<ご褒美・手土産編>空港でも買えるブランド品
フォートナム・アンド・メイソン
いつ行っても大にぎわいの老舗紅茶ブランド「フォートナム・アンド・メイソン(Fortnum & Mason)」のショートブレッドには、箱入りと円筒缶入りがあります。
いずれもスコットランドの首都エジンバラで手作りされており、それを象徴するように、パッケージのデザインはすべてタータンチェック柄。さらに鹿のマークがあしらわれています。
紅茶のアールグレイ風味と迷いに迷った末、やはり比較のためここはプレーンで勝負! 「Traditional」の名前通り、伝統を誇る味となるか!?
とても小ぶりな丸型で、不ぞろいなラインや表面の穴が、手作りの雰囲気を醸し出しています。ほんのわずかにグラニュー糖の細かな粒がふりかかり、高級ブランドらしい上品な味わいです。
ザラメ糖は表面にふりかけられているのかと思いきや、なんと、中に練り込まれていることが判明!
生地自体もザクザク食感ですが、それに加えてさらにこのザラメがゴリゴリしており、新鮮味があります。ロージアン州(エジンバラ)にある、小さな製菓店から仕入れているそうで、文句なしのおいしさ!
(Fortnum & Mason Traditional Shortbread Rounds)
缶入り11枚(125g)、£10.95
原材料:バター(含有率表記なし)、小麦粉、砂糖、ザラメ糖、米粉、菜種油
https://www.fortnumandmason.com
ハロッズ
創立170年以上を誇る老舗デパート、「ハロッズ(Harrods)」の商品。エジンバラの小さなパン屋に代々伝わる、伝統的なレシピを使用しています。
角が丸くなっていない長方形の表面に穴が不規則に空けられ、グラニュー糖がまぶされています。適度なサクサク加減と、高級感あふれる深いバターの味。
手土産に間違いのない品質と味で、ビスケットの厚みもちょうどよいです。
箱入り(170g)、£10
原材料:バター33%、小麦粉、砂糖、米粉
https://www.harrods.com/en-ua
ウィッタード
1886年にロンドンのフィンズベリーで創業した「ウィッタード(Whittard)」。のちに高級住宅街となる、チェルシーで人気を博した老舗紅茶ブランドです。パッケージの可愛さから日本でも人気ですが、直営店がないため、イギリスに来たら気軽に買いたいもの。
バターの原材料表示に「スイートクリーム」とわざわざ書かれているのが興味津々です。表面には、見えないほどかすかなグラニュー糖が。厚さは不均等な薄めで、表面は波打っているような柄です。
あまり「スイートクリーム!」と感嘆するほどのコクは感じませんが、塩気といい、すべてが控えめで全体的にライトな味わい。チェルシー・ブランドにふさわしい上品さです。
(Whittard Classic All Butter Shortbread)
紙製筒入り12枚(150g)、£7
原材料:有塩(スイートクリーム)バター33%、小麦粉、砂糖
https://www.whittard.co.uk/
<日常・自宅編>スーパーで買えるお手軽品
マークス・アンド・スペンサー
高級スーパーの代表格で、オリジナルの缶入りビスケット類が豊富な「マークス・アンド・スペンサー(Marks & Spencer、略称:M&S)」の袋入りショートブレッド。
通常ほかの商品の記載では「砂糖」という単一のくくりであるものが、「上白糖」と「粉糖」にまで分かれており、粉糖入りというのは珍しいです。
封を開けると芳ばしい匂いが広がり、均整のとれたフィンガー型のビスケットが顔を出します。まるで全粒粉かのような味わいで、スーパーで買える品としてはピカイチのおいしさ! 値段も良心的です。
(M&S Scottish All Butter Shortbread Fingers)
袋入り12枚(210g)、£1
原材料:無塩バター34%、小麦粉、コーンフラワー、米粉、上白糖、粉糖、塩
https://www.marksandspencer.com/
ウェイトローズ
M&Sと双璧をなす「ウェイトローズ(Waitrose)」は王室御用達の高級スーパーで、袋入りのカジュアルなタイプは値段と味において、ほかのスーパーの一歩上をいきます。
まず、袋から出したときの形からしてすでに、違いが際立ちます。長方形の角がしっかりしており、全体の形が崩れていません。見た目通り生地がかなりギュッと詰まった、硬めの食べ心地です。
“crumbly”と謳っていますが、ホロホロというよりはサクサク感に近いです。
他社スーパーと、値段の差は以前より縮まりましたが、それでも割高な価格設定。ただ、その品質を考えれば納得できるもので、このレベルを1ポンド程度で味わえるのは、とてもお得に感じます。
(Waitrose All Butter Shortbread Fingers)
袋入り10枚(200g)、£1.1
原材料:バター34%、小麦粉、砂糖、塩、膨らまし剤
https://www.waitrose.com
テスコ
いつかどこかで見かけた「これがなんだかんだで1番おいしい!」というレビュー記事。さすがはスーパー界の雄、最大手「テスコ(Tesco)」、鉄板の味です。
クセもなく普通のおいしさですが、日常使いやばらまき土産として、予算を気にせず安心して買えます。バターの含有率が、以前は高級スーパーと肩を並べていましたが、いつのまにか1%減らされており、また、価格もどんどん値上がりしているのが残念です。
(Tesco All Butter Shortbread Fingers)
袋入り14枚(210g)、£1
原材料:バター33%、小麦粉、コーンフラワー、砂糖、塩
https://www.tesco.com
ウォーカーズ
しょうゆやソースの“本物の味”が、シンプルな材料から生まれるように、1898年にウイスキーの聖地・スコットランドのスペイサイドで創業した「ウォーカーズ(Walker’s)」のショートブレッドも、余計なものを加えないシンプルな製法が魅力です。
パッケージの裏には、創業者ジョセフ・ウォーカーの秘伝レシピに基づく伝統と、「世界最高のショートブレッドを作る」という理念が記されています。
説明書きはどこよりも熱く、老舗ならではの自信があふれていますが、気になるのはその味わい……。
表面にはグラニュー糖などがいっさいかかっておらず、素材で勝負する気概を感じます。食感はボリボリ、ガリガリの極硬でなく、ホロホロとも違う中間の歯ごたえ。
砂糖の甘さに頼らず、バターの風味がしっかり際立つ、滋味あふれる味です。購入はスーパーのセインズベリーズや、ウェイトローズでどうぞ。
(Walker’s Shortbread Fingers)
箱入り10枚(160g)、£1.5
原材料:バター34%、小麦粉、砂糖、塩
https://www.walkersshortbread.com
アルディ
格安ドイツ系スーパー「アルディ(Aldi)」の高価格帯PB商品。高価格帯の製品によく見られる、角が丸みを帯びず直線的なビスケットの形状です。
表面の穴が不揃いなのもハンドメイド風で、高級感が出ています。原材料において、同社のスタンダードPB商品との違いは塩の有無のみ。さて、その違いやいかに!
結果、ここまで違いが出るのか、というほど見事にグレードアップされていました。しっとり濃厚、クリーミーなバター風味で、表面に振りかかっているグラニュー糖の粒が、通常より細かめです。
面白いことに、バターの含有率はスタンダードの方が1%高いです。
(Specially Selected All Butter Shortbread Fingers)
箱入り8枚(160g)、 £1.49
原材料:バター32%、小麦粉、コーンフラワー、砂糖
https://groceries.aldi.co.uk/en-GB/
セインズベリーズ
手頃な価格で、親しみやすいスーパー「セインズベリーズ(Sainsbury’s)」の高価格帯PB商品。お皿に移すとき、そっと持たないと崩れてしまうほどのホロホロ感。
口の中でスッと溶けるほど繊細です。甘さは控えめで上品な味わい。丁寧な作りが価格に反映されています。
(Taste the difference Shortbread Fingers)
箱入り(160g)、£2.35
原材料:バター33%、小麦粉、コーンフラワー、砂糖、塩
https://www.sainsburys.co.uk/gol-ui/groceries
ロダス
天びんを担いだ女性と鳥がシンボルで、青と白をベースにした可愛らしいパッケージが目印の「ロダス(Rodda’s)」。135年におよぶクロテッド・クリーム製造の技術を生かしたショートブレッドです。
ただしテスコのように、これまたいつの間にかクリームの割合が1%減らされており、物価上昇の影響を実感します。
丸型の表面には細かいグラニュー糖がかかり、バターよりもミルクのコクが感じられ、コーニッシュ・ブランドならではの仕上がり。
日本でも人気ですが、当然ながら製造元のコーンウォールで買うのが一番安く、ネットスーパーのオカド(Ocado)でも注文可能です。
(Rodda’s classical clotted cream shortbread)
缶入り10枚(200g)、£7
原材料:無塩バター(含有率表記なし)、小麦粉、砂糖、塩、コーニッシュ・クロテッドクリーム7%
https://www.ocado.com/
好みの食感や食べ応えで選んでみて
サクサクほろほろの軽い食感が好みなら高級版を、しっかりとした食べ応えを求めるなら、生地が詰まったスーパーPB商品の廉価版がおすすめです。
16世紀のスコットランド女王、メアリー1世が好んで食べていたとされるショートブレッド。庶民にとっては結婚式やクリスマス、スコットランドの年越し祭「ホグマニー(Hogmanay)」など、特別な場で楽しむ菓子でした。
現代ではティー・タイムのおやつや、イギリスを代表する土産物として広く親しまれています。
現地で売られているショートブレッドは、空港の「ウォーカーズ」を除くと個包装されているものはほとんどありませんが、小袋入りのタイプはあります。
イギリスを訪れた際はお土産や自宅用に、本場のショートブレッドをぜひ試してみてください。
※店舗や時期により商品の仕様や品ぞろえ、価格が変わる可能性があります。