パリで少し変わった散歩をしてみませんか。
バスティーユ駅から始まる「緑の散歩道 /Promenade plantée」は、なんと旧パリ国鉄の高架上にあるのです。全長4・5キロで、ヴァンセンヌの森まで繋がっています。土より高いところにある公園と聞くと、なんだか近未来的なものを想像しますが、ここはパリ。古いものを大事にするフランス人らしい、新しいスタイルの散歩道なのです。
緑の散歩道とは
緑の散歩道は1969年に廃止されたバスティーユ駅支線跡を改築した大公園。赤れんがの高架上に植物が生い茂っています。新しいコンセプトの公園ですが、なんともレトロを感じさせる散歩道ですね。
1980年代のエコロジー思想の芽生えの時期、緑ある都市生活をコンセプトにした都市計画が欧米で注目されるようになりました。その先駆けとして造られたのが「緑の散歩道」なのです。
バスティーユから足を進めていくと、アパートの中を散歩道が突き抜けます。自然を基調とした新しい街づくりの姿を見ることができます。自然と共存して暮らす新しいパリ。誰もがイメージする古く美しいパリの街並とは違った一面がここにはあるのです。
400種類以上もある植物
緑の散歩道を歩いていて驚くのが、とにかく植物の種類が多いということ。400種類以上の植物が植えられているのだとか。春から夏の終わりにかけて多くの花が咲きます。特にバラは見応えがあるのだそう。
高架上から見えるパリの景色
散歩道では花を愛でるのだけが楽しみではありません。高層ビルが極めて少ないパリでは高架上からでもその美しい街並を見ることができるのです。
緑の散歩道を歩いていて、目につくのはパリには意外にも新しい建物も多いということ。この地域は新しいものと古いものが調和された新しいパリの象徴的な場所の一つでもあります。
公園で一休み
緑の散歩道にはいくつかの公園があります。晴れた日はパリジャンもゆったりと芝生の上で過ごす姿が見えます。
散歩道の終着地はヴァンセンヌの森です。ヴァンセンヌに近づくにつれて、整備された散歩道から、少し野性的な道へと変わっていきます。ここで散歩道も終わり。春から夏にかけてヴァンセンヌではボートを漕いだり、ピクニックを楽しむパリジャンで溢れています。散歩の後はヴァンセンヌの森でゆったりと過ごすのがおすすめですよ。
[All photos by Nanako Kitagawa]
[equipement.paris.fr]
[パリの手帖 とっておきの散歩道]