【日本三大朝市】岐阜「宮川」・石川「輪島」・千葉「勝浦」の歴史と魅力

Posted by: あやみ

掲載日: May 5th, 2023

新鮮な野菜や魚介類、その地域の特産物などが並ぶ朝市は、見て回るだけでも楽しいですよね。日本にはいくつかの有名な朝市がありますが、岐阜県高山市の「宮川朝市」・石川県輪島市の「輪島朝市」・千葉県勝浦市の「勝浦朝市」が日本三大朝市に挙げられます。そこで今回は、それぞれの歴史と魅力をご紹介!

千葉県勝浦市・勝浦朝市の金目鯛
©(公社)千葉県観光物産協会
 


 

旨味がギュッと詰まった野菜と漬物が名物「飛騨高山 宮川朝市」(岐阜県高山市)

飛騨高山 宮川朝市(岐阜県高山市)
©️(一社)飛騨・高山観光コンベンション協会

岐阜県高山市で開かれている「飛騨高山 宮川朝市」の歴史は古く、江戸時代までさかのぼります。1819年頃に、高山別院前で「桑市」と呼ばれる養蚕の市が行われていて、鍛冶橋両詰でも夜に10数店が並び、繁盛していたそうです。この頃の市は野菜や花を中心とした量り売りが主流で、開催時期は、6〜8月頃だったと推測されています。

明治時代には、自家栽培の野菜が売られるように。それから、大戦をへて、立ち退き問題などを乗り越え、ようやく現在の宮川沿いに落ち着きました。

現在は、高山の市街2カ所(もう1カ所は陣屋前朝市)で毎朝、朝市が開かれ、地元の農家が作った野菜や果物、漬物など季節を感じる旬の食材が並んでいます。
岐阜県高山市・飛騨高山 宮川朝市
©️(一社)飛騨・高山観光コンベンション協会

飛騨高山は寒暖差が激しく、寒冷地のため、旨味が詰まった新鮮な野菜が豊富なのです。また、それらの野菜を使った漬物も朝市の名物。そのほか、自家製のもち米を使ったお餅や、飛騨産の牛乳や卵を使ったプリンも!

また、人情味あふれる触れ合いができるのも朝市ならでは。食材の調理方法やおいしい食べ方を教えてくれることもあります。

飛騨高山を訪れた際は、ぜひ早起きして朝市を楽しみたいですね。

飛騨高山 宮川朝市
住所:岐阜県高山市下三之町
電話:080-8262-2185(飛騨高山宮川朝市協同組合)
営業時間:7:00〜12:00(4月〜11月)、8:00〜12:00(12月〜3月)
定休日:なし
交通アクセス:JR「高山駅」から徒歩10分
公式サイト:https://www.asaichi.net/index.html

1300年の歴史!物々交換から始まったとされる「輪島朝市」(石川県輪島市)

輪島朝市
©石川県観光連盟

奈良時代後期もしくは平安時代はじめ頃に、鳳至比古神社(ふげしひこじんじゃ)の祭礼日に、生産物を持ち寄り、物々交換していたことが始まりとされる石川県輪島市の「輪島朝市」。

その頃は、水産物や農産物のほか、朝廷へ上納したものの余剰生産物も出していたそうです。さらに稲舟・釜屋谷・洲衛で焼かれた須恵器の杯・碗・皿や、木地師などが作った漆ぬりの椀や丸盆もあったとのこと。

その後、神社の祭日だけに行っていた市の物々交換がさかんになり、12日毎に市を開くように。全国各地の鷲神社(おおとりじんじゃ)の祭礼に開かれる「酉の市」はその名残りだそうです。

さらに明治時代には、朝市は時代に合わないという理由から撤退の危機に遭いますが、地元が陳情して回避。紆余曲折をへて、輪島の朝市はいわゆる「生活市」から「観光市」へと変化を遂げました。

石川県輪島市「輪島朝市」
©石川県観光連盟

現在、輪島朝市には、鮮魚・干物や加工された海産物から、農産物、工芸・民芸品、衣類まで多彩な店舗が並びます。酒屋が複数軒あるのもユニークな点です。地酒の試飲ができる酒屋もあり、日本酒好きにはたまりません。

輪島市を訪れたら、朝市に行き、新鮮な魚介類などをお土産として購入したいですね。鮮魚や干物は旅行中、持ち歩くと傷むことから、帰る日の朝に買うのがベスト。それが難しい場合は、宅配便で送ることができます。

輪島朝市
住所:石川県輪島市河井町朝市通り
電話:0768-22-7653(午前中のみ:輪島市朝市組合)
営業時間:8:00〜12:00
定休日:毎月第2・第4水曜日、元旦・1月2日・3日
交通アクセス:「金沢駅」から輪島特急バス乗車、終点「輪島マリンタウン」下車、徒歩5分
公式サイト:https://asaichi.info/

今も昔も、人情味あふれる勝浦の顔として賑わいを見せる「勝浦朝市」(千葉県勝浦市)

1591年に開催を開始した千葉県勝浦市の「勝浦朝市」は400年以上の歴史を誇ります。当時の勝浦城主、植村土佐守泰忠(うえむらとさのかみやすただ)が農業や漁業をすすめる目的もあり、農水産物の交換の場として勝浦根古屋(町の中心となるところ)で開設したと伝えられています。

当時は365日、どのような天候でも開かれていて、10日を区切りとして上本町・仲本町・下本町と場所を移動して開かれていたそうです。

そのように長い年月をかけて育まれた勝浦朝市は、今も昔も人情味あふれる勝浦の顔として、はたまた市民の台所として、遠見岬神社のふもとでにぎわっています。現在は、月の上旬(1日から15日)は下本町朝市通りで、月の下旬(16日から月末)は仲本町朝市通りで開催されます。

千葉県勝浦市・勝浦朝市
©(公社)千葉県観光物産協会

勝浦朝市でぜひ購入したいのが、水揚げされたばかりの鮮魚です。なかでも旬の時期のカツオがおすすめ。朝市では丸々一本をリーズナブルな価格で購入できます。また、保存料などを一切使用していない干物も都内と比べ半額以下! そのほか、その日の朝に畑や山で採ってきた野菜・山菜、地元ならではの工芸品やアクセサリーなどが並びます。

また、平日の朝市は、出店数が少なく、ゆったりとした時間が流れているのがポイント。コーヒースタンドで朝の一杯を楽しんだり、手作りのパン屋でランチを調達するのも良さそうです。飛び交う「浜言葉」にも注目を!

勝浦朝市
住所:千葉県勝浦市浜勝浦319
電話:0470-73-2500(一般社団法人勝浦市観光協会)
営業時間:6:30〜11:00頃
定休日:水曜日・元旦 
交通アクセス:JR外房線「勝浦駅」から徒歩15分
公式HP:https://www.katsuura-kankou.net/asaichitop/

[Photos by Shutterstock.com]

PROFILE

あやみ

Ayami ライター

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

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