない方が無難だと言います。
日本での常識が通用しません。最高の思い出のまま帰ってくるためにも、防犯対策は万全にしておきたいですね。
[リオデジャネイロ オリンピック・パラリンピック競技大会 安全の手引き(2016年4月現在) – 在リオデジャネイロ日本国総領事館]
[海外安全ホームページ – 外務省]
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