【全国喫茶モーニング探訪】全国からファンが訪れる名古屋の聖地「パスカル青山」

名古屋モーニングの代表格「小倉トースト」

名古屋のモーニングと聞くと、「小倉トースト」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。トーストの上にあんこが乗った名古屋発祥の名物です。熱々のトーストにガツンと甘い小倉あん。とろけるバターとの相性が抜群で、ボリュームもあって朝から大満足の一品です。

そんな小倉トーストの聖地である名古屋に知る人ぞ知るモーニングの名店があるんです。

住宅街に現れる別世界「パスカル青山」

大通り沿いを歩いていると、突然視界に入ってくる一軒家。目の覚めるようなグリーンの装飾テントが目印のここは「パスカル青山」。名古屋市緑区、名鉄鳴海（なるみ）駅から歩いて約20分の場所にある喫茶店で、全国的に有名なお店です。ゆるやかなカーブを描くカーテンが、いい雰囲気を醸しだしています。

エメラルドグリーンが光る非日常空間

扉を開けると、先ほどまでの住宅街から一変、目に入ってきたのは絵本のような別世界。エメラルドグリーンが光る店内の雰囲気が、非日常な空間を作り出しています。

通されたのは柔らかい光が差し込むテーブル席に着くと、「どこから来たの？ あなたもファンなの？」と、店のママから親しみある一言が。話を聞くと、このお店は綾野剛主演の映画『日本で一番悪い奴ら』のロケ地にもなった知る人ぞ知る有名店だそう。

「あそこの席が使われたのよ。写真撮っていいよ！」と、ありがたい言葉に甘えて移動してみると、壁一面に極彩色の太陽が輝いていました。多くの来店者がこの太陽を背景に記念撮影を楽しんでいるのだとか。

「ドリンク代だけ」のシンプルさが実現するぜいたくモーニング

パスカル青山のモーニングは、ドリンク代だけでトースト2枚とゆで卵が付いてくるお得なセットメニュー。独自の世界観が詰まった店内とは対照的に、モーニングはシンプルな見た目。

トーストは、バター、ジャム、あんこの3種類から2つを選ぶスタイルで、バターとあんこを注文。トーストを交互に食べると、あんこの甘みがバターの塩味と混ざり合ってリッチな味わいに。シンプルだけど贅沢なおいしさ、これぞ小倉トーストの究極系かも。

コーヒーはシンプルな白いカップとソーサーで提供されます。価格は税込450円。エメラルドグリーンが広がる店内の独特な空間とシンプルなモーニングとのコントラストが面白く、いつまでもここにいたい思いながら、コーヒーを味わっていました。

知る人ぞ知る名古屋の名店

パスカル青山のモーニングは7時から11時までで、営業時間は12時まで。定休日は日曜日ですが、不定休もあるため、訪れる際は事前に電話で確認しておくと安心です。

帰る頃には、すでに閉店間際。「また来てね」との温かい言葉をもらって退店しました。外観からはあの別世界を想像できないような、至って普通の一軒家。しかしその実、住宅街に隠れたオアシスのような喫茶店です。

名古屋駅から名鉄鳴海駅まで電車で約20分、そこからさらに歩いて約20分と決して近くはありませんが、足を運ぶのもいとわないほどに魅力的なモーニングとお店でした。ぜひおすすめです。

［All photos by Kei］

PROFILE

Kei

kei ライター

都内在住のフリーライター。大学進学や転職などで7回の引っ越しを経て、現在は浅草暮らしを満喫中。趣味は純喫茶巡り。全国津々浦々の純喫茶を巡り始めて十数年。今までに500店以上訪問し、現在も週1ペースで新規開拓している。昭和レトロな雰囲気にめっぽう弱い。ニッチな視点で地域のさまざまな魅力をお届けします。

都内在住のフリーライター。大学進学や転職などで7回の引っ越しを経て、現在は浅草暮らしを満喫中。趣味は純喫茶巡り。全国津々浦々の純喫茶を巡り始めて十数年。今までに500店以上訪問し、現在も週1ペースで新規開拓している。昭和レトロな雰囲気にめっぽう弱い。ニッチな視点で地域のさまざまな魅力をお届けします。