名前はいくつか聞いたことがあるけど、ビジホごとにどんな違いがあるのかわからない――。そんな人のために今回取り上げるのは、1986年開業、海外は5か国17店舗を含め全351店舗(2023年11月30日現在)を展開する東横INN。ビジネスユースに特化した、手堅い、ビジホ界の老舗のイメージがありますが、リニューアルオープンした「東横INN羽田空港2」を訪れてみると、そのイメージが覆されました。
「東横INN羽田空港2」5つのポイント
- 2022年にブランドを再構築。1棟まるごとリニューアル
- 無料コーヒーマシンに、コンセント完備。ラウンジ風にくつろげるロビー
- ワンランク上の快適さを体験できるプレミアムプラスルーム
- 和洋食の王道メニューがずらり!無料の朝食サービス
- 羽田空港を往復するシャトルバスが予約不要、無料で利用可能
「出発するホテル。東横INN」としてリニューアル
東横INNは2022年7月にブランドを再構築。「全国ネットワークの基地ホテル」を新たなブランドコンセプトに、「出発するホテル。東横INN」として新しいサービス・設備の導入を進めています。
今回利用した「東横INN羽田空港2」(東京都大田区)はそんな新コンセプトのもと今年3月にリニューアルオープンした最初の店舗。外観は昔のままのように感じますが、内部は1棟まるごとリニューアルを施されています。
最寄り駅は京浜急行空港線の大鳥居駅。筆者は初めて利用しましたが、駅前は人通りも多く、飲食店やコンビニ、ドラッグストアなどもそろっています。羽田空港からは3kmほどですが、飛行機の騒音も気になりません。
コンセント完備。ラウンジ風にくつろげるロビー
大鳥居駅からホテルまでは徒歩1分。フロントにはスタッフが2、3名いましたが、基本的には無人のセルフチェックイン機へと促されます。予約内容や氏名・住所などを確認し、画面に指で署名するとレシートとルームキーが出てきて、わずか1分程度で手続きは完了。多言語(英語/繁体/簡体/韓国語)にも対応できます。
チェックインは15時(会員)、16時(一般)、チェックアウトは10時です。年会費無料(入会金は1500円)の「東横INNクラブカード」会員になると、少し早めにチェックインできます。さらに会員だと会計が5%オフになり、10泊でシングル1泊の無料宿泊券に交換が可能になるので、気になる人はぜひ作っておきたいところ。
セルフチェックイン機すぐそばの共用スペースには、宿泊者限定のセルフロッカーやコインランドリーがあります。
さらに共用スペースには朝食会場も兼ね備えたパブリックスペースもあります。こちらにはアート作品が展示され、2023年12月時点では「Individual Circulation ―個々の取組みを社会へ循環」展と題して、土や水などで描かれたアートや、アルミ缶でできた橋のオブジェなどが飾られていました。
もうひとつ、パブリックスペースで注目してほしいのが、窓際のソファ席。ちょっと気づきにくいのですが、実はほぼすべてのソファ席の下にコンセントが設置されています。ほかのビジホにはない、今どきの充電カフェのような気遣いです。
パブリックスペースには自動販売機や無料の製氷機、さらには24時間利用可能のコーヒーマシンや無料のWi-Fiもあるので、スマホの充電をしながら、コーヒーやカフェラテ(アイスも可)を飲みつつ、ラウンジ風にくつろいだりもできます。長旅にちょっと疲れたとき、気分転換したいときに重宝しそうです。
客室を一新。シックで非日常感のある空間に
2階から上が客室フロアで、エレベーターを出ると青い絨毯が敷いてあります。照明も適度に暗くなっており、気分が落ち着ついていい感じ。客室扉はオートロックで、入り口に入ると、照明を兼ねたカードキーホルダーがあります。
この日のシングルルームの料金は8900円(一般)ですが、今回は追加料金800円で最上階13階にあるプレミアムプラスルームに泊まらせてもらいました。こちらは全311部屋中、6部屋のみ導入されており、ワンランク上の快適さを体験できるそうです。
シングルルームの広さは11平米で、大部分を占めるベッドはダブルサイズ(幅140cm)。入口付近やベッド脇などにスポット照明が設備され、壁にはオシャレな姿見が。壁の一部は木材で、カーテンの水色のほか黒と白を基調としたシックな色遣いにまとまっています。客室全体を通して、今までの東横INNとはかなり違うイメージです。
リニューアル前後のもうひとつの変更点として、従来は横長だったデスクが三角形に変わり、リモコンやドライヤー、ケトルなどの家電類が引き出しに収納されています。デスクにゆとりが生まれ、ノートパソコンやファイルを広々と使用できます。もちろん、インターネット回線も客室ごとに完備されており、有線LANとWi-Fiいずれも無料で利用できるため、テレワークスにもバッチリです。
テレビは壁にかかっており、その下には折り畳み式のバゲージラックが設置されています。またスーツケースはベッドの下に収納できるようになっています。
豊富なアメニティは梅昆布茶が懐かしい味
東横INNは大浴場がありません。浴室はユニットバスが各部屋にあり、ボトルタイプのボディソープ・シャンプー・コンディショナーが備えつけです。
タオルやナイトガウンは客室に用意されていますが、歯ブラシセット、剃刀、くしなどはフロント周辺のアメニティコーナーから調達する必要があります。石鹸、シャワーキャップ、スキンケアセット(DHC社製のクレンジングオイル、洗顔料、化粧水、乳液)、そして粉末緑茶と梅昆布茶などのアメニティがあり、個人的には梅昆布茶が懐かしい味でした。
プレミアムプラスルーム限定5つのアイテム
気になるプレミアムプラスルームの違いですが、特別な5つのアイテムがあるそうです。それが、エアウィーヴ「マットレスパッド」、リファ「ファインバブルS シャワーヘッド」「ビューテック ドライヤープロ」「ビューテック カールアイロン」、プラズマクラスターでおなじみのシャープ「加湿空気清浄機」の5つ。
一流アスリートや著名人も愛用しているのでおなじみのエアウィーヴの「マットレスパッド」は、適度に体が沈み込み、全身を包み込んでくれます。
美容ブランド・リファの「シャワーヘッド」「ドライヤープロ」「カールアイロン」は洗い心地、乾き心地ともに完璧。普段なかなか使用する機会のない高級家電が、こうして気兼ねなく使えるのはありがたいですね。
最後に「加湿空気清浄機」はプラズマクラスターのシャープ製。ホテルで朝起きたら喉がイガイガする――そんな乾燥のお悩み解決にはぴったりです。
王道メニューがずらり!無料の朝食サービス
東横INN全ホテルの共通の特徴が無料の朝食サービスです。東横INN羽田空港2でももちろん朝食は無料。サラダビュッフェにヨーグルト、スクランブルエッグ、ソーセージ、パンに炊き立てご飯などビジホの王道メニューが味わえます。
パンはブリオッシュ、黒糖パン、クルミパン、チョコマーブルパンと、種類も豊富です。ぜひオーブントースターであたためてから召し上がってみてください。
スープはお味噌汁、トマトポタージュ、オニオンコンソメの3種類。なかでもお味噌汁はキャベツやニンジンなど具だくさんで、お出汁の風味も効いていました。
飲み物はホットコーヒー、ほうじ茶、レモン水に加え、個人的にはドイツ生まれのマルチビタミンドリンク「オランカ」が気になりました。オレンジ果汁を使用したビタミンたっぷりの飲み物で、目覚めの一杯に良さそうです。
わかっていてもつい取りすぎてしまうのがビュッフェ形式の怖いところ……みなさんも食べすぎには充分注意してください。
老舗のイメージを“いい意味で”裏切ってくれた
チェックアウトは、カードキーを自動チェックイン機に入れて終了。チェックインと同じく、無人でもスムーズに手続きできたのが印象的でした。
ちなみにインバウンドブームにともない、最近は英語だけでなく、中国語や韓国語圏のお客さんも多いそうです。東横INN羽田空港2では外国人のスタッフの方も働いていて、この日はウズベキスタン出身のスタッフがいました。日本語も非常に上手で、とても丁寧に接客してくれました。
さらに宿泊者は羽田空港を往復するシャトルバスが予約不要、無料で利用できます。出発は隣接する「東横INN羽田空港1」からで、宿泊した12月時点は往復で各16本の便が、ホテル→空港行は朝4時台から10時台まで、空港→ホテル行は18時台から24時台まで運行しています。
ホテルから第3ターミナルまでは約10分、第1・第2ターミナルまでは20~25分ほどで到着します。詳しい時刻表はホテルのフロントにてもらえます。
筆者が抱いていた老舗のイメージを“いい意味で”裏切ってくれた東横INN羽田空港2。旅行の前後泊に使うのもいいですが、それだけにはとどまらない進化ぶりはぜひ一度味わっていただきたいです。みなさんもたまにはこんなビジホに泊まってみてはいかがでしょうか。
住所:東京都大田区羽田1-1-7
TEL:03-5735-1045
アクセス:京浜急行大鳥居駅から徒歩1分
チェックイン:15:00~(会員) 16:00(一般)~/チェックアウト10:00
料金:1室1名7,560円~(公式HP割+会員割アリ)
HP:https://www.toyoko-inn.com/search/detail/00068/