【実はソレ福島が発祥!】ご当地菓子パン「クリームボックス」や赤べこなど!各スポットの観光情報も紹介

Posted by: あやみ

掲載日: May 26th, 2025

日本各地にはさまざまなはじまりの場所、つまりは発祥の地が点在しています。それらは私たちが普段よく目にするものだけでなく、その地域ならではのユニークなものまでがあり、人によってはその始まりの地を、聖地として訪れる人もいるのだとか。そんな都道府県各地のはじまりを紹介する本連載、今回は福島の発祥をご紹介します。

福島 空撮

福島県が発祥!観光におすすめのスポットも

クリームボックス

クリームボックス

手のひらほどの厚切りパンに、白いミルク風味のクリームをたっぷりと塗った「クリームボックス」。その発祥地は福島県郡山市です。誕生は1976年、市内のベーカリー「ロミオ」によるものという説が有力。ネーミングは、食パンを四角い箱(ボックス)に見立てたことに由来するといわれています。

やがて「ロミオ」で修行した職人たちが独立し、それぞれの店でオリジナルのクリームボックスを販売するように。その結果、福島県内はもちろん、県外でもその名が知られるようになりました。

現在、「ロミオ」は三万石グループの一員となっており、「ヨークパーク」内のベーカリーロミオでのみクリームボックスを購入できます。濃厚でクリーミーな味わいは、一度食べたら忘れられないおいしさ。郡山市内には、キャラメル、ピーナッツ、モカ、ミルクティー、レモン、チョコなど、多彩なフレーバーをそろえたベーカリーも点在しています。旅行で訪れた際は、ぜひいくつかの店舗を巡って、食べ比べを楽しんでくださいね。

赤べこ

赤べこ

ゆらゆらと頭を揺らす会津の民芸品「赤べこ」。そんな赤べこのもととなった伝説が誕生したのは約1,200年前。現在も柳津町に鎮座する古刹「福満虚空藏菩薩 霊巌山 圓藏寺」を建設する際に、大材の運搬という難題が立ちはだかりました。

そんなとき、どこからともなく現れた赤毛の牛の群れが、荷役に苦しむ黒毛の牛たちを助け、見事に本堂の再建を成し遂げたと伝えられています。この赤牛たちが「赤べこ」と呼ばれるようになり、その力強さと忍耐、そして幸運を呼ぶ存在として広く親しまれるようになったのです。これが、柳津町が「赤べこ発祥の地」とされる所以です。

圓藏寺は断崖絶壁に建ち、只見川を見下ろせる絶景スポットでもあります。1月7日に行われる「七日堂裸詣り」は、無病息災と一年の幸福を祈願する奇祭として知られ、福島県内でも有数の行事のひとつです。

福満虚空藏菩薩 霊巌山 圓藏寺
福島県河沼郡柳津町大字柳津字寺家町甲176
公式HP:https://temple.aizu-yanaizu.com/

白虎隊

飯盛山 白虎隊十九士の墓

白虎隊は、1868年の戊辰戦争において会津藩が編成した、16〜17歳の少年藩士による決死隊です。当時、会津藩では年齢によって朱雀隊(18〜35歳)、青龍隊(36〜49歳)、玄武隊(50歳以上)と部隊を分けており、白虎隊は最年少の部隊でした。

彼らは同年8月23日、戸ノ口原の戦いで新政府軍に敗北。命を落とさず生き残った20人は、若松城の北東にある飯盛山に逃れます。そこから城下を望んだ彼らは、城が炎に包まれているのを目にし、落城と誤認。忠義を尽くすため、うち17名が自刃しました(1人は命を取り留め生還)。

現在、飯盛山には白虎隊士が眠る「白虎隊十九士の墓」があり、鶴ヶ城の方角を指し示す隊士像や、白虎隊士が通ったとされる洞穴も残っています。加えて、毎年4月24日と9月24日は、白虎隊の墓前で慰霊祭と高校生による剣舞が行われています。

飯盛山 白虎隊十九士の墓
福島県会津若松市一箕町大字八幡滝沢155
公式HP:https://www.aizukanko.com/spot/137

玉羊羹

玉羊羹

※画像はイメージです。

玉羊羹を開発したのは、江戸時代に二本松城主の御用菓子屋として創業した玉嶋家です。1937年、福島県知事と軍の依頼により、「やわらかい羊羹を兵隊さんに食べさせたい」という想いから、羊羹をゴムに入れた「玉羊羹」を考案。当初は日の丸羊羹という名前で販売されていましたが、戦後の再開業の際に、軍国主義のイメージを避けて、形と店名から「玉羊羹」という名前に改められました。

二本松市にある玉嶋家では、玉羊羹の購入が可能。玉羊羹がコロリとしたフォルムがかわいらしく、小豆の風味が鼻から抜け、さらりとした甘さが魅力です。日持ちするため、お土産にもぴったり! また、1965年の全国菓子博覧会にて東北で最初に最高賞名誉総裁賞を受領した「本煉羊羹」も人気です。

玉嶋家
福島県二本松市本町1-88
公式HP:https://tamasimaya.com/

中古車のガリバー(株式会社IDOM)

中古車のガリバー

中古車のガリバーは、羽鳥兼市氏が1994年に東京マイカー販売の中古車買取部門として郡山市に「ガリバー安積店」を開店したのが始まりです。その後、フランチャイズ展開の拡大に伴い、千葉県浦安市に東京本社を開設し、フランチャイズ本部機能を移転しました。1994年には同部門を独立させ、「株式会社ガリバーインターナショナル」(現・株式会社IDOM)を設立。以降、会社の新設や吸収合併などを経て、2016年に商号を「株式会社IDOM」へと変更しました。

創業の地は現在「ガリバーミニクル安積店」として営業していますが、創業20周年を迎えた2014年に、1号店である安積店は郡山市南へ移転。車の買取だけでなく「ガリバー安積整備工場」も併設され、サービス体制が強化されています。

ガリバー安積店
福島県郡山市南2-7
公式HP:https://221616.com/shop/fukushima/G00001/

特撮

福島空港にあるウルトラマンポスト

福島空港にあるウルトラマンポスト

須賀川市は、「特撮の神様」と称される円谷英二氏の故郷です。氏の功績を讃え、同市では「特撮アーカイブセンター」を設立したほか、市内の中高生を対象にした「すかがわ特撮塾」の開催など、地域をあげて特撮文化の継承と発信に取り組んでいます。2013年には、ウルトラマンたちの故郷である「M78星雲 光の国」と姉妹都市提携を締結。須賀川は、ウルトラマンシリーズの“聖地”として、特撮ファンから広く親しまれる存在に!

特撮ファンなら一度は訪れたいのが「特撮アーカイブセンター」。撮影で実際に使用したミニチュアなど多くの資料が収蔵されており、その一部を見学可能です。飛行シーンで使用するウルトラマンの人形やウルトラセブンのマスクなど貴重な展示を間近で見ることができます。

特撮アーカイブセンター
福島県須賀川市柱田字中地前22
公式HP:https://s-tokusatsu.jp/

福島には文化・食・産業にまつわる始まりがいっぱい!

ご当地パン「クリームボックス」や、会津の守り神「赤べこ」、ガリバー、特撮など、福島には文化・食・産業にまつわる始まりが盛りだくさん。“始まりの地”を巡れば、福島の新たな魅力を発見できそうですね。

[Photos by PIXTA]

PROFILE

あやみ

Ayami ライター

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

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