【実はソレ青森が発祥!】一世を風靡した「デコトラ」やりんご(ふじ)など!各スポットの観光情報も紹介

Posted by: あやみ

掲載日: Apr 21st, 2025

日本各地にはさまざまなはじまりの場所、つまりは発祥の地が点在しています。それらは私たちが普段よく目にするものだけでなく、その地域ならではのユニークなものまでがあり、人によってはその始まりの地を、聖地として訪れる人もいるのだとか。そんな都道府県各地のはじまりを紹介する本連載、今回は青森の発祥をご紹介します。

青森 空撮

青森県が発祥!観光におすすめのスポットも

デコトラ

青森 デコトラ

華やかなグラフィックやLED電飾などが施されたデコレーショントラック(通称・デコトラ)は、1970年代の八戸が発祥といわれています。もともとは、八戸港で水揚げされた水産物を運搬する際の塩害防止などを目的として、ヘアライン加工をしたステンレス鋼板を取り付けたのが始まりなのだそう。その後、トラック同士の仲間意識や遊び心が高まり、より華やかな装飾へと進化。映画『トラック野郎』シリーズのヒットも重なり、全国的ブームに! 現在は規制により数は減ったものの、デコトラ文化は今もファンの間で受け継がれています。

そんなデコトラが誕生するきっかけとなった八戸港はイカの水揚げ日本一を誇るほか、サバやホッケ、ホタテなど豊富な海産物が水揚げされることで有名。地元の新鮮な魚介を楽しむなら「八食センター」もおすすめです。

八戸港
青森県八戸市
公式HP:https://hachinohe-port.org/hachinohe-port/

りんご(ふじ)

青森 ふじりんご

世界で最も生産されているりんごの品種「ふじ」の発祥地は、津軽平野の中央に位置する藤崎町です。1938年、誘致により「農林省園芸試験場東北支場」が創立されました。この園芸試験場では、特に園芸作物に関する広範な研究が行われ、品種「国光」と「デリシャス」をかけ合わせた交配種が誕生。1951年に初めて実をつけ、その後、数年にわたる試験栽培を経て、1958年に「東北7号」として選抜されました。

この東北7号はりんご農家でも試験的栽培が進められるほど注目を集め、ついに1962年、全国りんご協議会名称選考会にて「ふじ」として正式に命名。1982年にはデリシャス系を抜き、日本一の生産量を誇るりんごに成長しました。

現在、ふじ誕生の地である旧試験場の跡地(現・弘前実業高校藤崎校舎)には、原木と同じ遺伝子を持つ木が植えられ、「藤崎町ふじ原木公園」として整備されています。春には可憐な花が咲き、りんごファンにも人気です。

藤崎町ふじ原木公園
青森県南津軽郡藤崎町藤崎高瀬92-1
公式HP:https://www.fujisaki-kanko.jp/touristfacilities/fujigenboku.html

イタコ

青森 恐山

恐山

「イタコ」とは、青森県に実在する盲目(または弱視)の女性霊媒師のこと。死者の魂を降ろして自らに憑依させ、言葉を伝える「口寄せ(くちよせ)」の技法で知られています。その歴史は江戸時代中期にさかのぼり、当時の南部地方や津軽地方では、イタコは人々の暮らしに深く根ざした存在だったそうです。イタコになるには、師匠につき、経文や巫術を厳しく修行し、「入巫(じゅぶ)」と呼ばれる儀式を経て一人前になります。

イタコの起源ははっきりとわかっていません。しかし現在も、恐山の「恐山大祭」(7月20~24日)と「恐山秋詣り」(10月上旬の連休)で、イタコの口寄せが行われています。「あの世からのメッセージを聞いてみたい」と思ったら、この時期に恐山を訪れてみてください。

恐山
青森県むつ市大字田名部字宇曽利山3-2
公式HP:https://aomori-tourism.com/spot/detail_47.html

海の日(祝日)

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https://pixta.jp/photo/41419282

毎年7月の祝日「海の日」。この祝日のルーツが、青森港にあることをご存じですか? 1876年、明治天皇が初めて燈台視察船「明治丸」で航海。青森港を出発して函館を経由し、横浜港へ無事に帰港しました。これを記念して1941年に7月20日を「海の記念日」に制定。1996年には、海の恩恵に感謝するとともに、海洋国である日本の繁栄を願う日として国民の祝日「海の日」が新設され、現在に至ります。

このような背景から、青森港は「海の日」発祥の地といわれており、聖徳公園には記念碑が設置されています。隣には船の錨(いかり)を模したモニュメントも。ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

聖徳公園
青森県青森市安方2-14-23

南部せんべい

青森 南部せんべい

今や青森土産の定番「南部せんべい」。その起源は、青森県南部町・名川地区とされています。一説によれば、南北朝時代、長慶天皇が名久井岳の麓にある長谷寺を訪れた際、家臣がそば粉とゴマを鉄兜で焼いてふるまったのが始まりとか。戦後、八戸市の鉄工場で煎餅型が量産され、広く普及しました。また、八戸名物の「せんべい汁」は、この南部せんべいを鍋で煮込んだ郷土料理。出汁を吸ったもちもちの煎餅が絶品です。

JR八戸駅東口から徒歩1分に位置する「ユートリー」では、「一枚手焼き型」を使用した南部せんべいの手焼き体験ができます。作るのは、塩味の「てんぽせんべい」で、柔らかでもっちりとした食感と昔ながらの味わいが特徴です。

ユートリー
青森県八戸市1番町1-9-22 ユートリー1階おみやげショップ内せんべい実演場
公式HP:https://www.youtree.com/taiken.html

B-1グランプリ

青森 せんべい汁

八戸せんべい汁

今や全国各地で話題を集める、ご当地グルメでまちおこしをする祭典「B-1グランプリ」。その原点は、八戸です。B-1グランプリの初開催は2006年。その舞台となったのが、八戸市なのです。八戸市の市民団体「八戸せんべい汁研究所」をはじめとする有志たちは、「八戸せんべい汁」を通じて町を元気にしようと奮起。味だけじゃなく、地域愛も提供するというユニークなスタイルでイベントが開催されました。

現在も八戸市内には「B-1グランプリ公認店舗」が点在しており、グルメファンにはたまらない“聖地”となっています。八戸を訪れたら、B-1グランプリ公認店舗を巡るのも楽しそうですね。

青森には興味深い始まりが目白押し!

イタコ、海の日、南部せんべい、デコトラ、B-1グランプリ……。青森には、他にはないユニークな始まりがあふれています。青森の始まりを巡る旅に出るのも良さそうですね。

[Photos by PIXTA]

PROFILE

あやみ

Ayami ライター

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

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