「日本国」という山が日本にはある
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ちょっとややこしい文章を書きますが、日本には、「日本国」という山があります。新潟県の北部、山形県との県境にある標高555mの山で、印象的な名前には諸説ある様子。
例えば、この標高555mの山で捕らえたタカを時の将軍に献上すると、そのタカを大いに気に入った将軍が、山に「日本国」と名付けたとの説があります。
いずれにせよ、子どもから年配の人まで親しみやすい山のようです。新潟の村上市周辺に訪れた際にはぜひ、立ち寄りたいですね。
富士山の頂上は私有地
日本一の山といえば「富士山」です。この富士山、誰の所有物なのでしょう。標高の低いエリアは国有地ですが、8合目以上の頂上付近は、浅間神社の所有物なのだとか。言い換えると、私有地なのですね。
TABIZINEの過去記事でも紹介しました。
ちなみに、日本の山は60%が国有地、26%が私有地、12%が公有地だそうですよ。
いまだに女人禁制の山がある
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男女平等が、理念としては当然になった現代でも、まさかの女人禁制の山が存在します。奈良県の中央部、吉野熊野国立公園内にある大峰(おおみね)山脈の主峰「山上ヶ岳」です。
山上ヶ岳がある天川(てんかわ)村のホームページによれば、山上ヶ岳の主な登山口には女人結界門があり、宗教上の理由から今もなお女人禁制が守られているとの話。百科事典にも同様の記述があります。
<現在も山頂への女人禁制が守られている>(小学館『日本大百科全書』より引用)
さすがに驚きですね。
キリマンジャロもモンブランも意味は「白山」
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日本三霊山の1つに「白山(はくさん)」があります。石川県と岐阜県の県境にある山です。登山愛好家でなくても、北陸の人たちにはとても有名な山。
『日本歴史地名大系』(平凡社)によれば、古くから「しらやま」と呼ばれ、残雪も多く、四季を通じて山頂が白く見えるため白山と呼ばれるようになったのだとか。要するに、見たままの意味なのですね。
同じようにシンプルな発想で命名された世界の名峰も多いようです。例えば、タンザニアのキリマンジャロも、フランスとイタリアの国境に位置するモンブランも、日本人にはわかりづらいですが意味は「白い山」になります。
キリマンジャロの場合、スワヒリ語で「キリマ」が「山」、チャガ族のチャガ語で「ンジャロ」が「白く輝く」。まさかの「ンジャロ」で一単語なのですね。モンブランの場合、フランス語で「モン」が「山」、「ブラン」が「白」です。どちらも「しらやま」「白山」といった語感だとわかります。
以上、旅人の教養である地理で扱われる山の豆知識を紹介しました。まだまだ山のトリビアは尽きません。8月11日の山の日も近いですから調べて、SNSなどで発信してみても楽しいかもしれませんよ。
[参考]
※ 山に関する雑学 – 金沢山岳会
※ 日本国登山 – 村上市
※ 山上ヶ岳 – 天川村