熊本の離島「御所浦」とは
天草市御所浦町は、天草諸島の八代海(不知火海)に浮かぶ御所浦島・牧島・横浦島の3つの有人島を含んだ大小18の島々から成る小さな町。熊本市から車や公共交通機関、そしてフェリーを乗り継ぎ、約3時間ほどでアクセスできます。
天草市立御所浦恐竜の島博物館
1997年、九州で初めて約1億年前肉食恐竜の足跡化石が発見されたことをはじめ、さまざまな化石が出土することから“恐竜の島”として知られる御所浦町。
2024年にリニューアルオープンした「天草市立御所浦恐竜の島博物館」を目指し、全国各地から研究者やマニアがこぞって足を運ぶスポット。島の玄関口・御所浦港すぐの場所にあり、入口には大きな恐竜のオブジェがお出迎えしてくれています。
ちなみに、恐竜の島博物館への入館は事前予約制となっており、入場の30分前まで受付可能。来館日は再入場もできるので、昼ご飯を食べるためにちょっと外にお出かけして戻る、なんて楽しみ方もOK! 予約の詳細などは、記事末の公式サイトからチェックしてください。
大迫力!躍動する化石と古代の天草
博物館は3階建ての構造となっており、天草エリアで発掘された恐竜や貝の化石をはじめ、大型恐竜の複製といったなど、約2,000点が展示されています。
展示は、約46億年前の地球誕生から恐竜が繁栄した時代までの進化の過程を紹介する「プロローグ」からスタート。化石標本とその生き物の実際の姿のイラストを並べて、絵巻物のように分かりやすく工夫されています。
約1億年前以降の天草の様子が紹介された「白亜紀時代の天草」によると、肉食と植物食の恐竜、翼竜、モササウルス類、カメ、ワニなど多くの生物が存在していたそう。現在の穏やかな海の風景からは想像できませんが、まさに天草は恐竜をはじめとする爬虫類の楽園だったとのこと!
壁一面にびっしりと展示された天草の化石。白亜紀時代のものを中心に、恐竜の歯や肋骨、アンモナイト、貝など、このコーナーだけでなんと約650点を展示しています。かなり壮観です。
(左)御所浦島で発見された九州最大級のアンモナイトの複製(直径約60cm)。博物館から車で約10分ほどの場所にあるアンモナイト館では、約8500万年前の地層に残されたままの実物を見ることができますよ。
約1億年前の日本最大級の肉食恐竜の歯の拡大模型など“触れる”展示(写真)や、約7400万年前の地層(熊本県苓北町)から発見された日本初「ティラノサウルス科の下顎の化石」も展示。国内最大級の獣脚類(全長約8〜9m)のものと推定される大発見です。
ちなみに、これまで紹介してきた展示物についての詳細については、専用の「ポケット学芸員」のアプリをダウンロードすると解説を聴きながら鑑賞できます。ほかの見学者の邪魔にならないように、イヤホンの持参が推奨です。
大迫力の骨格展示!
展示のなかでも、特に見どころとなるのが、大迫力の骨格展示。全長13mにもなるティラノサウルスをはじめとした大型恐竜たちの骨格のほか、頭上には首長竜や翼竜たち。まるで生きているように躍動している姿を楽しめます!
肉食恐竜の頭部と目線の高さが同じになると緊張感が走ります……!
ガラス越しの展示ではないので、どこから見ても迫力満点。まるで自分が恐竜時代にワープしたような感覚に!
古代の天草の海
2階では、天草の海に生きる生物たちの標本や化石など1000点以上を展示し、こちらも見応えがあります。
約4,900万年前、天草地域の陸地では国内最古の大型哺乳類「コリフォドン類」(写真右)らが水辺で草を食べていたのだとか。
有明海や牛深沖(東シナ海)からはゾウやシカの仲間の化石も引き上げられ、天草にも「野生のゾウ」がいたのだそう!
近代の天草諸島は「黒いダイヤ」と呼ばれる良質な石炭や、「天草陶石」が採掘されて日本最大の陶石産地へと発展したとのこと。恐竜時代から現代の伝統工芸に繋がるという壮大な物語は感慨深いものがあります。
思い出のお土産を購入!ミュージアムショップ
1階の「ミュージアムショップPTERO」には、博物館オリジナルグッズのほか、地域の魅力を活かした恐竜グッズなどバラエティ豊かに取り揃えています。
(写真)ポップなデザインのTシャツ(各税込3,790円)や、帽子類(税込2,530円〜)のファッショングッズのほか、恐竜をプリントしたハンドタオル、御所浦の風景をデザインした手ぬぐいなど様々。キュート系からアート系までデザインも各種魅力的!
熊本デザイン専門学校の学生がデザインした「オリジナルクリアファイル」(税込390円)。熊本弁のクリアファイルがユニーク!
恐竜や化石が行進しているような「オリジナルマスキングテープ」(税込350円)の文具系もあり。
天草ヒノキを利用した「恐竜の足跡コースター」(税込800円)。
郷土玩具の天草土人形を受け継ぐ「しもうら弁天会」が製作する「土玩具」(税込3,300円)。恐竜、白亜紀の地層、アンモナイトのデザインがあり、お土産に喜ばれています。
島のお母さんたちによる手芸グループ「ちくちくフクロウ」が創作している「恐竜のぬいぐるみ」(税込3,390円)。表情も布の柄も個性的な一点物。
町のゆるキャラ「てらのくん」のグッズ(税込180円~)も多数販売しています。
営業時間:9:00~17:00
定休日:月曜、年末年始(12/30~1/1)
*営業時間と定休日は博物館に準ずる
公式Instagram:@ptero.museumshop
初心者も楽しめる!化石採集体験
博物館から徒歩約5分の所にある化石採集場では、二枚貝やアンモナイトなどの化石を発掘できる「化石ディグ体験」もできます(体験料大人1,000円(税込)、個人は予約不要、当日博物館でチケット購入)。
(画像:「天草市立御所浦恐竜の島博物館」パンフレットおよび「化石ディグ」チラシより)
化石発見率ほぼ100%という人気のアクティビティ。貴重な化石は持ち帰りできませんが、1人5個まで持ち帰りOK。採集用のハンマー、持ち帰り用の新聞紙・ビニール袋は用意してあるので、軍手を持参し、動きやすい服装でチャレンジしてみよう!
公式Instagram:@hakuaki.fossildig
御所浦島をより便利に楽しくするアプリ
(画像:島探検アプリ「御所浦 恐竜の島探検地図しまたん」チラシより)
来島前には、島探検アプリ「御所浦 恐竜の島探検地図しまたん」をインストールしておくのがおすすめ。スタンプラリーや恐竜との写真撮影で遊べるだけでなく、島への交通情報、行き帰りの船の時間など、天草地域の情報も掲載しています。
https://amakusa.itours.travel/lp/
まるで某恐竜映画のような絶景を望みながら船で行く「恐竜の島博物館」。島全体が化石の宝庫で、船の上から望んでいると、恐竜たちがここを歩いていたのかと想像すると胸が高鳴ります。
住所:熊本県天草市御所浦町御所浦4310-5
TEL:0969-67-2325
開館時間:9:00~17:00(最終入館は16:30まで)
休館日:月曜(月曜が祝日の場合はその翌日)、年末年始(12/30~1/1)
*特別展等の期間中は休館日が変更になる場合あり。
観覧料(年間パスポート):一般500円(1,000円)、大学高校生300円(600円)、小中学生200円(400円)
*予約制(入館30分前まで受付)
*小学校就学前の幼児、天草市内の小・中・高等学校に通う児童生徒は無料
*支払は現金のみ
公式サイト:https://goshouramuseum.jp/
公式Instagram:@goshouramuseum
交通:熊本方面から御所浦島まで約3時間(「水俣港・本渡港・棚底港・大道港」から、定期船・海上タクシーに乗船、「御所浦港」で下船し徒歩約1分)
(参考)https://goshouramuseum.jp/access
(参考)ごしょんならいふ:https://goshoura-life.com/goshoura/
[photos by kurisencho]