「モネ イマーシブ・ジャーニー 僕が見た光」について
角川武蔵野ミュージアムで開催中の「モネ イマーシブ・ジャーニー 僕が見た光」。2024年は、印象派の画家たちによる展覧会「印象派展」の第一回から150年を迎える節目ということもあり、代表するクロード・モネに焦点を当てた展示となっています。
「鳥が歌うように絵を描きたい」と語ったモネ。自然を愛し、彼の目に映る移ろう景色や時間を生涯にわたって色鮮やかに描き続けました。本展示では、モネを中心とした印象派の作品たちが、体感型デジタルアートとして登場。プロジェクションマッピングによって360度絵画に囲まれ、合わせた音楽で世界に入り込める、まるで絵画でフランスを旅しているような、世界初上映作品をご紹介していきます。
モネの見た景色を辿る旅へ
第1幕 プロローグ 印象日の出
代表作であり、「印象派」という呼び名のルーツとなった《印象、日の出》からスタート。穏やかな日の出から、モネの見た景色を見ていきましょう。
第2幕 ダンスホール
陽気な音楽と共にパリの街並みでカップルたちが躍っています。ルノワールの《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》です。360度踊る人々に囲まれ、まるでダンスホールの中心にいるかのよう。
場面は切り替わり、モネとルノワールが並んで画架を立てた行楽地「ラ・グルヌイエール」へ。モネの見たパリに生きる人々の様子がうかがえます。
第3幕 パリ
モネを中心に、印象派の画家たちがみたパリの景色が広がります。足元に石畳が広がり、高台から一望している気分に。
第4章 女性ダンサー達
エドガー・ドガの描いた踊り子たちが舞い踊ります。練習風景から、オーケストラの演奏に合わせて舞い踊る本番までと、まるでバレエの指導者として踊り子たちを見守っているような気分に。
第5幕 サン=ラザール駅
パリから離れ、汽車で移動していきます。
第6幕 ノルマンディー
汽車に乗って訪れたのは、北部の海ノルマンディー。荒れ狂う激しい波の後は、晴れ晴れとした空の下で穏やかな時間が続いています。
第7幕 セーヌ川の岸辺
パリに戻り、セーヌ川流域の景色へ。マネの《草上の昼食》から、モネの同タイトルの作品に切り替わり、2つの比較が楽しめます。会場内にはハンモックが4席あるので、ゆられながら絵を見るのも、心地よい気分になりそう。
第8幕 ジヴェルニー
モネの代表作《散歩・日傘をさす女》は、ジヴェルニーに移住してからの作品。どこを見ても光り輝く風景が広がります。
第9幕 睡蓮
続いてもモネの代表作《睡蓮》などが会場一面に広がります。睡蓮がゆるりとスクリーンに流れていく様子は本物の蓮のようでした。
第10幕 アトリエ
色鮮やかな景色から一転、絵の具で塗りつぶされます。モネのアトリエです。暗転すると、モネの残した数々の言葉に埋め尽くされ、彼の魂を感じられます。
第11幕 ジャポニスム
場面はさらに一転。モネの浮世絵コレクション部屋が広がります。日本的なモチーフや構図に影響を受けたモネ。葛飾北斎が描く浮世絵の風景のあと、扇子が舞い上がり《ラ・ジャポネーズ》が広がります。浮世絵からモネが影響を受けた作品の誕生です。
第12幕 南仏 コートダジュール モネ
北斎の描いた波が引くと、南仏のコートダジュールが広がります。モネの使う色彩が大きく変わるきっかけになった地です。色鮮やかでぱきっとした強い色彩は、地中海の温かな空気が伝わてきそうなほど。
第13幕 南仏 コートダジュール ルノワール
ルノワールが描いたコートダジュールです。同じ時期に描かれた風景ですが、比較してみるとモネより全体的に温かみのある色彩で描かれていることがわかります。
第14幕 ルーアン、ロンドン、ヴェネチア
絵のタッチがまたがらりと変わります。時間と共に移り変わる光の変化に夢中になった頃の作品です。ロンドンの国会議事堂や、ルーアン大聖堂の、光による変化を色で表現した、幻想的な空間が広がります。
第15幕 エピローグ
エピローグは《ラヴァクールの日没》です。日が落ちるとともに、モネが見た景色を辿る旅が幕を閉じます。
前後の展示でよりモネのことを知ろう!
映像が上映される会場の前後では、モネや印象派について知ることのできる展示があります。
歴史を知ってから本編へ
大きなキービジュアルを抜けた先に、印象派の歴史やモネの足跡を辿れる展示が。本編を見る前に、印象派がどのように誕生したのか、モネがなにを描いていたのかを知るとよりモネの視点が深まるかもしれません。
旅の後は「印象派展」のあゆみを実物大で
《ラヴァクールの日没》で幕が閉じると、「印象派展」へと導かれていきます。
第8回まで開催された印象派展から、美術の教科書でみたことがあるような、なじみ深い作品が実寸大で観ることができます。
生涯をかけて描いたモネの世界を知る
印象派展の先は、モネが何をどう描いたのか、作品とともに人生を辿ることのできるコーナーへと続いていきます。
充実した本編前後の展示から、印象派の流れやモネの人生について作品を通して知ることができ、よりモネの世界に浸ることができますよ。
フォトスポットで『日傘をさす女』になりきろう!
「睡蓮の池」をイメージしたスポットに、太鼓橋が再現されたフォトスポットです。もちろん橋の上に乗ってOK! こちらは無料で誰でも入れます。
また、フォトスポットには白いレースの日傘が置いてあるので、「日傘をさす女」を再現した写真を撮ることもできます。白いワンピースを着て撮るのもよさそうですね。
グッズやカフェで余韻を楽しもう!
ミュージアムグッズも充実! モネの淡く、色鮮やかな作品を身近なアイテムで楽しむことができます。
(左:「散歩、日傘をさす女性」右:「ラ・ジャポネーズ」上:「印象、日の出」)
角川武蔵野ミュージアム2Fの「KadoCafe」にてコラボプリントラテ(税込700円)が販売中! また、「SACULA DINER(サクラダイナー)」でもコラボフードを楽しめるので、余韻に浸りながら作品をイメージした食事やプリントラテを楽しむのもよさそうです。
モネの見た景色を辿りたくなる展覧会
西洋美術にとって、人物画が中心だったため価値が低かった風景。自然を愛したモネは、光の生み出す変化に夢中になり、「すべては千変万化する。石でさえも。」という言葉を残したほどでした。
モネが生涯をかけて描き続けた景色を全身で浴び、いつか彼の見た景色を辿りたくなるような展覧会です。
会場:角川武蔵野ミュージアム1階 グランドギャラリー
住所:埼玉県所沢市東所沢和田 3-31-3ところざわサクラタウン内
会期:2024年7月20日(土)~2025年1月19日(日)
休館日:毎週火曜日(8月13日(火)は臨時開館)
営業時間:10:00~18:00(最終入館は17:30まで)
チケット価格(税込):一般(大学生以上):2,500円/中高生:2,000円/小学生:1,300円/未就学児:無料
購入方法:オンライン購入 、当日窓口購入
展覧会公式サイト:https://kadcul.com/event/192
Design and creative direction: GIANFRANCO IANNUZZI
Multimedia content production: KARMACHINA.
©︎ 角川武蔵野ミュージアム
[All Photo by miri]
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