【世界三大夜景】モナコ&上海そして「函館」より「長崎」が選ばれた理由は?

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Nov 11th, 2022

世界を代表するとされるものを3つ取り上げて、「世界三大〇〇」と呼ばれるさまざまなものがありますよね。そこで、どんな事物がそういわれているのか調べてみました。あなたはどれだけ知っているでしょうか? 今回は、「世界三大夜景」について紹介します。

長崎の夜景1


 

「世界三大夜景」は誰が決めた?

モナコの夜景
モナコ

今までのTABIZINE連載で紹介してきた「世界三大○○」は、たいていの場合、日本生まれの独自ランキングだとわかりました。世界では通用しない、日本人が決めた日本人しか知らない3選といった感じですね。

この「世界三大夜景」も実は、日本だけで通じる考え方です。

2011年(平成23年)、日本夜景遺産事務局(現:一般社団法人 夜景観光コンベンション・ビューロー)内に「世界新三大夜景認定委員会」が設置され、全国の夜景観光士(有資格者)3,500人が、世界新三大夜景を決めるべく、約120カ所の候補地を出しました。

検証作業を経て18カ所に絞り込み、現地調査やヒアリングを経て、再検証を繰り返した上で、2012年(平成24年)に結果が発表されました。

2012年版の「世界三大夜景」は

  • 香港
  • モナコ
  • 長崎

とされます。
香港の夜景
香港

この世界新三大夜景の選考時には、複数の審査基準を設けています。例えばその中には、

<鑑賞できる俯瞰的夜景に対してアプローチ可能な複数の視点場が存在していること>
<これら複数の視点場は対岸・対山等に分散し、各々が異なる表情を創出していること>

(夜景観光コンベンション・ビューローの公式サイトより引用)

などが条件として挙げられています。

同じく夜景スポットとして有名な函館は、この複数の視点場が存在しないため、選外になったともいわれています。

新旧の世界三大夜景に入っている日本の港町とは

長崎の夜景2
長崎

2012年(平成24年)に発表された世界新三大夜景は2021年(令和3年)に最新版が発表されています。

最新版では、審査員の夜景観光士6,100人が11項目を検証し、ノミネート・投票・再検証・最終投票など厳しい選考を実施しました。選ばれた20都市のランキング上位3都市を世界新三大夜景都市(通称:世界新三大夜景)と発表しています。

第5位は香港(中国)、第4位はニューヨーク(アメリカ)です。

肝心の上位3都市は、

  • 第1位:モナコ
  • 第2位:長崎市(日本)
  • 第3位:上海(中国)

でした。

要するに2021年版の世界新三大夜景では香港が選外になり、代わりに上海が入ってきたのですね。

上海の夜景
上海

世界1位のモナコについては、世界で2番目に小さい国だけあって、丸ごと一国の夜景が一望できる珍しさなどが評価されています。夜景の種類も鑑賞スポットも豊富に存在するために、世界トップの評価になったようです。

第2位の長崎については、港町の夜景を評価する伝統的な基準に加えて、長崎港を取り囲むすり鉢状の地形や鑑賞スポットの豊富さなどが評価のポイントとして挙げられています。

ただ、日本の団体が選ぶ世界三大夜景ですから、日本の都市の高評価はちょっと差し引いて考えたほうがいいかもしれませんね。

「世界三大夜景」という考え方自体も定義があいまいで、1950年~1960年代の高度経済成長期に、日本の旅行会社が旅行商品づくりの場面で発信した考え方が発端になっているとの話もあります。

とはいえ、世界三大夜景だろうがなかろうが、長崎の夜景が美しい点には変わりがありません。

世界新三大夜景のランキング上位に入った国内都市は、長崎のほかに北九州市(8位)・札幌市(10位)・神戸市(15位)なども見られます。

空気が澄んで景色が美しくなるこれからの時期、これらの都市に出かけて夜景を楽しんでみてはいかがですか?

[参考]
新時代を創る夜景「世界新三大夜景都市」が約10年振りに誕生!!「モナコ」「長崎市」「上海」が認定!! – 夜景観光コンベンション・ビューロー
世界を代表する夜景が決定!「世界新三大夜景」選ばれたのは、「モナコ」「香港」「長崎」 – 夜景観光コンベンション・ビューロー
City of Kitakyushu’s night views ranked most beautiful in Japan – The Mainichi
日本新三大夜景 – 夜景観光コンベンション・ビューロー
なぜ外された!? 函館夜景が「世界新三大夜景」に入らず – 北海道ファンマガジン

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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