北海道が発祥!観光におすすめのスポットも
ニトリ
ニトリは、1967年に創業者の似鳥昭雄氏が札幌市北区に「似鳥家具店」を創業したのが始まりです。1975年には日本初のエアドーム建築による「南郷店」をオープンし、1979年からはプライベートブランドの開発を本格化。1993年には本州1号店を開店、2000年には関東物流センターを設置するなど、事業を拡大してきました。
2006年には貿易業務を内製化し、翌2007年には台湾に初の海外店舗「高雄夢時代店」をオープン。2019年にはアパレル事業「Nプラス」をスタートし、2023年にはニトリグループ全体で1,000店舗を突破しています。
残念ながら、創業店舗である「似鳥家具店」は現存していませんが、本州1号店である茨城県ひたちなか市の「ニトリ 勝田店」は、現在も営業中。手頃な価格で家具やインテリアを手に入れられる店舗として、観光がてら訪れてみるのもおすすめです。
サッポロビール

サッポロビール博物館
1876年に北海道開拓のため「開拓使」により、札幌市に「開拓使麦酒醸造所」が完成。1877年、札幌にホップ園を設け、本格的にホップ栽培に着手しますが、植えては枯れを何年か繰り返します。しかし、試行錯誤の末、1881年に開拓使麦酒醸造所で使用するホップはすべて道内産に。
こうして誕生した北海道初のビール「札幌ビール」は、1877年に東京で販売開始。当時の販売価格は、大びん1本16銭と高価でした。ラベルには開拓使の象徴「北極星」が描かれ、現在のサッポロビールのシンボルとして受け継がれています。
サッポロビールの歴史に触れたいのなら、北海道遺産に指定されたレンガ造りの「サッポロビール博物館」へ。サッポロビールと開拓の歴史をたどることができます。貴重な展示品をガイドの解説を聞きながら見学できる「プレミアムツアー」も開催。ツアーの最後には、限定ビール「復刻札幌製麦酒」のほか、「サッポロ黒ラベル」を試飲することができますよ。
ジャガイモ(男爵・メークイン)

男爵いもとメークイン
日本でよく知られるジャガイモの代表品種、男爵とメークインも北海道が発祥です。男爵は1908年、川田龍吉という男爵が七重村(現・北海道七飯町)の彼の農場にイギリスから取り寄せた種いもが元祖とされています。一方のメークインは、1925年に厚沢部町内にあった北海道庁桧山農事試作場で初めて試作されました。以来、厚沢部のメークインは、栽培指導者の改良増殖と厳格な肥培管理によって、今日の銘柄を確立。
七飯町の国道沿いには「男爵薯発祥地の碑」が、厚沢部町農協には「メークイン発祥の碑」がそれぞれ設置され、今なお品種誕生の歴史を伝えています。
北海道亀田郡七飯町鳴川4
ラベンダー

富良野ラベンダー
夏の北海道を象徴するラベンダーが国内で本格栽培されたのは北海道が最初です。1937年に曽田香料株式会社がフランスのアントワン・ヴィアル社からラベンダーの種子を入手。これを千葉・岡山・北海道の各農事試験場と曽田香料札幌工場で試験栽培しました。その結果、北海道が生育の適地とわかり、札幌市郊外の南の沢と岩内郡発足村(現・共和町)で栽培・蒸留が始まったのです。
札幌市南区に位置する「札幌南沢神社」の境内には、ラベンダーに囲まれた「ラベンダー発祥の地の記念碑」が建っています。この記念碑には由来も書かれているため、ぜひチェックしてくださいね。
冷凍食品

冷凍マグロ
1920年、山口県出身の実業家・葛原猪平氏が茅部郡森町の豊富な魚に注目し、当時は人家もまばらだった港町に日本初の冷凍食品工場を設立。1日10トンの冷凍処理が可能な最新設備を備え、マグロやブリ、イカ、サバなどが冷凍され、翌年には東京へ出荷が開始されました。この工場は現在、ニチレイフーズ森工場に受け継がれており、当時の冷凍機が保管されています。
茅部郡森町にある「オニウシ公園」には、森町と日本冷凍食品協会が共同で設置した、冷凍食品発祥100年の記念碑があります。オニウシ公園は、道の駅「YOU・遊・もり」に隣接しているため、あわせて観光したいですね。
味噌ラーメン

※画像はイメージです
札幌は、いわずと知れたラーメン激戦区。実は味噌ラーメンは、1955年に札幌のラーメン店「味の三平」の初代店主がみそ汁をヒントに工夫を重ねて作ったことが始まりとされています。みそ味のスープに中太ちぢれ麺を使ったラーメンは、一気に全国に広まっていきました。
札幌ラーメンの元祖「味の三平」の味噌ラーメンは現在も味わうことができます。炒めたタマネギやモヤシに、スープとひき肉の旨味がからみ、一度食べ始めると止まらないおいしさ。テーブルに置いてある辛味タレで味変も可能です。札幌観光の際にはぜひ本場の一杯を味わってみてください。
ゲートボール
1947年、北海道芽室町の鈴木栄治氏(のちに和伸に改名)が、ヨーロッパの伝統競技「クロッケー」に着想を得て考案したのが、ゲートボールの始まりです。当時は戦後の混乱期だったため、手に入る資材からスティックとボールを手作りしたとか。地元の子どもたちはゲートボールに夢中になったそう。現在は、手軽で体力的な負担も少ないスポーツとしてシニアにも人気です。
「芽室町健康プラザ」は、1年中ゲートボールを楽しめる施設です。創始者である鈴木和伸氏の胸像が設置されているほか、資料室にはゲートボール考案にまつわる手紙や考案に使用したスティックなどの貴重な品々が多数展示されています。
北海道には食にまつわる始まりが豊富!
今回ご紹介した始まりのほかにも、北海道には食にまつわる始まりが多数存在します。北海道を訪れた際は、気になる“食”の始まりにフォーカスして観光したり、食事を楽しんだりするのもおもしろそうですね。
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