©Hoshino Resorts Inc.
伝統とモダンの融合を感じさせてくれる温泉旅館
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界 加賀は、東京からは北陸新幹線でJR金沢駅で下車。特急に乗り換え25分、加賀温泉駅が最寄り駅です。加賀温泉駅から界 加賀まではタクシーで約10分の距離の場所にあります。多くの文化人を迎えてきた歴史ある老舗旅館「白銀屋(しろがねや)」の建物を受け継ぎながらも、界 加賀らしさのエッセンスを加えた温泉旅館です。
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まず目に飛び込んでくるのは、紅殻格子(べんがらごうし)が印象的な建物。こちらの伝統建築棟は、国の有形文化財に登録されています。
中に入ると、伝統を感じさせる造りと、加賀水引など伝統工芸の装飾に彩られた素敵な空間が広がっています。
伝統建築棟の後方にあるのは、新築した8階建ての建物で、宿泊するエリアの客室棟になります。フロントから客室棟に移動する際に目に飛び込んでくる庭のある風景は、とても風情を感じさせてくれます。
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界 加賀では、前庭、中庭、茶庭と3つの庭の風景を楽しむことができます。
到着したこの日の天気は雨。雨はやんでいましたが、雨で濡れた庭もまた情緒が感じられて素敵でした。
茶庭を見渡せる場所にあるのは、和の雰囲気が漂うトラベルライブラリー。コーヒーを飲みながら庭を眺めて、好きな本を手に取り、何時間でも過ごせそう……。トラベルライブラリーではコーヒーや麦茶、ハーブティーなどの飲み物がそろっており、滞在中は自由に楽しめます。
界に滞在すると覗くのが楽しみなショップもあります。九谷焼のうつわなどが並び、どれを購入しようか色々と目移りしてしまいました。
伝統工芸があしらわれた和モダンな客室
客室にも加賀水引や加賀友禅などの伝統工芸が随所にちりばめられ、私たちの目を楽しませてくれます。華やかでありながら、落ち着いて過ごせる和モダンのインテリアです。
ウェルカムドリンクの加賀棒茶とお茶菓子。
客室に置かれている界 加賀オリジナルの九谷焼の茶器や急須も素敵です。自宅用に欲しくなるほどの可愛さ。
チェックイン後は、館内着の作務衣に着替えてのんびりと過ごせます。アメニティが包まれた界のオリジナル風呂敷は、バルーンバッグにして滞在中のお供にしてみてはいかがでしょう。裏地は鮮やかなピンクで、女性にとってはなんだか気分があがる色合いです。
全国にある界の施設それぞれに風呂敷の色が異なるので、“界めぐり”をしてこの風呂敷を集めたくなってしまいます。それもまた、界に滞在する楽しみのひとつ。
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界オリジナルの和漢コスメにアメニティ、必要なものはそろっているので、荷物を少なくできて快適に過ごせます。
金継ぎされた器とともに己と向き合う時間を。茶室貸切の「独服体験」
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界 加賀の素敵なお庭を眺めていると、茶室があるのを発見してしまいました。スタッフに話を聞くと、こちらの茶室では、金継ぎされた器で「独服体験」ができるとのこと。独服とは、自分で淹れたお茶を自分で楽しむことですが、静かな空間でいただくことで感覚を研ぎ澄ませ、自分とじっくり向き合う時間として活用されているのです。茶室を20分間、ひとりで貸し切って体験できるという、なんとも贅沢なもの。
深煎りと浅煎りの加賀棒茶が用意されており、柄酌で釜からお湯をすくい、それぞれ異なる味わいをじっくりと楽しみます。干菓子も2種類用意され、深煎りと浅煎りのお茶に合わせていただきました。
茶室で心静かにお茶を楽しむ時間……とっても贅沢な時間だなと感じました。日々の生活の中では、己とじっくり静かに向き合う時間ってなかなかないので、そういう機会を作るのは必要なことですね。
「金継ぎ」を体験できる工房が誕生
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界 加賀では、加賀の名産である九谷焼を修復する体験ができる「金継ぎ工房」が2023年4月19日に誕生します。金継ぎとは、割れたり欠けたりした器を直す、伝統的な修復技法のこと。これまでも、金継ぎでアクセサリーを作るワークショップが開催されてきました。
茶の湯の文化が根付く金沢では、割れた茶道具などを金継ぎで修復して、器を大切に扱ってきたという歴史があります。工房では、器を大切に扱う精神を感じながら、金継ぎの体験ができるのです。自分で修復した器となれば、きっと愛着もひとしお。界 加賀だからこそ叶う、旅の思い出が作れそうですね。
高級食材と地酒のマリアージュを楽しむ「特別会席」
独服体験と金継ぎアクセサリー作りを楽しんでいたら、あっという間に夕食の時間になってしまいました。今回いただくのは、特別会席。
ドリンクメニューは、QRコードでアクセスすると携帯から確認ができます。今回は、界 加賀おすすめの「日本酒飲み比べセット」を選択。こちらはおすすめの日本酒が用意されており、加賀鳶、獅子の里 純米吟醸、五凛の3種類が楽しめます。
美しい山中塗のうつわで出された先付けからスタート。
煮物椀は桜餅の海老射込み。筍と木の芽が添えられ、春を感じさせてくれます。
宝楽盛りは、うつわも華やか。「器は料理の着物」と唱えた美食家・北大路魯山人の料理哲学を体現した、“器と料理のマリアージュ”が楽しめます。揚げ物は、ふきのとう、こごみといった春の食材と白魚四彩揚げ。
蓋物は金目鯛とゆばの翡翠蒸し 銀餡。魯山人にちなんだうつわである日月椀がまた料理を引き立てます。
若布のボリュームに驚いたのが台の物。鮑を若布で包んで蒸したもので、若布の中からはとても柔らかい歯ごたえの鮑が登場です。
そして、土鍋ごはんにはのどぐろが。脂ののったのどぐろの土鍋ごはんは、食べ応えも抜群。なんとも贅沢です。食事の締めくくりの甘味まで、目と舌で楽しめる料理の数々を堪能しました。
伝統と新しさを融合した「加賀獅子舞」
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毎晩21時30分からは、界のご当地楽(ごとうちがく)である「加賀獅子舞」を鑑賞できます。金沢市の無形民俗文化財にも指定されている加賀獅子舞を、独自にアレンジして上演。振付や衣装、音楽までをすべてオリジナルで制作しているということにも驚きます。伝統はそのままに、新しくて独創的な加賀獅子舞は必見。衣装もモダンで本当に素敵なので、流石だなぁと感心してしまいました。
加賀文化に浸れる華やかな大浴場「九谷の湯」
加賀獅子舞の迫力に圧倒され、界 加賀の世界観を思う存分満喫したあとは、1日の疲れを癒やすべく温泉へ。界 加賀では九谷焼や金沢金箔をあしらった風情ある大浴場を楽しめるとあって、とても楽しみにしていました。
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脱衣所にも伝統工芸品である加賀提灯が吊るされています。
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内風呂の壁面には九谷焼のアートパネルが組み込まれ、ずっと眺めていても飽きないくらいです。伝統的な4つの九谷焼様式があるのですが、それぞれ説明も書かれているので、お風呂に浸かりながら説明と九谷焼のアートパネルを眺めていました。
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そして、露天風呂との仕切りガラスには金沢箔で描かれた白山を見ることができます。こちらも金箔ならではの繊細なアートが美しく、思わず見入ってしまいます。
温泉でゆっくりと温まり、この日は心地よい眠りへと誘われていきました。
ノスタルジックな雰囲気が素敵な「古総湯」
翌朝はいつもより少し早起きをして、界 加賀から徒歩1分の古総湯へ。こちらの古総湯は明治時代の総湯を復元し、外観や内装はもちろん、「湯あみ」という温泉に浸かって楽しむだけの当時の入浴方法も再現した共同浴場です。界 加賀に宿泊すれば、こちらの古総湯も無料で楽しめるのでぜひ足を運んでみては。
©山代温泉観光協会
温泉に浸かって楽しむという当時の入浴方法を再現しているので、洗い場はありません。浴室の床や壁の九谷焼のタイルも当時のまま復元されているのですが、ノスタルジックな雰囲気がとてもよい感じ。山代温泉が誇る、1300年の歴史を感じることができますよ。2階には広々とした休憩所もあるので、温泉を楽しんだ後は2階でのんびりくつろぐのもおすすめです。
古総湯のすぐ近くには、地元の人に愛されている2つめの共同浴場「総湯」もあります。総湯では、加水しない良質で新鮮な温泉が楽しめるとあって、早朝から多くの地元の人たちで賑わっていました。朝と晩の2回入りに訪れる人も珍しくないようで、地元の人たちの温泉として親しまれています。
住所:加賀市山代温泉18-128
電話番号:0761-76-0144
営業時間:6:00〜22:00閉館
休業日:各月の第4水曜6:00〜12:00まで(正午から通常営業)
料金:大人500円、中人(6歳以上12歳未満)200円
小人(3歳以上6歳未満)100円、3歳未満無料
泉質:ナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)
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古総湯で朝から温泉を楽しんだあと、客室へも戻り、再びベッドでゴロゴロ過ごすのもまた至福の時間。朝食の時間まで、まどろみのひとときを過ごしました。
朝食は、石川の郷土料理「いしる鍋」をメインとした和食。早起きしたせいか、朝食の時間にはすっかりお腹もぺこぺこに。
加賀文化の伝統に包まれた、界 加賀での滞在。歴史の重みを感じさせながらも、古くない。伝統を重んじながらもそこに新しい感性を吹き込むことで、日本人が落ち着く“和”の趣のなかで快適にくつろげる空間が広がっています。界のコンセプトである、「王道なのに、あたらしい。」を存分に味わえる滞在となりました。
住所:石川県加賀市山代温泉18-47
電話番号:界予約センター050-3134-8092(9:30〜18:00)
宿泊料金:31,000円~(2名1室利用時の1名料金 サービス料・税込)
公式サイト:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaikaga/
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[Photos by Aya Yamaguchi & Chika]