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鉄道好きの絶景グルメ旅【9】秋田内陸縦貫鉄道編 駅ナカの温泉と「鉄ピザ」に田んぼアート

Posted by: 伊藤 宏美
掲載日: Dec 2nd, 2023.

鉄道好きで鉄道写真のために全国を回る写真家の伊藤宏美が、カメラを持って出かける「鉄道好きの絶景グルメ旅」。各地で見つけた絶景や絶品ローカルグルメなど、素敵な出会いを紹介します。今回は秋田県を走る秋田内陸縦貫鉄道の旅です。

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上桧木内(かみひのきない)駅の田んぼアート

秋田内陸縦貫鉄道は、鷹巣駅から角館駅まで秋田県を94.2kmかけて縦断する路線です。列車は、田園地帯を抜けると、山の中を走っていきます。乗客を楽しませてくれる仕掛けや、沿線で途中下車したくなるような場所がいくつもある魅力のローカル線です。

秋田県は、米どころとして有名ですが、秋田内陸線も、広い田んぼの中を走っています。毎年、沿線の5カ所の駅では、田んぼアートが開催されていて、乗った時に、車窓から一番きれいに見えるように工夫がされています。毎年、どんなアートが描かれるのか楽しみです。上桧木内(かみひのきない)駅では、秋田犬と紙風船のアートが描かれていました。


(上桧木内2021年撮影)

冬になると、上桧木内駅では、灯りの入った大きな紙風船がたくさん、夜空に打ち上げます。田んぼアートに描かれている紙風船です。上桧木内駅は“紙風船上げ”の駅で、毎年2月10日に開催されています。

上桧木内の紙風船上げ
https://akita-fun.jp/spots/44

 

上桧木内駅
住所:秋田県仙北市西木町上桧木内

阿仁(あに)マタギ駅の陽気な案山子たち

秋田県の真ん中を縦断する秋田内陸線は、山の中も走ります。仙北市と北秋田市の間に、“十二段峠”という峠があり、列車は、トンネルで”十二峠”を越えていきます。そのトンネルの長さは、秋田県で最長です。

このトンネルの特徴は、カーブがまったくないこと。とにかく真っ直ぐなのです。勾配の頂点では、トンネルの出口が見えると同時に振り返ると、入口が見える瞬間があるのです。その瞬間に願い事をすると、願いが叶うともいわれているそうで、見どころのひとつになっています。


戸沢駅を出発した列車が、トンネルを抜けると、阿仁(あに)マタギ駅に到着します。とても小さな駅で、田んぼの中にポツンと現れます。


”マタギ”という名前からも、山の中にいることを想像しますが、とても静かなところです。


(2021年撮影)

ところが、ここに現れる案山子たちは、とてもにぎやかなのです。


(2021年撮影)

列車に向かって、手を振る案山子たちが旅を楽しませてくれます。ひとつずつ手作りされ案山子たちは、凝りに凝っているのですが……コンテストもあるようなので、毎年進化しているように見えます。

阿仁マタギ駅
住所:秋田県北秋田市阿仁中村

阿仁合駅のおしゃれなレストランと地元の食堂


秋田内陸線のほぼ中間にあたりにある阿仁合(あにあい)駅は、駅員さんがいる大きな駅。秋田内陸線グッズや、地元のお菓子もそろいます。特に、小分けになったお菓子がバラ売りされていることもあり、選ぶのも楽しいです。駅名にもなっている「笑内(おかしない)」のチーズ饅頭も置いてありました。


阿仁合駅には、駅に併設されているおしゃれなレストラン「こぐま亭」さんがあります。

洋食がおいしいことで人気があるのですが、メニューに「鉄ピザ」という秋田内陸線オリジナルのピザがあります。鉄分を含む地元の具材を使って鉄道会社が作ったピザです。鉄道ファンとしては、どうしても食べてみたいメニュー。


鉄分の多いほうれん草や小松菜、地元のかぼちゃに、地元の農場のベーコン、秋田の男鹿の塩を使用した、こだわりの詰まった豪華なピザでした。

ベーコンのしょっぱさと、甘いかぼちゃの組み合わせが最高です。デザートに頼んだのは、昔ながらのおいしい手作りプリンで、とってもおいしかったです。

こぐま亭
住所:秋田県北秋田市阿仁銀山下新町119-4


阿仁合駅で、もうひとつ素敵な食堂があります。「高田食堂」さんです。地元の方が利用する古くからあるお店で、駅から徒歩5分ほどのところにある小さな食堂。実家に帰ってきたような、そんな気持ちになり、ほっとするのです。

高田食堂
住所:秋田県北秋田市阿仁銀山上新町66-1

煉瓦造りの素敵な異人館


阿仁合の駅には、徒歩2分以内の場所に、煉瓦作りの素敵な建物が建っています。実はこの地域、銅の産出量が日本一だったことがあるそうで、鉱山技師のメツゲルらの居宅として建築された建物です。現在は、異人館・伝承館として、中を見学することができます。


踏切の音が聞こえてきたので、急いで見に行ってみると、異人館のすぐそばを、列車が走って行きました。

阿仁異人館・伝承館
住所:秋田県北秋田市阿仁銀山下新町41-22
公式サイト:https://www.ani-ijinkan.com/

田んぼの中の小渕駅


秋田内陸線沿線の中でも、特に大好きなのが、小渕駅という小さな駅がある集落です。


田んぼに沿って、線路は緩やかにカーブしており、まるでお庭に列車が走っているような感覚になる駅なのです。

駅ナカで楽しめる温泉

秋田内陸線沿線には、日帰り入浴のできる温泉施設がいくつもあります。温泉が駅に近いところも多いのですが、阿仁前田温泉駅は、“駅ナカ”に温泉があります。途中下車して列車の待ち時間に温泉に浸かるのに、ちょうど良いのです。

阿仁前田温泉駅付近
阿仁前田温泉駅の近くには、徒歩で3分くらいの場所に小さな鉄橋があります。冬には木々が凍りとてもきれいなので、温泉とセットで途中下車を楽しめます。


“湯めぐりタオル”というお得なタオルが、秋田内陸線と鉄道温泉郷で販売されています。“湯めぐりタオル”を見せると入浴料が割引になる温泉施設が9軒もあるのですが、この割引が、期間が延長され、令和6年(2024年)3月31日まで楽しめるようになりました。

阿仁前田温泉駅
住所:秋田県北秋田市小又堂ノ下

秋田内陸線の雪景色


やがて寒い冬がやってきて、あたり一面が雪景色になります。驚くほどの大雪の日にも、列車はエンジンを唸らせながら走っていきます。


晴れた日は、雪が眩しいくらいキラキラした絶景が広がります。


小さな川に浮かぶ石の上には、雪がまんまるに積もって、大福餅のようです。

寒い雪国ですが、おいしいものを食べ、温泉に浸かりながら、秋田内陸線をゆっくり旅しに出かけてみてはいかがでしょうか。

[All photos by Hiromi Ito]
Do not use images without permission.

伊藤 宏美

hiromiito 鉄道写真家
旅行会社の写真撮影ツアー同行講師。他、写真教室の講師。取材同行の他、学校写真カメラマン。食いしん坊。
鉄道写真のため全国を回る。ローカル線や蒸気機関車に乗るのも好き。鉄道の情景写真が好きで、ローカル線では地元の方と話し、名物や駅弁を楽しみながらの寄り道も大好き。
季節ごとに何度も同じ場所に出向くことも少なくなく、長時間滞在も惜しまず、見つけたものや人との出会いは最高の宝物だと思う。


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