【実はこれが日本一】樹齢1200年!樹高日本一の木は姫路城よりも高い

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Nov 15th, 2022

日本一高い山は「富士山」、日本一大きな湖は「琵琶湖」、日本一高いタワーは「東京スカイツリー」など、有名な日本一はいろいろありますが、あまり知られていない、ちょっと意外な日本一を紹介するシリーズ「実はこれが日本一」。今回は、日本で最も高い木を紹介します。

京都府京都市左京区「花脊の三本杉」
ドローンによる上空からの三本杉の樹冠(下側が日本一となった杉、右上が2番、左上が5番)(近畿中国森林管理局Webサイト)より
 


 

姫路城の天守閣よりも高い木

姫路城
Shutterstock.com

木の高さといえば、何mくらいを想像しますか? 例えば、表参道(東京都港区)の並木の高さは20mほどです。20mというと、6階建てのビルくらい。そんなに高いのですね。世界でいえば、南太平洋のイースター島にあるモアイ像と同じくらいです。かえって、わかりづらい例えかもしれませんが。

では、日本で最も高い木は、表参道の並木と比べてどのくらい高いのでしょうか? また、どこに生えているのでしょうか?

大木といわれると筆者は、屋久島(鹿児島)の縄文杉や、立山(富山)の立山スギ巨木林を真っ先に思い浮かべます。しかし、調べてみると、縄文杉の高さも25.3mほど、立山スギ巨木林の場合は平均で24.2mくらいにとどまっています。

どれもすごいですが、実は大都会のど真ん中にある街路樹とそれほど高さが変わらないのですね。

しかし、日本一高い木となるとスケールがぐっと変わってきます。2017年(平成29年)に林野庁が新たに高さ日本一と認めた木の高さは62.3mです。世界遺産でもある姫路城の天守閣(石垣と建物)の高さ46.35mを楽々と超え、メキシコにあるテオティワカンの太陽のピラミッド(65m)とほぼ並ぶくらいになります。

その木は、どこにあると思いますか? 答えは京都市左京区です。地図で見ると、京都市の中心部から北へ約25km行った山中にある、滋賀県との県境も近い、大悲山国有林にあります。

1つの株から日本一・二に高い幹が生えている


京都市左京区大悲山にある花脊の三本杉(Wikipediaより)

国有林に生える日本一の木は「花脊(はなせ)の三本杉」と呼ばれています。

「三本杉」の呼び名のとおり、1つの株から3本のスギの幹が密集して生えています。この条件が、強風などからお互いを守り、倒木などを防いできたのではないかと専門家も指摘しています。

密集して生える3本の幹のうち、最も東側にある幹の高さが62.3mとわかり、さらに北西にある幹の高さも60.7mとわかって、日本で1番目・2番目に高い木と認定されました。

それまでは、愛知県新城市にある「傘杉」が59.6mで日本一を誇っていたのですが、花脊の三本杉のうち、2本の幹が傘杉を上回ったのですね。

ちなみに、3本のうち西側にある幹の高さは57.2mで日本5位になるそうです。

推定の樹齢は1200年にも達する


峰定寺(Wikipediaより)

この三本杉は古くから、しめ縄が張られるなど神聖視されてきた存在です。京の都から山道を越え、修験道の聖地である大悲山峰定寺(ぶじょうじ)へ行く際の道標にもなってきたそう。

ほかに「京都の自然200選」にも入っています。それくらい周知の存在だったわけですが、長らくもっと低い木だと考えられてきたようです。

しかし、林野庁の京都大阪森林管理事務所がドローン(小型無人機)で調べたところ、想像以上に高いとわかります。

そこで、2017年(平成29年)11月13日の晴れた日にバーテックスレーザーという測定機器で樹高を3点計測したところ、東側の幹が日本一、北西側の幹が2位と判明したのですね。

推定の樹齢は1200年。西暦800年ごろまでさかのぼりますから、「泣くよウグイス平安京」(794年)のころですね。

花脊の三本杉はご神木として周囲に柵が設けられており、柵内への立ち入りは控えるように配慮が求められています。また、花脊の三本杉自体が国有林の中にあるため、原則として入林する際には届け出が必要になります。

興味のある人は、そのあたりのルールをしっかり守った上で、安全に配慮して、日本一の大木を生で拝んでみてはいかがでしょうか。

[参考]
大悲山(だいひざん)の三本杉 – 近畿中国森林管理局
花脊の三本杉 樹高測定結果 – 林野庁近畿中国森林管理局京都大阪森林管理事務所
京都の三本杉62.3メートル – 毎日新聞
京都の杉が高さ日本一 62.3メートルと確認 – 日本経済新聞
新城・鳳来寺山の傘杉 しめ縄を掛け替え – 東愛知新聞
表参道(おもてさんどう) – 港区
立山スギ巨木林 – 中部森林管理局
屋久杉巨樹・著名木 – 屋久杉自然館
「大悲山峰定寺と修験の世界」
国有林への入林 – 関東森林管理局

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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