「震災に負けないで」イタリア中部地震被災地アマトリーチェの伝統料理スパゲッティ・アマトリチャーナのレシピ

Posted by: 藤原亮子

掲載日: Sep 13th, 2016

「震災に負けないで」イタリア中部地震被災地アマトリーチェの伝統料理スパゲッティ・アマトリチャーナのレシピ

2016年8月24日イタリア中部を襲った地震は、近年イタリアで発生した地震の中でも2番目に多くの死傷者を出す被害となりました。筆者の住むフィレンツェは被災地から300キロ弱離れていますが、それでもドキッとするような芯のある揺れを感じました。

連日報道される痛ましい被害状況は、思わず目を覆いたくなるものばかりです。大切な人、自分の居場所をなくした方の悲しみを思うと、やりきれない思いでいっぱいで、早く、一日も早くこの状況が改善されるのを祈るばかりです。

「震災に負けないで」イタリア中部地震被災地アマトリーチェの伝統料理スパゲッティ・アマトリチャーナのレシピ

同じ地震のある国の私たちだから分かるのは、建物や道路は時間をかけていつか復旧できても、大切な人をなくした悲しみは消えることはないし、自分の居場所を取り戻すのはとても大変だということ。いつか地震の報道がなくなり、次第に人々にこのニュースが忘れさられていっても、被災者の方々はその悲しみにずっと向き合っていかなければいかないことです。

復興のための支援や募金はもちろん今一番必要なことですが、災害後にも続いていく暮らしをほんの少しでも元気づけるような何かも必要です。

地震後、筆者も多くの人から「大丈夫?」と安否のメールをいただきました。その時は、地震の被害の大きさにいたたまれない思いでしたが、日本から遠く離れて暮らす自分のことを思いやってくれた、たくさんの友達の言葉に心を温かくしました。また、日本で地震が起こった時に世界中から励ましのメッセージが寄せられ、私たちはとても勇気づけられました。そのように、誰かを思いやるその気持ちが、きっと誰かを元気づけてくれるものです。同じ悲しみを体験している私たちだからこそできる「思いやり」も届けられたらいいなと思います。

「震災に負けないで」イタリア中部地震被災地アマトリーチェの伝統料理スパゲッティ・アマトリチャーナのレシピ

筆者にできることはとても少ないですが、それでも、災害で受けた人々の悲しみにずっと、そっと寄り添うため、その町を覚えていられるように、一番被害のひどかった「アマトリーチェ」で生まれた「スパゲッティ・アマトリチャーナ」のレシピをここでご紹介致します。

知らない、聞いたことがないと思われる方もいるかと思いますが、このスパゲッティは、トマトとベーコンが入った日本でもよく食べられる、あの定番のスパゲッティです。日本からは遠いアマトリーチェですが、実はもう日本でも私たちの側にあったのです。

このスパゲッティに出会う度に、小さな町を襲った地震のこと、そして同じ悲しみを共有する支えあうべき友がそこいることを思ってもらえたら、その小さな思いはきっと誰かの心を少し勇気づけてくれるのではと思います。

スパゲッティ・アマトリチャーナ

【材料】(2人分)
スパゲッティ 200g
ベーコン 125g
トマト 250g
ハードタイプのチーズ(なければ市販の粉チーズ) 75g
ラード(もしくはオリーブオイル) 大さじ1
唐辛子 1本
(本来のレシピでは、ベーコンはグァンチェッタという豚の顔の部分のハム、チーズはペコリーノチーズで作ります。日本ではなかなか手に入りにくい物なので、代用の材料でご紹介しています)

【作り方】
1. チーズはすりおろし、ベーコンは柵切りに、トマトは湯剝きして、角切りにします。トマトを切った際のトマトの汁も取って置きましょう。
2. 熱したフライパンにラード(またはオリーブオイル)、唐辛子を入れ、ベーコンをカリカリになるまで炒め、フライパンから取り出します。
3. 刻んだトマトとトマトの汁をフライパンに入れ、煮立ったら2で炒めたベーコンを加えます。
4. 茹でたスパゲッティを3のフライパンに加え、さっと炒めます。
5. おろしたチーズを加えひと混ぜしたら、お皿に盛ってできあがりです。

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

藤原亮子

Ryoko Fujihara フォトグラファー&ライター

イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、’09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、イタリアで撮影・執筆活動をしつつ、更なる美しい景色を求めてカメラ片手に旅を続けている。

イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、’09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、イタリアで撮影・執筆活動をしつつ、更なる美しい景色を求めてカメラ片手に旅を続けている。

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