©️Mirko Kuzmanovic / Shutterstock.com
犬鳴山とは?
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「犬鳴山」とは、大阪府泉佐野市に位置する和泉山脈一帯の山地のことです。山名は大蛇から主人の猟師を救ったという義犬伝説に由来します。犬鳴山は、1,300余年前に修験山伏道の開祖といわれる役(えん)の小角(おづぬ)「役の行者(えんのぎょうじゃ)」によって開かれた修験道の霊場で、現在も滝行などを行う修験者の姿を見ることができます。
ここからは、犬鳴山に残る「義犬の伝説」をご紹介します。
悲しくも勇敢な「義犬の伝説」
※画像はイメージです
遠い昔、紀州のある猟師が愛犬を連れて山に入り、大鹿を追って滝のあたりに来たら、愛犬がうるさく吠えました。そのため、鹿は森の中に逃げてしまいます。
それに怒った猟師は、なんと犬の首をはねてしまいます。すると愛犬の首は空中にはね上がり、木の上から密かに猟師を呑み込もうとしていた大蛇にかみつき、蛇とともに息絶えてしまいました。
犬がうるさく吠えたのは、大蛇にいち早く気づいた愛犬が主人を助けようとしたからだったのです。
それを知った猟師は、以後殺生をやめ、愛犬のために、卒塔婆(そうとうば)を建て供養し、自分の田地を不動堂に寄進しました。
この出来事が、当時の都の帝まで伝わり、犬鳴の名をたまわりました。それから人々は、この山のことを犬鳴山と呼ぶようになったといわれています。
なお、泉佐野市の公式キャラクター「イヌナキン」は義犬伝説をモチーフにしているそうです。
風光明媚! 神秘的な雰囲気が漂う「犬鳴山」の見どころ3選
ここでは、犬鳴山の見どころを3つご紹介します。
霊験あらたかといわれる「七宝瀧寺」
「七宝瀧寺」は、661年に役行者によって開かれた、真言宗犬鳴派の大本山です。本尊は倶利伽羅大龍不動明王(くりからだいりゅうふどうみょうおう)で、願望成就の守護神であることから、運気の守護、命乞いとして霊験があるとされています。
また、本堂には亀石占いの石も。この石を軽く持ち上げられた人は、願いが叶うかもしれませんね。
さらに本堂の奥にある「行者の滝」では、犬鳴山修験者指導のもと、修験道の一日体験が可能です。この一日体験では滝に打たれるだけでなく、山行場を歩いたり、法螺貝を吹いたりもできますよ。
七宝滝寺の名前の由来になった「7つの滝」
犬鳴山の山中には、大小48の滝がありますが、両界の滝、塔の滝、弁天の滝、布引の滝、古津喜の滝、千手の滝、行者の滝の7つが有名です。これらの滝は「七宝瀧寺」の名前に由来しています。
うっそうとした森林と渓谷美で知られる犬鳴山の滝を巡れば、神秘的な雰囲気を存分に味わえます。特に新緑と紅葉の季節は絶景です。
そのほか、ハイキングコースには、青銅製の不動明王としては日本一の大きさを誇る不動明王像、大阪で一番高い杉といわれる「のっぽ杉」、伝説の「義犬の墓」、覗き岩・蟻の戸渡り・胎内くぐりといった行場もあり、見どころ盛りだくさんです。
世界に一番近い秘境感のある「犬鳴山温泉」
犬鳴山を散策したあとに訪れたいのが、関西国際空港が開港して以来、世界に一番近い温泉として有名な「犬鳴山温泉」です。大阪府唯一の温泉郷で、美人の湯といわれています。
犬鳴山温泉には、大浴場から日本庭園が望める「犬鳴温泉センター」や、日帰り施設「山乃湯」がある「湯元温泉荘」、四季折々の自然を満喫できる「不動口館」などがあり、犬鳴山散策で疲れた体を癒すことができます。
また、温泉街には犬鳴山の渓流沿いに位置する「カフェテラス空」も! テラス席に座れば、川のせせらぎを聞きながら、犬鳴ポーク・地鶏の料理などを堪能できますよ。
休日に犬鳴山をハイキングしたあと温泉に浸かれば、晴れやかな気分になれそうですね。
住所:大阪府泉佐野市大木
電話:072-469-3131(泉佐野市観光協会)
交通アクセス:南海鉄道「泉佐野駅」から南海ウイングバス「犬鳴山」行きに乗車して約30分、「犬鳴山」下車
公式HP:https://www.kankou-izumisano.jp/50on/a/inunaki.html
[参考]
大阪泉洲観光ガイド|一般社団法人KIX泉州ツーリズムビューロー
泉佐野市観光サイト|泉佐野市観光協会
泉佐野市
一般社団法人泉佐野シティプロモーション推進協議会
泉佐野市立中央図書館|いずみさのなんでも百科
[Photos by Shutterstock.com]