「世界平和指数(GPI)」とは?
世界平和指数(GPI)とは、平和とその経済的価値、傾向、平和な社会を発展させる方法について、最も包括的なデータをもとに分析した報告書です。この報告書が対象とするのは、世界人口の99.7%を占める、163の国と地域。「社会の安心・安全」「進行中の国内・国際紛争」「軍事化」の3つのカテゴリにまたがり、23項目にわたって各国を分析しています。
10〜6位
第9位・・・シンガポール
第8位・・・チェコ
第7位・・・スロベニア
第6位・・・ポルトガル
今回の報告書では、世界平和度の平均レベルが0.3%悪化したことが明らかになりました。90カ国が改善している一方で、71カ国が悪化。改善するよりも悪化するスピードのほうが、はるかに速いという残念な結果に。
そんな中、日本は昨年の12位から2ランクアップ! 10位に着地しました。「社会の安心・安全」で3位だったことが大きな要因です。昨年トップ10入りしていたスイスとカナダは、11位と12位に。
1位~5位
第4位・・・デンマーク
第3位・・・アイルランド
第2位・・・ニュージーランド
第1位・・・アイスランド
アイスランドは2008年以来、最も平和な国ランキングの首位を維持! その後に、昨年も2位だったニュージーランドが続きます。また、アイルランドは5ランクアップして3位、デンマークは1ランクダウンして4位、オーストリアは1ランクアップして5位に着地。上位10カ国のうち7カ国はヨーロッパ諸国という結果になりました。
「テロ」と「軍事化」は改善
ロシアのウクライナ侵攻により、死亡者数が急激に悪化したにもかかわらず、2008年以降、113カ国で軍事化が改善しました。テロの影響は6年間で最高のレベルに改善。軍人の割合は112カ国で低下し、GDPにおける軍事費の割合も94カ国で減少しています。
とはいえ、政治テロの規模、政治的不安、近隣諸国との関係、難民、国内避難民 (IDP) は、世界平和指数(GPI)の開始以来、最悪のスコアに。加えて、COVID-19パンデミックの影響による、サプライチェーンの混乱と遅延、製品不足、エネルギーと食料価格の高騰が改善したのは一部の国で、いまだに多くの国が苦しんでいる状態です。食料と燃料のコストの上昇により、アフリカ、南アジア、中東が最大の脅威にさらされています。
平和度が最も下がった国、最も低い国
平和度が最も下がった5カ国は、ロシアとウクライナのほか、ギニア、ブルキナファソ、ハイチでした。いずれの国も進行中の紛争が原因です。また、ロシアはフィンランド、スウェーデン、ルーマニア、エストニア、ラトビア、リトアニア、モルドバといった近隣諸国との関係も悪化しています。
ちなみに平和度が最も低かったのは、5年連続でアフガニスタンで、イエメン、シリア、ロシア、南スーダンが続きます。
現在の世界の平和度は過去14年間で11番目となり、国の平和度の平均レベルが3.2%も下がっています。この激動ともいえる時代を無事に乗り越えて、来年以降は世界全体の平和度が高まってほしいものですね。
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