第2回のテーマは「ポスト印象派」
東京・日本橋の商業施設「COREDO室町1」の4階「日本橋三井ホール」で、2023年7月7日(金)~10月29日(日)の期間に開催の「Immersive Museum TOKYO 2023 “ポスト印象派” POST-IMPRESSIONISM」。
今年の舞台は、19世紀後半のパリ。ジョルジュ・スーラ、、ポール・セザンヌ、ポール・ゴーガン、フィンセント・ファン・ゴッホを代表的作家とする「ポスト印象派」の物語への体験型ミュージアムとなっています。
公式アンバサダーは、アイドルグループ日向坂46の影山優佳さん。で、会場限定「オーディオガイド」も務めています。自身も昨年の展示を鑑賞し、美術館の音声ガイドをしてみたいという夢があったそうで、今回はダブルで大抜擢となりました。
本展示では、画家たちの人生にもフォーカスしてあり、関係性やタッチの違いを見比べて、視覚的・聴覚的に世界観が伝わってきた、と印象を語っていました。
絵画の中を旅する約22分間
見たままを描く「印象派」の影響を受けつつ、自らの感情も込め、自分らしいスタイルを確立したのが「ポスト印象派」の画家たち。
「鑑賞する絵画から、体感する絵画」をテーマに、昨年と同じく早稲田大学の坂上桂子教授が監修。広いメイン会場では前後左右と床面に絵画を投影し、約22分間の没入するアート体験が叶います。
「点」で表現する技法が特徴のジョルジュ・スーラ。科学的色彩理論も取り入れて鮮やかに描いた、肉眼では見えない光の粒が集まった眩しい絵画です。映像では、無数の光が弾けて舞い、次の絵画を映し出し、スーラが見た色彩に鑑賞者をやわらかく包み込みます。
印象派の「光と色」に対し「形」に注目したポール・セザンヌ。自然物の形を、円筒・球体・円錐に分割し、いろんな角度から見た視点を重ね合わせて描いています。その技法は、その後、ピカソらに影響を与え、“近代絵画の父”と呼ばれています。
「線」ではっきりと描くポール・ゴーガン。“見えるままの色”ではなく、“自分の好きな色”を重ねて、画家の内面も絵に共存させる「総合主義」を唱えました。かつて住んでいたタヒチの文化にキリスト教的モチーフを取り入れていることも特徴。
輪郭線でくっきりと描かれたリアルな人物や植物などが間近に迫ってくる映像演出には息をのみました!
南フランスのアルルで一緒に暮らしていたゴーガンとゴッホ。2人が描いた同じ題材の絵の見比べも注目ポイント。
不遇の運命や激しい性格のイメージが強いフィンセント・ファン・ゴッホ。その印象とは反して、黄色・青色・緑色の色調が鮮明で、力強く温かく感じられます。
ポスト印象派の始まりの頃、オランダからパリへ移ったゴッホは制作意欲にあふれ、『ひまわり』制作時は希望に満ちていたそう。足元を流れる絵具の凹凸が立体的!
瞬く星、揺れる水面、燃えるようにうねる糸杉は躍動感があり、ゴッホの見た景色を旅しているようで、絵画と現実の境目にいる気分に。ゴッホや名画などに扮し、セルフポートレートを制作する芸術家・森村泰昌さんの作品を観たときと同様の衝撃を覚えました。
AIゴッホ先生に描いてもらおう!
メイン会場の外には、“AIゴッホ”がゴッホ風に肖像画を描いてくれる「Your Portrait by Vincent van Gogh」も展示しています。真っ白なキャンバスの前の椅子に座るとセンサーが顔を認識して、似顔絵を描いてくれるというアート体験。
過去のゴッホ作品のカラーパターンや筆のタッチを再現し、太い線で大胆に、細い線で微調整しながら、AIゴッホ先生が鼻歌を歌いながら描き進めます。過去にタイムスリップして巨匠に描いてもらっているような、数分間の疑似体験にドキドキ!
影山さんも似顔絵を描いてもらっていました。体験はグッズ販売所で受け付ています(体験料1回/税込500円/現金・キャッシュレス決済)。完成した画像はQRコードでダウンロード可能なので、思い出作りにもなりますね。
カフェ・スイーツ・グッズ
メイン会場の外の「Immersive Museum Cafe(イマーシブミュージアムカフェ)」では、ドリンクやスイーツなども登場しています(数量限定あり/テイクアウト・イートイン)。中央通りを望める窓際の席もあり、アート気分を高めてくれます。
館内限定「イマーシブ クリームソーダ」(各税込1,000円)は、絵画をグラスの中に表現した、黄・青・赤の美しいドリンク。「ひまわり」「星月夜」「日曜日の午後」の3種類です。
パイナップルをひまわりに見立てたヨーグルトとマンゴーのスムージー「ゴッホ ひまわりスムージー」(1日30杯限定/税込900円)。ゴッホの『星月夜』をイメージしたティーラテ、スーラの光を表現したゼリーソーダ、オリジナルクラフトビールなど、フォトジェニックなドリンク類も。
名画をモチーフにした「アイスソルベ」(1日35本限定/税込1,100円)は、トロピカルベース(黄)、バタフライピーベース(青)、ピスタチオベース(緑)の3種。夏にぴったりのスイーツです。
マーブル模様と花びらで星空を描いた「ゴッホ 星月夜マーブルチョコ」(税込1,500円)。微妙に模様も異なって幻想的です……。
スーラが愛した12色をマッチにしたクッキー(写真)や、12色のキャンディー、ゴッホやスーラのパレットのアイシングクッキーなど、見た目もステキなものばかり!
こちらは『星月夜』を描いた「クリームソーダ」。バニラビーンズ香るアイスをのせて、深い青、淡い青のグラデーションが美しいです。アイスが溶けたら、青の中に白い線が渦巻いて、おいしく芸術鑑賞気分も味わえる1杯。「星月夜マーブルチョコ」を添えたら、ゴッホの青の世界一色に。
オリジナルグッズもポストカード、メモ帳、マグネット、ポーチ、ミニタオル、鉛筆など、多数ラインナップされています。
グッズもスイーツも、自分用やアート好きさんへのギフトにもなるものばかり!
入館プレゼント
平日17時30分以降に来場すると、「ひまわり1輪ブーケ」(写真左)がプレゼントされます(ひまわりは8月末までの夏季限定)。そのほか、生花の販売もしているので、生花を展示内に持ち込んで写真撮影も可能(販売・プレゼントともに数量限定)。
本展示はベビーカーのまま鑑賞も可能で、小さな子どもが声を出して走り回ってもOK。小学生以下の子どもたちには雑誌「VERY」(光文社)とコラボした「絵本キット」のプレゼントもあります。ポスト印象派画家たちの技法の紹介や、自由に描けるページもあったりと、自由な発想で自分だけの絵本を作れます!
(おまけ)ECOEDO日本橋にも行ってみよう
ちなみに、2023年7月7日(金)~9月3日(日)の期間、イマーシブミュージアムのある日本橋・八重洲・京橋エリアでは、15回目となる夏イベント「ECO EDO 日本橋 2023 ~めぐり、つなげる、江戸の知恵~」も開催中です。
金魚型の糖蜜ボンボン「金魚づくし」や、出汁ジュレの「冷やしおでん」など、日本橋エリアの約170店舗の夏限定メニューに、ハンカチの端切れを再利用して作ったうちわなど、サステナブルなグッズまで登場。
福徳の森の前やCOREDO室町テラスには風鈴がセットされるなど、夏の涼を感じる撮影スポットもあります。
公式サイト:https://www.nihonbashi-tokyo.jp/ecoedo/
日本橋エリアで、個性的な画家たちのアートにどっぷり浸って味わって、食と文化に触れる一大おでかけイベントになりそうですね。
開催期間:2023年7月7日(金)~10月29日(日)
開場時間:平日10:00~20:00、土日祝9:00~20:00 (全日最終入場19:20)
入場券(税込):大人 2,500円、大学生・専門学生1,800円、中高校生1,500円、小学生以下 無料、障がい者割引1,200円(付き添い1名まで同料金・要証明書)
*チケット:イープラス独占販売:https://eplus.jp/immersive-museum/
問い合わせ(Immersive Museum 日本橋事務局):050-1742-4548
(平日10:00~20:00、土日祝9:00~20:00)
会場:日本橋三井ホール
住所:東京都中央区日本橋室町2-2-1 COREDO室町1-4階
交通:銀座線・半蔵門線「三越前」駅直結
公式サイト:https://immersive-museum.jp/
[all photos by kurisencho]