【高架下の秘密基地】下町に突如現る「SKAC」とは?今話題のアートスポットに潜入してみた|東京・亀有

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掲載日: May 30th, 2025

下町に、こんなハイセンスな場所があったなんて──。東京・亀有駅から続く高架下に現れた「SKAC(スカック)」。アート・音楽・建築・食といった多彩なジャンルが交差する複合施設で、2024年11月のオープン以降、SNSを中心に注目を集めています。若者からファミリー層、地元の人まで、多様な人々が自然と交わる “誰にでもひらかれた” カルチャースポットに今回潜入してきました!

SKWAT亀有 アイキャッチ

「SKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)」とは?

SKWAT 看板 ネオンサイン

2024年11月、東京・亀有にオープンした「SKWAT KAMEARI ART CENTRE(=SKAC)」は、アート・音楽・建築・食など、多彩なカルチャーが交差する新しい公共空間。JR常磐線高架下にある利用価値が希薄になった倉庫を利用した、再開発プロジェクトの一環として誕生しました。

DAIKEI MILLS オフィス様子

運営を手がけるのは、設計事務所「DAIKEI MILLS」のメンバーを中心として構成された「SKWAT」。遊休施設や社会的隙間(=VOID)を一般へ解放する運動として、商業空間や公共施設などの物理的な空間のみならず、オンラインや公共電波にも範囲を拡大し、場づくりや発信活動に取り組んでいます。

高架下に広がる唯一無二の空間デザイン

SKWAT亀有 アーケード 画像

SKACはレコードやアートブックといった専門的なアイテムが並ぶ一方で、どこを切り取っても絵になる空間としての魅力もたっぷり。

SKAC 巨大ネオンサイン 内観

巨大なネオンサイン、打ちっぱなしのコンクリート、足場、パレットなど、そうした「都市の余白」から生まれた高架下のスペースを活用。あえて装飾を加えすぎず仕上げることで“無骨さ”と“即興性”が絶妙なバランスで共存する、計算されたラフさが心地よさを生んでいます。

DAIKEI MILLS オフィス サンプル・端材 陳列

さらにこの場所がユニークなのは、単なる“おしゃれ空間”で終わらないこと。SKACでは、設計事務所から派生する素材のサンプルや端材といったものをもう一度資材として活かすアップサイクルのアプローチを取り入れています。

SKAC アップサイクル レンガ 駐車場スペース

今回訪れた際には、東京ステーションギャラリーで使用した赤レンガが敷地内にずらりと並び、駐車場の一角にはベンチとしての休憩スペースをつくっていました!

SKAC アップサイクル レンガ バックヤード

配送用パレットを組み立てて作られたバックヤードも

こうしたアプローチも、ただのエコではなく「小さな端材にも価値がある」という視点から、“平等におもしろさを見出す”試みとして空間に落とし込まれています。

「何があるの?」一目でわかるSKACの全貌

SKAC 窓ガラス 文字接写

SKACの大きな区画には、アートブックのディストリビューター「twelvebooks」とレコードショップ「VDS」の倉庫機能が集約されています。ただの倉庫で終わらせず、一般にも開かれた空間にすることで、ワークスペースとショップエリアがゆるやかに共存しています。

レコードショップ「VDS (Vinyl Delivery Service)」

SKAC レコードショップ VDS

レコードショップ「VDS(Vinyl Delivery Service)」は、ロンドンの実店舗に続く、日本初のショップをオープン。国内外で集めたレコードを取り扱い、SKACでは約8,000点以上ものレコードが並んでいます。

VDS レコード 視聴スペース

試聴用のターンテーブルも設けられています!

VDSでは、ジャズやロック、クラシックといった定番ジャンルでの分類はもちろん、「マテリアル(素材)」というユニークな切り口でもレコードが並べられているのが面白いポイント。

VDS レコードショップ ジャンル分け 接写

例えば、「Stone(石)」「Light(光)」「Fire(炎)」など。ちょっと不思議なテーマですが、眺めているだけで想像が膨らんで、つい手に取ってみたくなります。音の“ジャンル”ではなく“質感”で選ぶような楽しさがあるのも、VDSならではの魅力です。

VDS(Vinyl Delivery Service)
営業時間:11:00~19:00
定休日:月曜・火曜
公式Instagram:@vinyl_delivery_service

アートブック専門ディストリビューター「twelvebooks」

twelvebooks フロア内観

アートブック専門ディストリビューター「twelvebooks」は、海外の出版社から収集したアートブックの倉庫兼ブックストアとして展開しています。

毎月、世界中から数万冊のアートブックがここに届き、仕分け作業を経て、国内のリテーラーへと卸されます。ディストリビューターとしての機能を果たしながら、日本に届いたばかりのアートブックを最初に手に取れる場所でもあります!

twelvebook 新書コーナー 接写

巨大なネオンサインの前に本が積み上げられたエリアは“新書コーナー”。館内には椅子やソファチェアが随所に設置されており、気になった本をその場で自由に読むことができます!

twelvebooks 新書コーナー 机接写

一般の書店では手に取れないような貴重なタイトルも多く、眺めているだけでもインスピレーションが湧き上がってくるような空間です。

アートブック SPECIAL PRICE ブラウン管

アートブック 洋書 SPECIAL PRICE オレンジコンテナ

足場が組まれたSKACのメイン空間のひとつ「アーケード」内には、オレンジ色のコンテナが設置されています。ここには特別価格のアートブックが並んでおり、どんなタイトルと出合えるかは実際に足を運んでみてのお楽しみです!

twelvebooks
営業時間:11:00~19:00
定休日:月曜・火曜
公式Instagram:@twelvebooksdistribution

カフェ「TAWKS」+フリースペース「PARK」

TAWKS 外観

また、大きい区画に隣接しているのは街の新たな憩いの場となる、フリースペース「PARK(パーク)」を併設したコーヒースタンド「TAWKS(トークス)」。ふらっと立ち寄れるオープンな空気感で、都会の慌ただしさを忘れて美味しい一杯とともに気分をリフレッシュできるカフェです。

TAWKS ショップ内 メニュー接写

  • TAWKS 主なメニュー
  • コーヒー

  • today’s coffee – 550円
  • hand drip coffee – 750円
  • espresso – 500円
  • americano – 600円
  • flat white – 630円
  • latte – 650円
  • cappuccino – 650円
  • 紅茶ほか

  • tea amber – 600円
  • tea forest – 600円
  • chai(H/I)- 700円
  • chocolate milk – 700円
  • orange soda – 700円
  • matcha latte – 700円
TAWKS 店員さんおすすめメニュー 接写

店員さんからおすすめメニューをいただきました!

メニューには、「today’s coffee」があり、毎日いろいろなコーヒーを味わえるのが魅力。焼き菓子もいくつか用意されており、しっとり香ばしい「バナナのパウンドケーキ」がイチオシとのことでした!

SKAC PARK 内観

PARK 展示 パレットで作られたベンチ

余った配送用パレットをベンチとして活用

PARKは、展示ごとに空間の表情が変わるギャラリースペースでもあります。多様で実験的な企画が次々と展開され、まさに“来るたびに新しい”を体現する場です!

TAWKS
営業時間:
【平日】8:30~18:00
【休日】11:00~18:00
定休日:月曜・火曜
公式Instagram:@tawks___

なぜ亀有に?SKACが“都心ではなく下町”を選んだ理由

SKAC VDS 内装

かつては表参道で「SKWAT」のプロジェクトを手がけていたが、建物の活用や価値向上をテーマに活動を進めるなかで、誰もが立ち寄れて交流できる場を新たに立ち上げたいと模索していたそう。そのタイミングでJR常磐線高架下の再開発プロジェクトの存在を知り、JR東日本とタッグを組んで本施設が実現しました。

  • SKAC 担当者 アイコン

    「青山の一等地から亀有へ。あえて“下町”に場所を移すことを決意しました。挑戦的ではありましたが、だからこそコントラストが生まれて面白いと感じたんです」

SKAC VDS 店内様子

地元の方々とのコミュニケーションを大切にしながら、オープンまでに1年以上の月日をかけて丁寧につくり上げられたのが、この「SKAC」なのです。

「来るたびに新しい」進化し続けるカルチャー拠点

JR亀有駅 北口 看板接写

アクセスはJR常磐線「亀有」駅の北口から徒歩10分ほど。駅から線路沿いを進み、住宅街が広がる中、高架下に突如現れるのがSKACです。感度の高い若者はもちろん、地元の人々や親子連れ、海外からの観光客まで、多様な人たちが自然と集い、思い思いの時間を過ごしています。

SKAC 入口 外観

ここは、カルチャーに「詳しい人」だけの場所ではなく、むしろ「まだ知らない人」にこそ開かれた、文化との出会いを促す“高架下の秘密基地”なのです。お時間のあるときに、ぜひ一度足を運んでみてください!

SKAC アーケード 内観

SKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)
住所:東京都葛飾区西亀有3-26-4
営業時間:11:00~19:00
定休日:月曜・火曜
公式Instagram:@skwat.site

[All photo by Ray]

PROFILE

Ray ライター

何事にもハマりやすく、好きなことにとことん全力。海鮮が大好きで日本酒と合わせる時間が至福のひととき。趣味は推しを推すこと、野球観戦。行く先で出会う人々との「縁」を大切に日々生きる。

何事にもハマりやすく、好きなことにとことん全力。海鮮が大好きで日本酒と合わせる時間が至福のひととき。趣味は推しを推すこと、野球観戦。行く先で出会う人々との「縁」を大切に日々生きる。

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